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第25回北村宪司助教

バイオのつぶやき25回 北村憲司助教 「研究初心者のみなさんへ:感動のタネ?」

 诸説ある様ですが、日本では、札幌时计台?はりまや桥?オランダ坂、外国なら人鱼姫像?マーライオン?小便小僧、の共通点ってわかるでしょうか?ウワサには闻くけど実物を见るとそれほどでは、、、世间で叁大がっかり名所と言われるものです(ご当地の皆様、スイマセン)。本当にがっかりするかどうかはともかく、又闻きと自ら见るでは结构违う、実际に体験しないとわからないってことですね。実験や研究でも全く同じ、むしろ「みる」事はもっと重要な意味がありそうです。微生物のコロニーが生育したシャーレ、一枚の液クロのチャートを见ても、人により违う事を感じるかもしれません。辞书の「みる」の项目には、「见る?観る?诊る?看る」と异なる意味合いの実に様々な言叶が出てきます。肉眼で直に见るだけでなく、机器で测定したり、时には触ってみたり、ありとあらゆる「みる」力を総动员して、観察したり、何かを感じたり、疑问に思ったりする力は、研究に限らず様々な局面で大事だ、という点に异论を唱える人は少ないでしょう。

 とは言え、自分自身にそれほど优れた力が备わっているとは言い难いのですが、そういう心がけでいる事はできるかもしれません。そのために重要な事は、ある种の「感动」ではないかと思います。今でも私が覚えているのは、学生时代に、酵母细胞の核を顿础笔滨と言う蛍光色素で染める方法を教えてもらい、蛍光顕微镜を初体験した时のことです。照明を消した暗い部屋で、细胞に励起光を当てた瞬间、明るく青白いいくつもの光が目に飞び込んできました。何をおおげさなと言われそうですが、予想外の美しさに、夜空に辉く星を见た気がしたのです。大仰な事である必要などなく、日々の実験の中で、微生物のコロニーが出た、笔颁搁で遗伝子が増えた、綺丽なパターンで电気泳动ができた、分画で谜のピーク出现、そんなちょっとした事でも「やった!」「うわ?」と感じる気持ちを持つことから始まるのだと思います。何を见てどう感じるかは个々人で千差万别でしょうが、そんなことをきっかけに実験にワクワクできればなお良し。よくわからないまま先生に命令されて手を动かしているだけの人もいるでしょうが、こうした気持ちを持つことはずっと変わらぬ大事なことではないでしょうか。

 生命科学は、生物のゲノムの全塩基配列を短时间で解読し、见えないものでも圧倒的な感度で网罗的に分析できる时代になり、今后もますます技术や机器は进歩を続けるでしょう。蛍光つながりで言えば、クラゲの蛋白质を利用すればどんな生物でも光る、というノーベル赏のニュースから既に10年近く过ぎ、いまや、まるで子供のお絵描きのごとく、生きたままの细胞の细部を何色もの色で涂り分けること、长时间に渡ってライブ観察することも当たり前の时代になりました。感动の种は人それぞれでしょうが、まだまだ尽きる事はなさそうです。

添付図;蛍光蛋白质発现で緑?オレンジ色に光る酵母のコロニー

添付図;蛍光蛋白质発现で緑?オレンジ色に光る酵母のコロニー


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