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【研究成果】島根県津和野町から日本最古の岩体を発見 ~原日本列島の形成史をひもとくカギに~

本研究成果のポイント

  • 岛根県津和野町から、日本最古のおよそ25亿年前に贯入?固结※1し、18.3亿年前に変成作用を受けた花岗片麻岩(正片麻岩)※2の岩体が発见されました。
  • この花岗片麻岩は,ペルム纪※3の地层中に挟み込まれた二つのレンズ状岩体(长さ2办尘、最大幅600尘と长さ1.5办尘、最大幅300尘)の双方に含まれ、他に18.5亿年前に贯入?固结した花岗岩类や4.2亿年前に贯入?固结した花岗岩类と斑れい岩、24.8亿年前より古いジルコンだけを含む石英砂岩の変成岩(メタコーツァイト)※4などを伴っています。
  • これらの岩体の少なくとも一部は「北中国地块」と呼ばれる古い大陆地殻からなる安定陆块(クラトン)を构成していたと考えられるため、本発见は原日本列岛の形成史をひもとく上で大変重要なものとなります。
  • 本発见は、偶然なされたものではなく、舞鹤帯形成のテクトニックモデルに基づき、舞鹤地域の西方を追跡调査した结果であり、仮説の妥当性を示すものです。

用语説明

※1. 貫入?固結:「貫入」とは、マグマが周囲の岩石を押しのけて地殻中に入り込むことで、貫入して冷えるとマグマは固結して花崗岩などの深成岩となる。

※2. 花崗片麻岩(正片麻岩):一旦冷え固まった花崗岩が何らかの原因で再加熱され、変形されたりして変成作用を受けたものを花崗片麻岩、または正片麻岩と称する。

※3. ペルム紀:およそ3?2.5億年前の古生代最後の地質時代。二畳紀とも。

※4. 石英砂岩の変成岩(メタコーツァイト):陸上の岩石が削剥されてできた砂粒は、川を流れ下る間に、風化?変質しにくい石英分が次第に増える。大陸を流れる長大な大河の河口付近では石英分が90%以上となり、これが堆積して石英砂岩(コーツァイト)となる。石英砂岩が変成作用を受けたものをメタコーツァイトと称し、風化?変質しにくいジルコンを比較的多く含んでいる。コーツァイトの岩体はこれまで日本国内では知られていなかった。

概要

広岛大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻の早坂康隆准教授と木村光佑研究員(博士)らの研究グループは、島根県津和野町地域に分布する舞鶴帯北縁部のペルム紀の地層中に挟み込まれた花崗岩複合岩体から、日本最古のおよそ25億年前に貫入?固結し、18.3亿年前に変成作用を受けた花岗片麻岩(正片麻岩)を発見しました。

これまでは、岐阜県七宗町(ひちそうちょう)にある「日本最古の石博物馆」に展示されている20.5亿年前に贯入?固结して17.5亿年前に変成作用を受けた花岗片麻岩が日本最古の石として知られていました。しかしこの石は、ジュラ纪(およそ2亿年前から1.5亿年前の地质时代)に堆积した上麻生砾岩(かみあそうれきがん)の砾(石ころ)の一つであり、花岗片麻岩の岩体がある訳ではありません。

一方、岛根県隠岐の岛町に露出する隠岐変成岩の一部に18.5亿年前の花岗片麻岩が存在することが知られており、岩体としてはこれが日本最古のものでした。隠岐変成岩の地质学的位置づけとしては、2000?1500万年前顷日本海が开いて原日本列岛がアジア大陆から引き离されて日本列岛が形成された际に、大陆クラトンの一部が隠岐诸岛付近にくっついてきたものと考えられてきました。ところが、今回発见された岩体はこれとは异なり、本州の地殻の骨格をなす古生代后期以降(3亿年以降)の付加体中に発达する断层帯に挟み込まれた特异な产状を示しており、原日本列岛の形成史をひもとく上で大変重要なものです。

本研究は、2013?2015年度科学研究费助成金、基盘研究(颁)「砕屑性ジルコン?モナザイトの鲍-笔产年代に基づく日本列岛の地质构造発达史」(课题番号:25400486)の一环として行われたものです。

本研究成果は、2019年2月15日に発行された地质学雑誌に掲载されました。

本件につきまして、3月25日、霞キャンパスにおいて记者説明会を开催しました。

日本最古の岩石(花崗片麻岩)

日本最古の岩石(花岗片麻岩)

25亿年前に贯入?固结した花岗岩が18.3亿年前に変成作用を受け、縞状の构造を示す花岗片麻岩となった。

论文情报

  • 掲载雑誌:&苍产蝉辫;地质学雑誌
  • 論文題目: 島根県津和野地域の舞鶴帯から古原生代18.5億年花崗岩質岩体の発見とその意義 (Discovery of Paleoproterozoic 1.85 Ga granitoid bodies from the Maizuru Terrane in the Tsuwano area, Shimane Prefecture, Southwest Japan and its geologic implications)
  • 着者:&苍产蝉辫;木村光佑1、早坂康隆1、柴田知之1、川口健太1、藤原弘士1
    1. 広島大学大学院理学研究科
  • DOI: 10.5575/geosoc.2018.0050
【お问い合わせ先】

広岛大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻
???????准教授 早坂 康隆

TEL: 082-424-7462

E-mail: hayasaka*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)


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