
がんは加齢によってリスクが増大するので、高齢化が进んでいる日本では、今后さらにがんが増えることが予想される。がんは遗伝子制御の変化によって起こると考えられている。顿狈础の复製エラーや顿狈础损伤修復のエラーによる突然変异はある一定の频度で起こるので、长く生きれば生きるほど顿狈础の突然変异の可能性も増大し、がんのリスクが増大する。
加齢以外にもがんが増える要因はあると考えられる。1)质の悪い食事(脂っこいものや塩分の浓いものなど)、2)运动不足、3)精神的ストレス、4)免疫力の低下、5)喫烟、6)饮酒、7)肥満などが、がんのリスクを高めると考えられている。今后はこれらの要因がどのような重みでがんのリスクを増大させるのかについての定量的评価法の开発が期待される。
がんは、切除可能な场合は切除することで完治が期待できるが、切除の时点でがんが転移している场合や、大きな転移はなくても目に见えないがんが、体に残っている场合がある。この目に见えないがん细胞が别の场所で大きくなるのを防ぐために、术后の补助薬化学疗法(抗がん剤投与)や放射线治疗が広く行われており、目に见えないがん细胞が别の场所に転移して大きくなるリスクの軽减に贡献している。ただ、抗がん剤は多くの场合、正常细胞の顿狈础も伤つけるので、补助薬化学疗法による二次的ながんの発生のリスクについても考える必要がある。がんの10年生存率はステージが进むにつれて下がる倾向があるので、がんの早期発见率の向上が强く期待される。
最后に、现在のがんの最も大きな残された课题について、つぶやきたい。それはがんの転移の予防である。がんが切除可能で、それが他の场所に転移しなければ、完治が期待できる。しかし、血流やリンパの流れにがん细胞がのってしまうと、全身に転移する可能性が出てくる。例えば、がん患者の40%に脳転移が生じると言われている。また、どのがんにも骨へ転移する可能性があるとされている。これまで、がんの転移を完全に防ぐ方法は开発されていない。今后は、血流やリンパでの微小がんの検出や、それらを选択的に死灭させる方法の开発、さらには、たとえ血流やリンパにがんがのってしまったとしても、脳や骨など别の场所で大きくなるのを防ぐ方法の开発が、强く期待される。

ニュージーランドから来た共同研究者Justin OSullivan博士と宮島で撮影 2015年6月