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本研究成果のポイント
- 动物の目で光を実际に感知するロドプシンは、网膜内の円板膜で列状超分子を形成しています。その机序を実験系研究者と数理科学系研究者が共同で解明しました。
- 円板膜のコレステロールと饱和脂质に富むラフト领域がロドプシンを繋ぐ「糊」の役を担い、ロドプシン列状超分子を形成?维持していることを见出しました。
概要
広島大学大学院统合生命科学研究科の粟津暁紀准教授、藤井雅史助教、同大学大学院博士前期学生の金重先人、および神戸大学バイオシグナル総合研究センターの森垣憲一准教授、同大学大学院理学研究科の林文夫名誉教授、大阪大学大学院基礎工学研究科の山下隼人助教のグループは、動物の網膜桿体細胞内の円板膜において、外界から目に入った光を実際に感知するロドプシンタンパク質(注1)が形成する、列状の超分子构造(注2)の形成メカニズムを明らかにしました。
本研究ではまず、神戸大学?大阪大学のグループが持つ実験?生化学的知见と広岛大のグループが持つ数理的知见の融合により、円板膜を构成する脂质とロドプシンの动态の定量的な数理モデルが提案されました。そしてこのシミュレーションにより、まずロドプシンの列状超分子の単位构造となるロドプシン2量体の形状が明らかになり、更に、円板膜上に少量含まれるコレステロールの结合した饱和脂质が形成する「脂质ラフト(注3)」ドメインが、2量体同士间を繋げる「糊」の役割を担うことで、超分子构造が形成?维持されることを见出されました。
本研究の成果は「PLOS ONE」オンライン版に掲載されました。
用语解説
(注1) ロドプシン
光が当たることによって部分的に形状を変化させるタンパク质。网膜细胞にある脂质円板膜に贯通して存在し、光の认识の初期段阶を担う。
(注2) 超分子構造
复数の分子が共有结合以外の结合によって集合し形成された秩序的な构造。
(注3) 脂質ラフト
细胞膜や细胞内の様々な脂质膜に存在する饱和脂质とコレステロールに富むミクロなドメイン。

図:脊椎动物の目の构造、及び网膜桿体细胞内の円板膜における、ロドプシンの超分子构造の概略図。
论文情报
- 掲載誌: PLOS ONE
- 論文タイトル: Affinity of rhodopsin to raft enables the aligned oligomer formation from dimers: Coarse-grained molecular dynamics simulation of disk membranes.
- 著者名: Yukito Kaneshige1*, Fumio Hayashi2, Kenichi Morigaki3, Yasushi Tanimoto2, Hayato Yamashita4, Masashi Fujii1,5, Akinori Awazu1,5#&苍产蝉辫;(*笔头着者、#责任着者)
所属:
1. 広島大学大学院理学研究科,2. 神戸大学大学院理学研究科,3. 神戸大学バイオシグナル総合研究センター,4. 大阪大学大学院基礎工学研究科,5. 広島大学大学院统合生命科学研究科。 - DOI: 10.1371/journal.pone.0226123
広島大学大学院统合生命科学研究科 数理生命科学プログラム
准教授 粟津暁紀