下の写真の望远镜が、宇宙科学センター附属东広岛天文台に据えられている有効径1.5尘光学赤外线望远镜「かなた」です。この望远镜は、もともと大学共同利用机関である国立天文台がその叁鹰キャンパス内(东京都)に「赤外シミュレータ」という名前で1994年に建设?所有し、主にすばる望远镜(1999年竣工)の観测装置の试験に活跃してきました。望远镜の集光力を决める主镜の有効径は1.5尘です。これは、すばる望远镜の有効径8.2尘の5分の1以下ですが、当时、国内に存在する望远镜としては最大级であり、2021年现在においても大学が国内に所有する望远镜としては、京都大の冈山天文台3.8尘せいめい望远镜、兵库県立大の2尘なゆた望远镜、北海道大の1.6尘ピリカ望远镜に次ぐ大きさになります。広岛大学は、この望远镜を、観测环境および利便性に优れた东広岛市东南部の山顶部へ2006年に移设し、望远镜制御系を改良して同サイズの天文望远镜としては世界有数の駆动速度を夸ると共に、新しい観测装置の开発を进め、観测机能を充実させました。そして、X线やガンマ线で天体を観测する人工卫星と密着した高エネルギー天体?突発现象をはじめとする、大学望远镜ならではの特徴あるユニークな観测研究を推进しています。
かなた望遠鏡(広島大学1.5m光学赤外線望遠鏡; 2016年7月; 2017年1月撮影)



上の写真を见ながら、望远镜の构造の解説をしたいと思います。(下の図も适宜参考にして下さい。)望远镜は、镜筒が青色、架台が緑色に涂装されており、天顶を向いた状态において、ドーム観测室床面(=ターンテーブル上面)から最上部までの高さは约5.3尘あります。望远镜の架台は、ドームの回転や人の动きによる振动が望远镜に伝わらないように、ドーム施设とは独立した基础を持つピアに据え付けられています。この望远镜の架台は経纬台と呼ばれ、铅直轴まわりの水平回転と、高度轴回りの垂直回転(望远镜がおじぎをするような运动に対応)の2轴の回転により、镜筒が望みの天体へ指向されます。镜筒とは、望远镜の光学系を実装している部分で、トップリング、トラス、センターセクションなどで构成されます。有効径1.5尘の主镜は、中央がへこんだ凹面になっており(中央部の厚み200尘尘)、センターセクションの中で、下から12点(うち3点は固定点)、横から10点で支えられています。副镜は直径302.8尘尘(新セラミック副镜では323.2尘尘)の凸面镜で、トップリングに据え付けられています。望远镜で集められた光は、第3镜(平面镜)の着脱により、ナスミス焦点かカセグレン焦点のいずれか一方に像を结びます。それぞれの焦点に観测装置が搭载可能です。
なお、「かなた」の爱称は公募により选ばれました。1333通に及ぶ御応募、有难うございました。また、架台の緑色と镜筒の青色は広岛大学のカラーです。

かなた望遠鏡外観図((株)西村製作所 提供)
镜筒(特にセンターセクションより下部)は简易的に描かれています。详细は下の赤外シミュレータの外観図を参考にしてください。なお、カセグレン?ローテータのフランジ面とターンテーブルの床との距离は、赤外シミュレータよりも20肠尘だけ长くなっています。

(参考)赤外シミュレータ外観図(国立天文台 提供)
镜筒(=トップリング~トラス~センタセクション~カセグレンローテータ)はかなた望远镜のものと同一です。
主な诸元
○ 光学系 Ritchey-Chretien 光学系
○ 主镜の有効径 1500mm
○ 主镜材 ULE(Ultra Low Expansion; 超低膨張)ガラス
○ 合成F値と焦点距离蹿 F/12.2 f=18,300mm (F/12.3 f=18,501.7mm)
○ 视野 直径15分角(=0.25度)
○ 焦点面スケール 11.271秒角/mm (11.148秒角/mm)
○ 架台 経緯台 最大角速度 方位軸まわり6度/秒 高度軸まわり3度/秒(2021.10以降の値。2021.8までは方位軸まわり5度/秒 高度軸まわり2度/秒)
○ 総重量 约17トン
○ 搭载可能重量 カセグレン焦点500kg ナスミス焦点1000kg
※表中の括弧内の値は、新セラミック副镜を用いた场合のもの
参考资料
ウェブ
文献等
田中済ほか、国立天文台報、Vol. 2, pp. 537-544 (1995)
沖田喜一ほか、国立天文台報、Vol. 2, pp. 645-660 (1995)
中村京子ほか、国立天文台報、Vol. 2, pp. 735-763 (1996)
表泰秀ほか、国立天文台報、Vol. 3, pp. 99-115 (1998)
川端拡信ほか、国立天文台報、Vol. 4, pp. 163-170 (2000)