
现在、私が兴味を持っているテーマの1つは、「谁も捕まえたことの无い、全く新しいファージを単离、解析したい」というものです。
バクテリオファージ(ファージ、细菌ウイルスとも呼ばれる)発见の报告は、1915年に罢飞辞谤迟(ブドウ球菌ファージ)、1917年に诲'贬别谤别濒濒别(赤痢菌ファージ)によってなされ、以来100年に渡って様々な细菌に感染する多様なファージの単离、研究が行われてきました。ファージの研究は、発见直后の第一次ブーム时と、分子生物学の牵引役となった1950?1970年代の第二次ブーム时に热心に行われ、メジャーなタイプのファージの多くは、この时期までに発见されました。そしてそれ以来「全く新しいファージ」の报告は减少してきていました。
ところが、2000年以降、全く新しいジャンボファージ(ゲノムサイズが200 kbp以上の巨大なファージでgiant phageとも呼ばれる)が徐々に発見されるようになってきました。これらのファージは特殊な環境から取られてきたのでは無く、単離の際の方法(プラークアッセイ法と呼ばれる方法で単離するのが一般的です)に、ちょっとした工夫を積み重ねることで単離できるようになってきたのです。
この方法についての少し详しい话は、昨年の生物工学会誌(2016年8月号)に「いまどき?いまこそ!プラークアッセイ -新奇ジャンボファージ取得のためのプラークアッセイのすゝめ-」というタイトルで书かせていただいたので、ご一読下さい(参考鲍搁尝: 丑迟迟辫蝉://飞飞飞.蝉产箩.辞谤.箩辫/蝉产箩/蝉产箩冲测辞尘辞测补尘补冲2.丑迟尘濒)。简単にまとめると…
?教科书に书かれている条件(0.7%寒天)は固すぎるため、巨大なファージは拡散できず、プラークが検出出来ない → だから単离できなかった。
?柔らかい寒天(0.35%寒天)で行えば巨大なファージも拡散でき、プラークが検出出来る → だから単离できる。
ということです。「そんな単纯なことで?」と感じると思いますが、一度确立した既存の方法(言い换えるならば「常识」)を「疑う」ことはなかなかに难しいということなのでしょう。
しかし、人间というのは面白い物で、一度疑い始めると、さらに「疑うことができる」ようになります。现在、従来型のプラークアッセイの方法を见直し、今までの方法では难しかった特殊なバクテリアに対応できる方法を开発中です。「新しい対象」でのスクリーニングは「新しいファージ」、「新しい発见」に繋がってくれるだろうと期待しています。
中学、高校时代に学んできた「教科书」には(ほとんど)ウソは含まれていないため、「疑う」ことに惯れていない人も多いと思います。また、ひょっとすると「疑う」という言叶にネガティブなイメージを持つ人もいるかも知れません。でも、「新しい何かを见つける」ためには、「既存の物?常识」を「疑い」、「别の见方?理论?方法」を考えることが大切になります。
どんどん「本当だろうか?」「こうしたらどうだろうか?」「何故だろう?何故かしら?」と「疑い」、「考えて」下さい。
きっと「新しい何か」が见えてくると思います。
とは言え、あまり基本的なことを疑いすぎると何も出来なくなってしまいますので、バランスが大切なのはもちろんです。