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【研究成果】「福島県産」に対する消費者の無意識的態度はネガティブであることが明らかに ~「風評被害」、買い控えを防ぐ手法の開発へ期待~

本研究成果のポイント

  • 福岛県产の农产物?海产物に対する消费者の意识的态度※3はネガティブではないことがいくつかの研究において报告※1されていますが、心理実験により消费者の「福岛県产」に対する无意识的态度※4は比较的ネガティブであることが明らかになりました。
  • さらに、この倾向は消费者の居住地が福岛県に近いほど顕着になる可能性、消费者个人の感染嫌悪倾向が强いほど顕着になる可能性があることがわかりました。
  • 消费现场において深刻な买い控えが存在するという报告※2がありますが、本研究成果は、无意识的态度を修正する教育手法の开発や、买い控えを防ぐ広告手法の开発への活用が期待されます。

※1 出典:三浦ら(2016)、農林水産省(2018)
※2 出典:福島県(2016)、消費者庁(2017)

用语説明

※3 意識的態度:社会調査やアンケートなどで測定される顕在的態度。参加者は態度を測定されていることに気づくため、社会的望ましさなどを考慮して見せかけの(すなわち、偽りの)態度を示す可能性があります。

※4 無意識的態度:潜在連合テストなどで測定される潜在的態度。参加者は態度を測定されていることに気づかないため、社会的望ましさなどの影響を受けず、真の態度を示すと考えられています。

※5 潜在連合テスト:人間の無意識的態度を調べることができる実験手法で、あるカテゴリがどのような属性と潜在的に結びついているのかを調べることができます。

※6 感染嫌悪傾向:ウィルスなどの見えない感染脅威に対する拒否反応の度合いで、本実験参加者においては、日本语版感染脆弱意識尺度(福川ら,2014)により測定しました。

概要

広岛大学大学院総合科学研究科の有賀敦紀准教授と大学院生のTsegmed Otgonchimegさんらの研究グループは、(1)福島県産の農産物や海産物に対して消費者は比較的ネガティブな無意識的態度を有していること、(2)その傾向は広島よりも東京に居住している消費者において顕著であること、を心理実験によって明らかにしました。

この成果は、福岛県が抱える东日本大震灾及び原発事故后に起こった県产农林水产物等の市场価格の下落の问题改善をはじめ、いわゆる「风评被害」により失った信頼の回復のための手法开発に繋がると期待されます。

以上の成果をまとめた論文は、スイスのオンライン科学雑誌「Frontiers in Psychology」に掲載されました。

無意識的態度

図1. 無意識的態度 (反応時間から算出したD scoreが小さいほど、「福島県産」と「ネガティブ」の連合が比較的強いことを示している)

意識的態度

図2. 意識的態度 (福島県産および佐賀県産に対する(a)絶対評価と(b)相対評価)

论文情报

  • 掲載雑誌: Frontiers in Psychology
  • 論文題目: Implicit Attitudes about Agricultural and Aquatic Products from Fukushima Depend on where Consumers Reside
  • 著者: Otgonchimeg Tsegmed1, Daiki Taoka2, Qi Jiang1, and Atsunori Ariga1
    1.&苍产蝉辫;広岛大学大学院総合科学研究科
    2. 京都大学大学院教育学研究科
  • 顿翱滨番号:&苍产蝉辫;10.3389/蹿辫蝉测驳.2019.00515
【お问い合わせ先】

広岛大学大学院総合科学研究科
准教授 有賀 敦紀

TEL: 082-424-6565

E-mail: ariga*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)


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