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ノーベル生理学医学赏を受赏した「低酸素応答」の解明 本学研究者からも喜びの声

2019年のノーベル生理学?医学赏が、米国のウィリアム?ケーリン氏、英国のピーター?ラトクリフ氏、米国のグレッグ?セメンザ氏の3人に赠られることが决まりました。  
動物の生命維持に欠かせない酸素の濃度変化に適応する細胞の「低酸素応答」の仕組みを明らかにした研究成果によるものです。世界の研究者がしのぎを削っている分野で、本学原爆放射线医科学研究所の谷本圭司講師(分子生物学)もその1人。「正直なところ悔しさもありますが、この研究領域から受賞者が出たのはうれしい」と喜んでいます。

细胞の低酸素応答の“主役”とも言えるのが、1995年にセメンザ氏が発见した低酸素诱导因子(贬滨贵)というタンパク质です。贬滨贵は通常の状态では分解されるために働いていませんが、低酸素状态を検知すると安定化?活性化し、酸素を运ぶ赤血球を増やしたり、新しい血管を作ったりするタンパク质の遗伝子を発现させる分子メカニズムが、3人の研究者によって突き止められました。

最近の研究により、がん组织に存在している低酸素の领域が、増殖や放射线治疗の効果に関係していることが明らかになっています。また、心筋梗塞や脳卒中などと低酸素环境の関连も注目を集めていて、これらの病気に対する新しい治疗法の开発につながると期待されています。今年9月には、贬滨贵の分解を阻害する薬が肾性贫血の治疗薬として日本でも承认されました。

谷本讲师は1997年~2000年にスウェーデンのカロリンスカ研究所で低酸素応答を研究。ノーベル赏を受赏した3人と合宿しながら议论した思い出もあるそうです。今回の受赏理由のプレスリリースにも谷本讲师の研究成果が引用されています。
今年9月にセメンザ氏に会ったばかりという谷本讲师は「低酸素応答は临床面にとどまらず、生理学や代谢、発生、免疫応答など、さまざまな事象に関わっていると考えられています。ただ、よく分かっていないことが多いのでチャレンジしていきたい」と意欲を燃やしています。

ノーベル生理学?医学赏を受赏した3人について语る谷本讲师

ノーベル生理学?医学赏を受赏した3人について语る谷本讲师

セメンザ氏と语り合う谷本讲师(2019年9月、関西医科大学)

セメンザ氏と语り合う谷本讲师(2019年9月、関西医科大学)

【お问い合わせ先】

広岛大学広报グループ

E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp (注:*は半角@に置き換えてください)


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