
前回のバイオのつぶやきでは、「疑うチカラ」というタイトルで书かせていただきました。このコラムは一部でご好评をいただいたため、今回は「信じるチカラ」で行こうかと考えていたのですが、「ただの精神论じゃないか?」とのツッコミを受けたため、今回のタイトルは「ウミガメのスープ」にしました。
ウミガメってどんな味なんでしょうかね?世界的にウミガメの生息数が减少していることから多くの国で保护対象になってきています。日本でも天然记念物に指定されていますから基本的には食べられません。ところが、小笠原诸岛では食文化の継承のためということで年间135头の捕获が认められていて、食べることが可能です。ちなみに小笠原ではウミガメが产卵しやすい砂浜の整备等の保护活动も合わせて行なっており、ウミガメが増加している世界でも珍しい岛とのことです。
さて味についてですが、胸肉はクセもなくかなり美味しいらしいです。マグロと马刺しの间くらいの味で、生で良し、焼いて良しとの评判です。岛の寿司屋ではウミガメ寿司を食べられるとのことで一度访れてみたいなぁとは思っていますが小笠原は往復に1週间かかる岛ですのでなかなか难しいですね。胸肉以外の身は、スープというか、ごった煮のようにして食べるそうですが、こちらはクセが强く人を选ぶとのことです。
………で、今回の「ウミガメのスープ」ですが、これらの话とは全く関係はなく、「水平思考パズル」や「水平思考ゲーム」あるいは「シチュエーションパズル」などとも呼ばれる思考パズルゲームの有名な问题で、このゲームの代名词ともなっているものです。
10年くらい前に结构流行ったため、ご存知の人も沢山いらっしゃるとは思いますが、研究室で学生に闻いてみたところ、意外と知らない人が多いようでしたので、今回绍介させてもらいます。
出题者が问题を出し、回答者は「はい」「いいえ」で答えられる质问を繰り返し、出题者が考えているストーリーを推测して谜を解いていくというゲームです。
「ウミガメのスープ」は「ある男がレストランでウミガメのスープを食べ、その后自杀した。なぜ?」という问题です。
论理的思考力の他に水平思考力が必要とされることから、前述のように「水平思考パズル」とも呼ばれています。
身近に経験者がいるならば、その人に出题してもらって実际にゲームをしてもらうと面白さがわかると思います。いない场合は、少し古いですが任天堂顿厂で「スローンとマクヘールの谜の物语」というゲームも発売されていました。また、最近は水平思考パズルのアプリなどもあるようです。
「新しい知识に触れたい」という知的好奇心は谁にでもあると思います。それと同様に「ひらめいた瞬间の楽しさ」も人类に普遍的に存在するものだと思います。いわゆる「アハ体験」と呼ばれるものです。
まだ试したことが无い人はぜひ水平思考パズルにチャレンジしてみてください。
この「水平思考(Lateral thinking)」という言葉は、エドワード?デボノが提唱したもので、「既成の理論や概念に囚われずアイデアを出す方法」とされています。
デボノによると、既成の理論や概念を積み重ねていく「垂直思考(Vertical thinking)」は、論理を深めるには有効ではあるが、斬新な発想は生まれにくい。これに対して「水平思考」は多様な視点から見ることで斬新な発想、いわゆる「ひらめき」を生み出せるとのことです。
例えば、携帯电话を小型化する。軽量化する。というのは垂直思考的発想と言えるでしょうし、カメラを付ける、ウェブブラウジングができるようにする(携帯电话→スマートフォン)というのは水平思考的発想と言えるでしょう。このように「正常进化」では无く、「革新的変化」を生むためには水平思考的発想が大切になります。また近年盛んに言われている异分野融合の研究も革新的な结果を期待されてのものと思われます。
「ひらめき」がどこから来るのか?人為的に制御、训练できるのか?という疑问を持つ人もいますが、ある程度の部分は训练で伸ばすことができると言われています。水平思考、ひらめきに関する本は何册も出ていますので、兴味がある人はぜひ読んでみてください。
前回の「疑うチカラ」でも述べましたが、别の角度、価値観、理论から见ていくことで「新しい何か」が见えて来ると思います。
様々な経験をして、様々なことを感じて、考えて、あなたの人生に革新的な発明?発见が访れますように。