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【研究成果】新型コロナウイルス感染症の拡大により、認知症の人の症状悪化と家族の介護負担増の実態が明らかに ~ 全国945施設?介護支援専門員751人のオンライン調査結果 ~

本研究成果のポイント

  • 新型コロナウイルス感染症(颁翱痴滨顿-19)拡大下において、约4割の入所系医疗?介护施设、约4割の介护支援専门员が介护サービスの制限等で「认知症者に影响が生じた」としており、特に在宅者では半数以上が「认知机能の低下、身体活动量の低下等の影响がみられた」と回答しました。
  • 在宅认知症者が介护サービスを受けられなくなった场合、约7割の介护支援専门员が「家族が介护を行うことがあった」と回答、そのため家族が「仕事を休んだ」(约4割)、「介护负担のため精神的?身体的な负担が増した」(约2~3割)としています。

概要

新型コロナウイルス感染症(颁翱痴滨顿-19)に対しては长期的な取组が必要であり、そのためにはマスクの着用など含めた新しい生活様式への移行が必要であるとされています。しかし、认知症の方は认知机能低下による情报やサービスへのアクセスの困难さ、环境変化への适応の困难さから新しい生活様式の実践が困难である可能性が考えられます。さらに、新型コロナウイルス感染拡大下においては、外出自粛や施设における面会制限などの感染予防のための取组により、身体机能の低下や行动心理症状の増悪などの悪影响が认知症者に生じていたと言われています。また、认知症の方が感染した场合には、认知症症状や行动心理症状などのため、隔离など必要な対応が困难であったとする意见も闻かれました。认知症者のほとんどが高齢であり新型コロナウイルス感染では重症化するリスクが高いにも関わらず、新型コロナウイルス感染症への备えに関して多くの面で课题があると考えられます。

広島大学大学院 医系科学研究科共生社会医学講座の石井 伸弥寄附講座教授は、一般社団法人 日本老年医学会、広島大学公衆衛生学講座と共同で高齢者医療?介護施設および介護支援専門員を対象としたオンラインによる質問票調査を行い、コロナウィルス感染症感染拡大下(おおよそ2020年2月~6月頃)の期間に高齢者医療?介護施設に入院もしくは入所中の認知症者や在宅で介護保険の居宅サービスを利用している認知症者や家族にどのような影響がみられたのか、またそれに対してどのような取組が行われたのか調べました。

入所系医疗?介护施设945施设および介护支援専门员751名がオンライン调査票に回答しました。入所系医疗?介护施设の32.5%に运営状况に大きな変化があったと回答しており、さらに、ほぼ全ての施设が入所者の日常的な活动に制限が生じたと回答しました。通所系や访问系サービスに関しては、介护支援専门员の71.5%が介护サービス事业所の运営状况に大きな変化があったと回答しており、78.7%が认知症者が少なくとも一部のサービスが受けられなくなった、受けなくなったと回答しています。

医疗?介护施设の38.5%、介护支援専门员の38.1%が认知症者に影响が生じたとしており、特に行动心理症状の出现?悪化、认知机能の低下、身体活动量の低下等の影响がみられたと回答しています。

介护保険サービスが受けられなくなった场合、家族が介护を行うことがあったと72.6%の介护支援専门员が回答しており、そのため家族が仕事を休んだり、介护负担のため精神的?身体的な负担が増したと回答しています。

今后、新型コロナウイルス感染症拡大下における认知症者の実情についてさらに深く调査するため、秋田大学高齢者医疗先端研究センター等と共同で高齢者医疗介护施设従业员や介护支援専门员を対象としたインタビュー调査を実施する予定です。

これらの调査结果は、认知症高齢者が感染拡大を予防する「新しい生活様式」を実践するため、どのような支援が适切か検讨する基础资料として活用されることが期待されます。

参考资料

感染拡大下における认知症者への影响の有无について寻ねたところ、医疗?介护施设の38.5%、介护支援専门员の38.1%が影响が生じたと回答しました。みられた影响としては、行动心理症状の出现?悪化、认知机能の低下、身体活动量の低下等が挙げられました(図1)。

図1. 感染拡大下において認知症者にみられた影響

図に示した%は影响がみられたと回答した施设の割合を示している。

ADL: 基本的日常生活動作 (日常生活における基本的な移動や食事、更衣、排泄、入浴などの動作)

IADL: 手段的日常生活動作 (料理や買い物等の家事、交通機関の利用、電話、服薬管理、金銭管理等

         複雑な日常生活動作)

在宅认知症者の介护サービス利用状况に変化があったとする回答は78.7%にみられました。さらに、そのように回答した介护支援専门员の72.6%が利用状况の変化のため家族が介护を行う事があったと回答しています。家族が介护を行う事による家族への影响について回答を求めたところ、「仕事を休んだ」が约4割と回答として最多でした。また、身体的な负担、精神的な负担が生じたとする回答もそれぞれ2割を超えていました(図2)。

図2. 介護サービス利用状況の変化に対し家族が介護した事による家族への影響

図に示した%は影响が见られたと回答した介护支援専门员の割合を示している。

紧急事态宣言の対象となった7都府県の回答者、特定警戒都道府県に指定された上记以外の6道府県の回答者、それ以外の都道府県の回答者に分けて结果を示した。

【お问い合わせ先】

&濒迟;研究に関すること&驳迟;

広島大学大学院 医系科学研究科共生社会医学講座寄附講座

教授 石井 伸弥

TEL: 082-257-2018 

E-mail: sishii76*hiroshima-u.ac.jp

(注:*は半角蔼に置き换えてください)


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