<研究に関すること>
大学院统合生命科学研究科 教授 太田伸二
罢别濒:082-424-6537
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(注: *は半角@に置き換えてください)
広島大学生物生産学部4年生の藤川亜也さんと大学院统合生命科学研究科の太田伸二教授らの研究グループは、広島県呉市山本倶楽部および広島県江田島市川口農園のご協力によって採集されたオリーブアナアキゾウムシから、ピメフォラジンAおよびBと命名した二種の新規な蛍光物質を発見しました。さらに、同研究科の石原康宏准教授は、これらの蛍光物質が神経保護作用を示すことを明らかにしました。
【研究の背景】
香川県の小豆岛や広岛県の江田岛をはじめ瀬戸内沿岸で広范囲に行われてきているオリーブ栽培にとって重要害虫とされているのが、甲虫の一种であるオリーブアナアキゾウムシ(図1)です。オリーブの木の根元に产み付けられた卵から孵化した幼虫がオリーブの木に穴を开けて潜り込み成长します。木の内部で成长を続ける幼虫に対しては単纯な农薬散布では効果がないため、オリーブの木は次々に枯れていき、特に有机栽培を目指すオリーブ农园に大きな被害をもたらすことになります。このオリーブ害虫の効率的な退治方法の开発が望まれていますが、强い农薬を使う以外には一匹一匹捕虫するしか现状では方法がありません。そこでまず、このオリーブ害虫の基本的な代谢机能などを理解することを目的にして研究を开始しました。
【研究成果の内容】
オリーブアナアキゾウムシを有機溶媒で抽出すると、強い蛍光を発する化学成分を持っていることがわかりました(図2)。その蛍光物質を取り出して(図3)、分析機器によって化学構造を解明した結果(図4)、これまでに報告のないアルカロイド化合物(*3)であることが明らかとなり、ピメフォラジンAおよびBと命名しました。これら二種の蛍光物質は、活性酸素である過酸化水素によるダメージからヒト神経芽細胞を保護する活性を示すことを明らかにしました。オリーブアナアキゾウムシが有する強い生命力の要因の一つではないかと考えられます。この研究成果は米国科学誌?Journal of Natural Products?のオンライン版()に10月21日に先行掲载されています。
【今后の展开】
今后、これら新规蛍光物质が有する化学构造のうちのどのような构成部位が细胞保护に重要であるかなどのメカニズムを解明して、より有効性の高い物质を开発できれば、パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患に対する新たな医薬品の开発につながるものと期待されます。
図1:オリーブアナアキゾウムシ (体長約1.5 cm)
図2:ブラックライト照射时のピメフォラジン础による青白い蛍光
図3:ピメフォラジン础の结晶。
础:通常の光、叠:ブラックライト
照射下での青白い蛍光。
図4:ピメフォラジン础の齿线结晶构造
*1)オリーブアナアキゾウムシ:コウチュウ目ゾウムシ科の甲虫。イボタノキなどのモクセイ科の植物を食べてひっそりと生息していた日本の在来种であったが、オリーブの导入と同时にオリーブを食害するようになった。
*2)蛍光物质:ブラックライトなどを当てると光る物质。
*3)アルカロイド化合物:植物や昆虫などが生产する窒素原子を含む化合物の総称。
<研究に関すること>
大学院统合生命科学研究科 教授 太田伸二
罢别濒:082-424-6537
贰-尘补颈濒:辞丑迟补*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
(注: *は半角@に置き換えてください)
掲載日 : 2022年11月01日
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