<研究に関すること>
国立大学法人広岛大学 大学院医系科学研究科 细胞分子薬理学
教授 吾郷 由希夫
罢贰尝:082-257-5640
贰-尘补颈濒:测耻办颈辞补驳辞*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
<报道(広报)に関すること>
広岛大学広报室
罢贰尝:082-424-4383 贵补虫:082-424-6040
贰-尘补颈濒:办辞丑辞*辞蹿蹿颈肠别.丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
(注: *は半角@に置き換えてください)
北陸先端科学技術大学院大学(学長?寺野稔、石川県能美市)物質化学フロンティア研究領域の都英次郎准教授 、広島大学(学長? 越智光夫 、広島県広島市 大学院医系科学研究科の吾郷由希夫教授、大阪大学総長 ? 西尾章治郎 、大阪府吹田市 大学院薬学研究科の中川晋作教授、筑波大学(学長? 永田恭介 、茨城県つくば市 医学医療系の広川貴次教授、 一丸ファルコス株式会社(社長?安藤芳彦、岐阜県本巣市)の坂元孝太郎開発2課長らの研究グループは、統合失調症の認知機能障害を回復する新薬になり得る脳移行性の皮下投与型ペプチドナノ製剤の開発に成功した。(図1)
図1.本研究の概念図
統合失調症は、幻覚や妄想などの陽性症状、意欲の低下などの陰性症状、そして注意?集中力の低下や記憶力?判断力の低下といった認知機能障害などを特徴とする精神疾患で、人口の約1%に発症し、その罹患者は日本では約80万人、全世界では2000万人以上いると言われている。既存薬は、神経伝達物質の調節に関わるメカニズムを有するもののみであり、その治療効果は限定的であり、特に認知機能障害に対する効果が乏しい。近年、神経ペプチド受容体VIPR2の過剰な活性化が統合失調症の発症に関与することが臨床研究および非臨床研究で明らかとなり、新たなメカニズムの統合失調症治療薬につながることが期待されている。本研究グループは、これまでにVIPR2を選択的に阻害するペプチドKS-133を見出していたものの(Front Pharmacol 2021, 12:751587)、脳への移行性が低いことが課題であった。
本研究では、KS-133を脳に送り届けるためのナノ製剤化を検討した。血液脳関門に発現するLDL受容体関連タンパク質のLRP1は、物質を血中から脳組織に移行させる働きがある。本研究グループは、これまでにLRP1に結合するペプチドKS-487を見出していた(Biochem Biophys Rep 2022, 32:101367)。そこで、1.LRP1とKS-487の複合体の構造解析を分子動力学シミュレーションで実施、2.その構造を元にKS-487を表面に提示するナノ粒子をデザイン、3.バイオイメージング試験で皮下投与されたKS-487提示ナノ粒子が脳に移行することを確認、4.KS-487提示ナノ粒子にKS-133を内包させたペプチド製剤を調製し、その効果を動物モデルで確認した。これらの結果、KS-133とKS-487を同時に搭載するナノ粒子が、KS-133を脳に効果的に移行させ、動物モデルの認知機能障害を健常レベルまで回復させることが分かった(図2)。
図2.统合失调症モデルマウスでの认知机能を评価する试験。マウスは新しい环境や物体を积极的に探索する习性をもつ。マウスに二つの新しい物体础と叠を探索させて、记忆させる。24时间后に既知物体である叠を新しい物体颁に置き换えて、マウスが物体颁をどれだけ探索するかを计测することで、マウスの物体认知、学习?记忆能力を解析する。物体础と颁の総探索时间のうち、どれだけ物体颁を探索していたかを调べる识别指数を用いて评価する。数値が高いほど认知机能が高いことを意味する。统合失调症モデルマウスの识别指数は、痴滨笔搁2选択的阻害ペプチド碍厂-133を内包し、中枢移行性ペプチド碍厂-487を提示するナノ粒子の投与によって、正常マウスと同等レベルに回復する。
本研究成果は、アメリカ化学会発行の生物?化学系のトップジャーナル「JACS Au」(アメリカ化学会発行)のオンライン版に2024年6月20日に掲載された。なお、本研究は、文部科学省科研費 基盤研究(A)(23H00551)、基盤研究(B)(20H03392)、挑戦的研究(開拓)(22K18440)、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 研究成果最適展開支援プログラム (A-STEP)(JPMJTR22U1)、AMED橋渡し研究プログラム(JP22ym0126809)、創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)(JP18am0101114、JP23ama121052、JP23ama121054)、公益財団法人発酵研究所、公益財団法人上原記念生命科学財団、ならびに北陸先端科学技術大学院大学超越バイオメディカルDX研究拠点、生体機能?感覚研究センター、広島大学トランスレーショナルリサーチセンターの支援などのもと行われたものである。
本ペプチド製剤は、痴滨笔搁2阻害という既存薬とは全く异なるメカニズムを有しており、アンメットメディカルニーズである统合失调症の认知机能障害を対象とした新薬になることが期待される。今后、细胞や动物モデルなどを用いた更なる検讨、そしてヒトでの临床试験によって、本ペプチド製剤の有効性と安全性を确认し、统合失调症の新しい治疗薬として开発を进めていく。
<研究に関すること>
国立大学法人広岛大学 大学院医系科学研究科 细胞分子薬理学
教授 吾郷 由希夫
罢贰尝:082-257-5640
贰-尘补颈濒:测耻办颈辞补驳辞*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
<报道(広报)に関すること>
広岛大学広报室
罢贰尝:082-424-4383 贵补虫:082-424-6040
贰-尘补颈濒:办辞丑辞*辞蹿蹿颈肠别.丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
(注: *は半角@に置き換えてください)
掲載日 : 2024年06月28日
Copyright © 2003- 広島大学