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科学技術振興機構(JST)が公募した令和4年度e-ASIA共同研究プログラムの「環境(海洋科学と気候変動)」分野の新規課題として、大学院先进理工系科学研究科の中井智司教授が研究チームリーダーを務める共同研究課題「代替魚油を生産する炭素循環システムの構築と健康に有益な水産、家禽(かきん)産物の生産への応用」が採択されました。
採択された共同研究プログラム研究课题の説明
魚油に含まれるドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸(DHAやEPA)などの多価不飽和脂肪酸(PUFAs)は水産養殖に不可欠であると共に、ヒトの健康維持にも有用です。一方、世界の養殖漁業生産量はこの20年で4倍となる一方で、DHA?EPA含有食品の消費も拡大しています。このため、PUFAsの原料となる魚油の需要は増加の一途にありますが、魚の資源には限界があります。本共同研究では、DHAやEPAといったPUFAsを生産する「スラウストキトリッド ※1」を培養し、その産物を魚油に代わるPUFAs源として、魚、エビなどの水産物やDHA?EPA強化卵といった家禽産物の生産に利用するシナリオの実現を目指します。
本共同研究は、厂顿骋蝉の「12.つくる责任つかう责任」、「14.海の豊かさを守ろう」へ向けた取り组みです。
(※1)スラウストキトリッド:
有机物を利用して増殖し、多価不饱和脂肪酸といった有用な物质を生产できる微生物です。
研究课题イメージ図
採択にあたっての中井教授のコメント
本共同研究で提案している炭素循环シナリオを社会実装したい。それに尽きます。本共同研究の各国チーム代表者の専门は偶然にも化学工学でしたが、各国チームが取り组む内容は异なるため、各国研究チームメンバーの専门分野はバラエティーに富んでいます。例えば日本侧チームの研究は、先进理工系学研究科、そして统合生命科学研究科や环境安全センターの先生方と进めて参ります。本国际共同研究では、研究内容そのものだけでなく、研究者のネットワーク形成においても成果をあげていきたいと考えています。
【以下、プログラム等の详细】
プログラム名: 别-础厂滨础共同研究プログラム
分野: 环境(海洋科学と気候変动)
研究开発课题名: 代替鱼油を生产する炭素循环システムの构筑と健康に有益な水产、家禽产物の生产への応用
研究実施期间: 约3年间
别-础厂滨础共同研究プログラムは、闯厂罢の戦略的国际共同研究プログラム(厂滨颁翱搁笔)の中の多国间の国际共同研究を推进するプログラムの1つで、东アジアサミット参加国において、科学技术分野の研究开発力の强化を目指し、研究交流を加速するとともに、アジア诸国が共通して抱える课题の解决を目指し、国际共同研究を実施する事业です。
本プログラムは、闯厂罢が4カ国4机関のファンディングエージェンシーと共同し、「材料(マテリアルズ?インフォマティクス)」分野及び「环境(海洋科学と気候変动)」分野(以下、环境分野)の共同研究の募集を行ったもので、募集要件として、3カ国以上の共同研究とする条件があり、日本国内の大学や研究机関、公司などで研究に従事している研究者であることが日本侧の応募资格となっているものです。
本プログラムに环境分野として採択された课题は「代替鱼油を生产する炭素循环システムの构筑と健康に有益な水产、家禽产物の生产への応用」で、日本?インドネシア?フィリピンの共同研究です。
インドネシア研究チームとフィリピン研究チームには、本学で学位を取得した若手研究者が在籍し、本课题の基础でもある「食品向上の排水を用いたスラウストキトリッドの培养」などの研究を行っていたという下地がありました。
この若手研究者たちと両国の研究代表者と共同し各国の研究チームを作り上げ、オンライン会议により何度も打ち合わせを実施しながら、本プログラムへ3カ国での共同研究申请に応募し、今回の採択となりました。
研究代表者の所属?役职?国
広島大学 大学院先进理工系科学研究科?中井 智司?日本 ※研究チームリーダー
スラバヤ工科大学 産業化学工学科?ソプリアント教授?インドネシア
フィリピン大学 ロスバニョス校 化学工学科?ベロニカ ミゴ教授?フィリピン
大学院先进理工系科学研究科
教授 中井 智司