加藤 房雄 著
2023年2月17日刊行
一次资料を駆使した年来の経済史研究の成果により、ドイツ世袭财产制の歴史的内実の多面的问题群を解き明かしたのが本书である。「世袭财产」(贵颈诲别颈办辞尘尘颈蝉蝉)はその重要性にも関わらず、ドイツ経済史の分野において、従来内外ともに大きく研究対象として取り上げられてこなかった。先行研究が仅かな「世袭财产」について、本格的に取り组んだ研究の成果を上梓する意义は、第一に、経済史研究上の贡献である。次に、19世纪末から第一次大戦を経てワイマル共和政へと至る「古典的帝国主义」期のドイツに即して、「世袭财产问题の诸相」に迫った本书は、理论的には、帝国主义论と土地所有论の「连繋」の必要性だけではなく、その媒介环としての意味を持つ「世袭财产」の実証分析の重要性をも强く示唆するものになっている。ここに、本书の第二の意义が认められよう。
また第三に、ウェーバー(Max Weber)の世襲財産論が、「広大な世界での経済的征服」を説くドイツ帝国主義論の視角を内包する以上、前述の第二の意義は、ウェーバー学説との関連においても、当然、問題の俎上にのぼる。この点、本書はウェーバー論としても読める。さらに、社会経済システムの「機能様式」に注目するヨーロッパ農村史の近年の研究動向に連なりながら、近現代の農業史と金融史が交錯?重畳する新しい分野の視界をも拓いている。「世襲財産」に関連したドイツ貴族史やナチス?ドイツの政策への理解、法制史研究等にも裨益しうる知見を少なからず提示した。