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第124回 「過去の苦労」 庄司 敦 (2015/10/15)

 こんにちは。半导体集积科学専攻博士课程前期2年の庄司敦と申します。ようやく就职活动が终わり一息つけるかと思ったのですが、やるべきことが多く休むことが出来そうではありません。これからも、明日の会议に向けてデータを取り、整理しなければいけません。この会议というのは、共同研究させていただいている完成车メーカーの本社に行って行います。この研究を通して様々なことを経験させていただいたのですが、最も思い出深い学部4年生の时の话をさせていただこうと思います。
 研究テーマが与えられる前、私は先輩の指導を受けながらクリーンルームに入り、半導体デバイスの作製を行うものだと漠然と考えていました。もちろんそこには長年受け継がれた地盤があり、それを元に新たな研究に繋げるものだと思っていました。しかし、実際に与えられたテーマは大学で学んできた半導体とは異なるものでした。また、ゴールは企業により定められているものの、スタート地点も道筋もなく、ほとんど白紙状態から着手しました。さらに、テーマは担当教員から言い渡されたのですが、当時の私は背景をうまく理解できなかったために、本当にその研究が役に立つかも分からずに研究手法を模索していました。そのために、私の所属する研究所で行われる研究発表ゼミで、他研究室の教員に泣きたくなるほど叩かれ、悔しい思いをしたことを今でもハッキリと覚えています。さらに、そのゼミで研究所内の同期が卒業論文に向けて結果を出していく中で、自分も結果を出し、卒業できるのかと焦りを感じ、先輩に相談しましたが困った顔をされ、孤独を感じました。 その後、共同研究先の企業の方との始めての顔合わせがありました。相手は二人だったのですが、ほとんど進んでいない進捗状況を笑顔で聞いてくださったことに安心しました。また、背景についての様々な質問について答えていただき、本当に自分の研究が必要であることが分かりモチベーションに繋げることができました。
 そこから何とかデータを取るところまでは进んだのですが、良い结果が得られずに、新しい装置を导入することにしました。その装置は様々なパーツを组み合わせることで动作させるのですが、装置の贩売会社の方に频繁に电话し、装置の详细な仕様を问い合わせたり、自分の考えた组み合わせで问题なく动作するかをチェックしてもらったりしました。装置の値段が当时の自分にとって大きかったこともあり、责任とやりがいを感じていました。研究所内に装置を设置するために、担当教员から教员会议にかけていただいたのですが、问题点をいくつか突きつけられ、その対処に追われました。问题を解决した后、私の実験では特殊な薬品を使うために、その装置のパーツのいくつかが耐えられないことが分かりました。これは私では解决できず、共同研究先の方を含め、多くの方に助けを求めました。しかし、解决への糸口が见つからず、全く打つ手のない状态でした。諦めかけたときに、装置メーカーの代理店から电话が来ました。その内容は代理店の加工技术と、扱っているメーカーの技术で解决できるかもしれないとのことでした。そこで、担当教员、共同研究先、代理店、大学の学术支援の财务の方と会议で、価格や纳期についてのすり合わせを行い、装置の発注を决めることができました。その后、纳期の问题で装置の纳品が无理かもしれないという话などがあり、卒业论文を提出した后も気が休まりませんでした。もし纳品できなかったら、この件に携わった人の努力が无駄になるからです。代理店の方の休日出勤などのおかげで、装置を无事搬入することに成功し、胸をなで下ろし、研究からやっと开放されたと感じました。
 现在も同じテーマを扱っていますが、研究へのアプローチが当时と异なり、実は顽张って搬入した装置も2ヶ月ほどしか使用しませんでした。この装置は研究という観点から见れば无駄だったかもしれませんが、私を大きく成长させてくれたと思います。大学院に入った后は研究の方针がしっかりしてきたので、学部时代より余裕をもって研究をすることができています。この経験より困难な状况でも、諦めずに取り组むことで自身の成长につながり、后にいい思い出として语ることができると考えて取り组むことができると考えるようになりました。実は装置搬入に成功した后、大学院に进んだ后も同じような状况が続くのではないかと戦々恐々として大学院に入るための大事な书类の提出を踌躇していましたが、先辈や亲に説得され最终日に提出しました。今はその选択が正しかったと思い、説得していただいたことに感谢しています。

(2015/10/15)


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