大学院人间社会科学研究科研究科人文学プログラム(文学部)
教授 野島 永
TEL: 082-424-6660
FAX: 082-424-6663
E-mail: nojima*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)
本研究成果のポイント
- 佐田谷?佐田峠坟墓群が国史跡指定の答申を受けます。
- 佐田峠坟墓群の発掘调査?研究は広岛大学考古学研究室が野外実习授业で行っていました(2007~2012年度)。
- 広岛大学考古学研究室の教员と発掘调査に参加した大学院生らがまとめた佐田谷?佐田峠坟墓群の研究成果によって、当该遗跡が国史跡として重要な価値をもつとの评価がなされ、今回の答申につながりました。
概要
6月18日、国の文化審議会(会長 佐藤信)は、文部科学大臣に対し、文化財保護法第109条の規定により、佐田谷?佐田峠墳墓群を史跡に指定するよう、答申を行う予定です。
今回の答申のもとになったのは、平成19年度以降の広島大学考古学研究室と庄原市教育委員会が共同研究としておこなった継続的な佐田谷?佐田峠墳墓群の調査研究の成果です。広島大学文学部考古学研究室では野外考古学実習で佐田峠墳墓群の発掘調査を行ってきました。そして、考古学研究室の教員の野島 永(広島大学大学院人間社会科学研究科 教授)は、広島大学文学研究科(地表圏システム学講座 考古学分野)大学院生であった今福 拓哉?真木 大空(現 島根県教育委員会)、村田 晋(現 広島県教育委員会)らとともに調査研究報告書を刊行しました。
调査研究の结果、佐田谷?佐田峠坟墓群は、弥生时代中期末から后期前叶の坟墓遗跡で、四隅突出型坟丘墓3基、方形台状墓4基、方形周沟墓1基の多様なかたちの坟墓から构成されることが判明しました。あわせて、短期间に坟丘の构筑方法、墓穴(墓壙)の规模や位置関係、土器の出土状况が変迁したことが判明しました。土器や坟墓の特徴から、吉备地域、山阴地方と交流しながら、坟墓祭祀を独自に発达させたと考えることができました。
短期间における弥生坟墓の复雑な変迁过程を一カ所で辿ることができる坟墓群として、重要な意义をもつものと评価されました。
今后の展开
答申の3~6カ月后に、官报告示により国史跡指定の予定。

佐田峠3号墓四隅突出型坟丘墓の调査
弥生时代中期末叶の四隅突出型坟丘墓の突出部分の発掘调査、2008年度の野外考古学実习授业。
広岛大学文学部考古学研究室提供
参考文献
野島 永編 2016 『佐田谷?佐田峠墳墓群発掘調査報告書 調査編(1)』広島大学大学院文学研究科考古学研究室報告3巻--(広島大学学内刊行物)
今西隆行?辻村哲農編 2017 『佐田谷?佐田峠墳墓群発掘調査報告調査編(2)』庄原市発掘調査報告書29。
野島 永?村田 晋編 2018 『佐田谷?佐田峠墳墓群発掘調査報告書 研究編』広島大学大学院文学研究科考古学研究室報告4巻--(広島大学学内刊行物)
野島 永?稲村 秀介?村田 晋 2020?佐田谷?佐田峠墳墓群の企画展?庄原盆地 弥生王墓誕生?をおえて?『広島大学大学院文学研究科考古学研究室紀要』11号 考古学研究室、81-90頁。--(広島大学学内刊行物)