TEL: 082-424-6762
E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(*は半角蔼に置き换えた上、送信してください)

大学3年生の春休みにスタートした日本一周を、今年1月、最終目的地屋久島で終えた仁科勝介(にしな かつすけ)さん(経済学部4年)。すでに学外でもフォトグラファーとして活躍している仁科さんに、今回の旅についてお話を伺いました。
まずは、日本一周、お疲れ様でした。卒业2か月前に、旅を终えましたね。
大学1年生の夏休み前にふと思い立ち、1人でヒッチハイクに挑戦、九州を一周しました。多くの方に助けていただき、「知らないまちから知らないまちへ」连れて行ってもらった経験は旅を终えても忘れられず、「日本のことを何も知らない」ことを痛感しました。
1年生の终わりに、卒业までにあと一つぐらい何かできたらと考えるようになり、留学や世界一周、いろいろな选択肢を考えましたが、僕にとっては日本を巡るという答えが一番しっくりきていました。できるだけ一つずつまちを巡って、ちゃんと日本についてもっと知りたいと思い、1つ1つのまちへ出かけて行った结果、47都道府県、1741(仁科さん谈)ある日本の市町村を巡った形になりました。
在学中の长期にわたるこのプロジェクト、どのように実现させたのでしょう。
3年生の前期までにゼミと卒业论文以外の単位を取得し、4年生の1年间(2018年度の前期?后期)を休学し、2019年度前期に復学しました。復学后も指导教员の先生とやりとりをしながら旅を続け、冲縄県を旅行中に「地域と観光」というテーマで卒业论文を一通り书き终えました。僕自身は休学に対する抵抗はありませんでしたが、进路、学业、安全面…両亲はずっと心配していましたね。
旅は2018年3月末~12月、2019年9月末~2020年1月初旬の2回に分けていきました。1回目の旅の费用は大学2、3年时にアルバイトで贮めたお金を切り崩しながら、2回目の旅はアルバイトとクラウドファンディングで支援していただいたお金を资金にしました。アルバイトについては、住み込みのものを3回、更に2年から3年生にかけてもかなり顽张ってお金を贮めていたのですが、2回目の旅の前に行ったクラウドファンディングでご支援をいただかなければ、この旅を最后まで终えることは不可能でした。支援していただいた皆さんに感谢の気持ちでいっぱいです。
原付(バイク)で旅をされたとか。
交通手段の9割以上は原付(スーパーカブ110)での移动です。旅の初日に原付でスリップして、右膝に大怪我を负いました。诊察してくれた医师の方から、救急车を呼ばなかったことを怒られるほどの怪我で、全治3ヶ月といわれました。结局、怪我をして2週间は公共交通机関を利用して旅をし、そのあとは前より一层注意して、再び原付に乗りはじめました。旅の最终段阶では离岛をひたすら巡ったので、船やバス、车、飞行机などあらゆる交通机関を駆使して、バックパッカーのように移动しました。
その日どこで寝るか、どのようなルートで进むかは数週间前から计画を立て、各市町村の具体的にどの场所へ访れるかは数日前?前日に决めていました。最も効率よく、最短で巡ること、またその日の最终目的地での宿泊についても考虑しながら、ルートを决めていきました。観光地として有名なスポットはなるべく巡るように、そうでなければ町の雰囲気が味わえるよう中心部などを通るようにしていましたね。
多くの人との出会いもあったようですね。印象的な出会いは。
旅行中の主な宿泊先は、ゲストハウスや知り合いの家でしたが、ネットカフェで仮眠をすることもありました。1回目の旅では9ヶ月のうちきちんとしたホテルに泊まったのは1日だけ、60日以上は谁かの家に泊めてもらったので、多くの人と出会うことができました。
印象的だったのは、旅を始めて5ヶ月、8月の诞生日当日に泊まったゲストハウスでの、年配の男性歌手の方によるライブです。精神的にも体力的にも厳しいこともあったそれまでの旅路を思い出して、その热い歌を聴きながら号泣してしまいました。また、茨城県龙ケ崎市では初めてお会いしたご夫妇のお家に1ヶ月半ほど滞在させてもらいました。関东を巡る拠点となったのですが、「好きなだけいていいよ」と言ってくださり、人の温かさに心から感激しましたね。

叁重県亀山市のゲストハウスにて
自分のインスタグラムアカウント名と同じ、高知の「かつお」ゲストハウスさんにて
突然ですが、旅で出会った忘れられない景色ベスト3をお愿いします。
3位は北海道斜里町の知床です。予报ではずっと雨だったのですが、访问予定日前日に晴れマークに変わりました。访れた时期は熊の活动期で、知床観光のメインである5つの湖「知床五湖」を巡る散策路へ入るにはガイドの事前予约が必要でした。当日思い切って访れて见たところ、1人分だけ偶然空いていて、知床五湖を散策することができました。晴れた知床の景色は本当に感动しました。
第1位は2つあります。1つ目は长野県伊那市でみた入道云。长い长いトンネルを抜けた后、一面に今までで一番大きな入道云が広がっていました。真っ白な积乱云と青空のコントラストは本当に美しく、しばらく见入ってしまいました。
もう1つは、鹿児岛県屋久岛町の彩云です。旅の最终目的地、屋久岛。もののけ姫の舞台となったとされる「白谷云水峡」へ行った后、夕焼けを见るために「いなか浜」へ向かう途中「彩云」が出ていることに気づきました。旅の中で初めて见た彩云。あまりにハッキリと虹色に光るので、口はしばらく开いていたと思います。そもそもこの日は午后から曇り予报、考えるほど不思议に感じられて。无我梦中で写真を撮り、车へ戻る途中、太阳の左侧に别の彩云が出ていることに気づきました。目の前に彩云が2つあった、ただただ鸟肌が立ちましたね。

北海道?知床五湖

长野県でみた入道云

屋久岛でみた彩云(中央右部分)
旅の様子はインスタグラムなどでも発信し、かなりの反响があったようですね。
旅の最中も、终えた后も、温かいコメントをたくさんいただきました。「入院中だけど勇気をもらった」「何年も帰っていない故郷の写真を见て涙が出た」などと言っていただいたことは本当に嬉しかったです。
この旅を通して、仁科さんが感じた変化は。
自分自身の「无知」を実感するようになりました。日本をあちこち旅しましたが、知れば知るほど、知らないことが増えていくという感覚です。
旅をする日々ではただその日その日のベストを尽くすことしかできませんでしたが、実生活においても目の前にある日々を精一杯过ごさないといけないと强く思うようになりました。
この旅の中で本当に多くの方に助けていただいたので、その支えてくださった方々に恩返しできるように、これからも、旅に限らず、自分にできることを追い続けていきたいです。

冲縄県伊平屋(いへや)岛
この春卒业。冈山県仓敷市の写真馆でカメラマンをされるそうですね。
中学3年生のとき、カメラで撮影をしている人たちを见て「なんだかおもしろそう」と、贮めていたお年玉で一番安いカメラを买いました。高校生から本格的に写真を始め、卒业后も写真を続けていきたいと思うようになりました。今后も、写真であれ、文章であれ、表现をすることをやめずにいたい、多くの方の心に响く何かを届けられるような人になりたいと思います。
(2020年1月取材/広报グループ碍)
広岛大学広报グループ