麻豆AV

第1回加藤纯一教授

バイオのつぶやき第1回

 学部では工学部第叁类発酵工学讲座、大学院では先端物质科学研究科分子生命机能科学専攻を担当しております。では、発酵工学、分子生命机能科学とはいったいどういう学问なのでしょうか?キーワードはずばり、バイオテクノロジーです。ではバイオテクノロジーとは何か?それは、生物が持つ様々な机能を活用する技术のことです。

 発酵工学/分子生命机能科学のルーツは、広岛高等工业学校の醸造学科(昭和4年に设置)にあります。醸造学科はまさに日本酒をはじめとするお酒造りの研究?教育を行う学科です。醸造学の研究?教育の特徴を考えてみると、(1)たくさんアルコールを生产する微生物を探し出す、(2)なぜたくさんアルコールを生产するか解明する、(3)もっとたくさんアルコールを生产するように微生物を育て上げる、(4)育て上げた微生物を活用する、の「探求」、「解明」、「育成(育种)」、「活用」がプリンシプルになるでしょう。现在では醸造だけでなく、环境、健康、资源に関わる様々なバイオテクノロジーにこのプリンシプルを适用して研究?教育を展开している、それが现在の発酵工学/分子生命机能科学になります。

 上述のプリンシプルの中で発酵工学に独特なものは「探し出す」であります。様々な环境から土壌试料や水试料などを採取し、そこから优れた机能を持った微生物を自らの手で単离?取得する研究活动で、スクリーニングと呼ばれています。これまでの私たち及び先辈たちのスクリーニング活动で多种多様な有用微生物が単离?取得されています。その一例を列挙してみると、

?パンくずから水素を生产する微生物

?水素、颁翱2、猛毒の一酸化炭素からエタノール?酢酸を生产する微生物

?石油の中でも活跃できる微生物

?植物病原菌に感染してそれを撃退するウイルス

?贵重な资源である微量金属を高蓄积する微生物

?バイオ石油を生成し细胞内にため込む微生物

?残留农薬を分解する微生物

?头の良くなる油脂类を生产する微生物

などがあります。スクリーニングされてきた微生物は、新たなバイオテクノロジーの构筑の出発点となっています。

 スクリーニングを基盘にしたバイオテクノロジーの研究分野である発酵工学および农芸化学は100年ほど前、日本で诞生し、それ以来発展を続けております。この分野の泰斗である坂口谨一郎先生は、常々「微生物は里切らない」と言っておりました。たとえそれまで存在が知られなかった生物机能であっても必死になってスクリーニングすれば、必ずその机能を有する微生物を取得することができる???という意味です。その里には、もし、スクリーニングに限界があるとすれば、それは研究者のアイデアの贫困さに起因する???という意味が含まれているとも読み取れます。

 私たちと前代未闻の生物机能を持った微生物をスクリーニングしてみませんか?

 


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