大学院统合生命科学研究科基礎生物学プログラム
助教 高橋 治子
罢别濒:082-424-7441
E-mail:harukot*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)
本研究成果のポイント
- がん周辺に存在する正常な細胞が、がん細胞の影響でがん組織に適応した状態へ変化していく過程を、3次元in vitro (※1) 培养システムとイメージング技术を组み合わせて可视化
- 周辺の细胞ががん様に変化することで、がん细胞自身の成长や浸润 (※2) が活発化する様子も観察
- 発がん物质によってがん化が促进したり、薬剤によって抑制されることを画像解析から定量的に评価可能
概要
広島大学大学院统合生命科学研究科基礎生物学プログラムの菊池裕教授、高橋治子助教らの研究グループは、がん細胞と周辺の線維芽細胞との相互作用により、がん組織内で見られるがん関連線維芽細胞 (※3) への変化と、がん細胞の増殖や浸潤を観察可能な3次元in vitroがん―間質 (※4) 培养ディスクを开発しました。培养した细胞のイメージングにより、线维芽细胞とがん细胞の微量な変化を定量化し、変化の过程を生きたまま観察することに成功しました。さらに、発がん物质や薬剤を添加し、これらの効果を调べることも可能でした。本システムを用いることで、がん细胞と线维芽细胞以外の种々の细胞との関係の検讨や、薬剤スクリーニング基盘への応用が期待されます。
本研究成果は、Biomaterials Science誌(オンライン版)に5月11日に掲載されました。

図1 イメージ図
用语解説
(注1)in vitro:生体外で、培養器内で
(注2)浸潤: がんなどの細胞が動いて他の臓器へ広がること。その結果、転移が起こる。
(注3)がん関連線維芽細胞: がん組織内部で、がんに適応した線維芽細胞。がん細胞の増殖?成長や、浸潤?転移を促す因子を放出してがん化を助ける。
(注4)间质:上皮细胞などで构成される组织や臓器の细胞を支え、组织の结合や构造を维持する役割を持つ。线维芽细胞は主な间质细胞の1つである。
论文情报
- 掲載誌: Biomaterials Science
- 論文タイトル: 3D in vitro co-culture disc for spatiotemporal image analysis of cancer–stromal cell interaction
- 著者名: Haruko Takahashi and Yutaka Kikuchi
- DOI: https://doi.org/10.1039/d1bm00629k