広岛大学大学院统合生命科学研究科 杉 拓磨
罢别濒:082-424-4012
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(注: *は半角@に置き換えてください)
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広島大学大学院統合生命科学研究科の杉拓磨准教授は、北海道大学電子科学研究所の佐藤勝彦准教授および中垣俊之教授らと共同で、手も足も羽もない線虫が帯電して、静電気を帯びた昆虫に静電的引力を利用して飛び乗り、拡散することを発見しました。この研究成果は、生物学分野で権威ある雑誌の一つであるCell press発行の「Current Biology」のオンライン版に2023年6月21日(水)(米国東部時間11時)に掲載されます。
体长1ミリメートル以下の小さい生き物はどのように远くに移动するのでしょうか?モデル动物として古くから利用され、アポトーシス机构の発见や緑色蛍光タンパク质の动物応用実験などでノーベル赏の対象となってきた线虫颁.エレガンスは世界中の至るところで発见されています。では、手も足も羽もない、わずか体长1ミリメートル弱の线虫がどのように长い歴史の中で世界中に拡散したのでしょうか?小さな动物が他の动物に乗り、远くに移动する行动を便乗行动と言います。进化论で有名なチャールズ?ダーウィンは、晩年、小さな动物が便乗行动により世界中に拡がって种を拡散させる可能性に兴味を持ちました。そして、ダーウィンは、顿狈础の二重らせん构造の発见で有名なフランシス?クリックの祖父と共着で、淡水二枚贝の便乗行动について、人生最后の论文を狈补迟耻谤别誌に発表しています(※参考1)。しかし、これほど重要な便乗行动について、手も足も羽もない线虫がどのように昆虫に乗るのかはわかっていませんでした。
当研究室では2019年に、線虫集団がシャーレのフタにネットワーク上のパターンを形成する集団行動を発見し、Nature Communications誌に発表しました(※参考2)。この研究で、大量飼育のために、シャーレ内の寒天培地上に置いたはずの線虫が、なぜか数秒後には、大量にシャーレのフタに移動しているという不思議な現象に直面しました。手も足も羽もない、わずか体長1ミリメートル以下の線虫が蛇行運動により、数秒でシャーレの培地上から距離にして30ミリメートル以上移動してフタまでたどり着くのはほぼ不可能なはずです。そこで光学顕微鏡下で観察したところ、寒天培地上の線虫が突然消え、次の瞬間、シャーレのフタに現れるという「瞬間移動」に気づきました。これをもとに数年間、北海道大学のグループと様々な議論を経て、「帯電した線虫が、シャーレのフタの静電気による引力を利用してフタに移動している」という結論に至りました。
过去の研究から、手も足も羽根もない小さな线虫が远くに拡散する手段として、动物の体表に付着して移动する便乗行动が知られています。そしてさらに惊くことに、1个体の线虫が最大100个体近くの线虫を持ち上げて、その集団ごと飞び乗る集団移动を発见しました。そこで、帯电したマルハナバチを线虫に近づけた结果、线虫が集団で空间をジャンプしてハチに飞び乗ることがわかりました(下図)。以上から、本论文で「线虫が集団で电场を利用して空间をリープし、昆虫に飞び乗り、移动する」という结论に至りました。
电気的引力を利用したマルハナバチへの飞び乗り行动
(础)?(顿)线虫集団の飞び乗り过程の连続写真。(贰)(贵)飞び乗り后のマルハナバチに付着した线虫。
動物が他の動物とコミュニケーションを取る方法について、声などの音や物理的接触、フェロモン等の匂いなどがよく研究されていますが、「電気」を利用する例はあまり多く報告がありません。しかし、線虫のような小さい生き物は帯電しやすいため、小さい生き物の世界ではこの電気を利用するコミュニケーションは意外にも多く利用されている可能性が考えられます。今後、小さな生き物を取り扱う研究では、電気的相互作用に注意をして研究をすることで、新たな事例が発見されることが期待されます。また、本論文は四部作の一部で、第一部は今回Current Biology誌の「跳ぶ」、第二部は2019年のNature Communications誌の「集う」、そして今後は第三部「爆ぜる」、第四部「廻る」を論文発表する予定です。
(※参考1)Darwin, On the dispersal of freshwater bivalves, Nature, 1882
(※参考2)Sugi* et al. C. elegans collectively forms dynamical networks, Nature Communications, 2019
(※1)线虫
線形動物の総称。無色透明で体長は、0.3~1mmほど。深海や高い山など地球上の様々な場所に生息。
広岛大学大学院统合生命科学研究科 杉 拓磨
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掲載日 : 2023年06月22日
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