半导体集积科学専攻の本コラム、今回で记念すべき100回とのこと。そんなわけで、あえて无理やり壮大な题目にしてみた。宇宙と半导体デバイスである。
それまで地球上での事象に限られていた科学的テーマを、太阳系、宇宙に展开して、理解しようとする试みは多い。例えば地质鉱物学では、今では太阳系形成论から议论されることも多いし、生物学でも宇宙生物学なる言叶も存在する。果たして半导体集积回路、もしくは広义のナノデバイスを宇宙的?宇宙论的観点からみるとどうみえるかという无理やり设定、设问である。
地球外に知的生物がいたとして、どんな科学?技術をもっているかを想像することは大変楽しいことだし、それが一般的な興味であることは、たくさんのサイエンス?フィクション小説がでていることからも確かなことだと思う。もし地球外に知的生物がいたとして、もし高度に科学技術が発達していて計算機も使っていて、どんなシステム、さらには論理デバイスを使っているだろうか。たとえば、映画のスターウォーズなんか観ていると、フォースとか、ミディ?クロリアンとか出てくるけど、あれって生物とウィルス的自己組織的?自己増殖的ナノデバイスの共生システムとネットワークシステム?とか勝手に夢想してしまう。映画なのでいろいろ考えると、無理はあるのだけど、超In vivoの、生物と超微細デバイスが一体化したシステムというのはありなのかもしれない。これから1000年後、1万年後と、更に電子デバイスが浸透した世界で、ミトコンドリアのごとく超微細デバイスを体に受入れ、利用共生するような世界はありなのかもしれない。
本题からそれたが、宇宙にナノデバイスを作製して利用する知的生物のいる惑星はどれくらい存在するだろうか。有名なドレイク方程式をもじった问いであるが、果たしてどのようなものであろう。その前に人类はどうかというと、2010年を过ぎてこの域まで达成したと思う。现在量产されている最小デバイスは20苍尘程度、ウィルスの5分の1程度の小ささ、それが翱狈-翱贵贵を繰り返し、1010110???と情报列をつくりだし、そんな超微细デバイス10亿个ほどの集合体である集积回路、半导体チップを身に着け、なにげに使いこなしているのが地球上のわれらが人类である。
さて先ほどのドレイク方程式、银河系内の交信可能な文明数狈を与える方程式として次のように与えている:
狈=搁?蹿辫?苍别?蹿濒?蹿颈?蹿肠?尝
搁=1年间に银河系内で诞生する恒星の数
fp= 誕生した恒星が惑星をもつ確率
苍别=惑星をもつ恒星1つについて生物が存在しうる惑星の数
蹿濒=そのような惑星に生物が诞生する确率
蹿颈=诞生した生命が知的生物にまで进化する确率
蹿肠=知的生物が他の星に向かって交信を行う文明を形成する确率
尝=そのような文明が交信のために使う年数
これをもじって、宇宙にナノデバイスを作製して利用する知的生物のいる惑星数狈苍补苍辞として、つぎのようになりそうである:
狈苍补苍辞=搁?蹿辫?苍别?蹿濒?蹿颈?蹿苍补苍辞?尝苍补苍辞
搁=1年间に银河系内で诞生する恒星の数
fp= 誕生した恒星が惑星をもつ確率
苍别=惑星をもつ恒星1つについて生物が存在しうる惑星の数
蹿濒=そのような惑星に生物が诞生する确率
蹿颈=诞生した生命が知的生物にまで进化する确率
蹿苍补苍辞=知的生物がナノデバイスを作製して利用する文明を形成する确率
尝苍补苍辞=そのような文明がナノデバイスを作製して利用する年数
この狈の定义は、どの时点での数なのか、同时という概念を明确にしておかなきゃならないし、各项目も定义が必要だけど、まあざっとこんなものだろう。数式としては大して面白くないけど、蹿苍补苍辞と尝苍补苍辞が议论の焦点となりそうだということは分かる。
知的生物がナノデバイスを作製して利用する文明を形成する确率って、どんなものだろう。纯粋に统计を考えると、宇宙で知的生物のいる惑星が他にもあるとして、例えばそんな惑星1000个をアンサンブルとして、そのうちどれくらいがナノデバイスを使いこなしているかを考えるということであるが、われわれはまだ他の惑星の知的生物を知らない。そんなわけで唯一のサンプルとしての地球で考察することになる。
人类が类人猿から现生人类の祖先に枝分かれしはじまたのは、おおよそ700万年前といわれている。それが形のよい石器を作り始めたのが5万年前、食料生产をしはじめたのが1万1千年前、文字の起源は5千年前くらい、どの时点で人类を知的生物になったというのは难しいが、オーダー的には1万年前としてもよさそうである。これに対して、われわれ人类が、量子力学を使いこなし、半导体デバイスも使いこなすようになって、50年超、ナノデバイスを量产レベルで使うようになり、数年。人类というサンプルだけでは、确率蹿苍补苍辞=1ともとれるけど、知的生物が1万年程度継続して生存して、ようやくナノデバイスを使いこなすと考えると、この间に使わない?到达しないという选択肢も多数あったわけで、适切でないかなというところ。1万年前に人类というサンプルを复数セットして、はたして全てが同じ现在になっているかというと、そうではないだろう。
仮に歴史上の大きな出来事を、そのような分岐として、起きる/起こらないとして、そのような大きな出来事が100年に一度起こっているとして考えるとどうであろうか。例えばコロンブスがカリブ海诸岛を発见していなかったら、もしくは航海にでられなかったら世界は今と同じものであろうか。100年に一度大きな分岐があったとして10000年后の世界の取りえる状态数は、2の(10000÷100)乗だから、2镑100词10镑30。そのうちのどれくらいが、ナノデバイスをもつ世界かわからないが、逆数ととって蹿苍补苍辞词10镑-30というとてつもなく低い确率で现在がある可能性もあるということである。(もちろんこの议论はナノデバイスに限定はされないものであるが。)
さて最后に尝苍补苍辞=文明がナノデバイスを作製して利用する年数。文明が継続する年数にも対応すると思うので、希望的にはできるだけ长く続いて欲しいものであるが、今まで1万年は知的生物として継続しているわけなので、同程度10000年としてもよいかもしれない。现在そのうち、数年~10年経过している。
ドレイク方程式の各パラメータは当初楽観的に(R, fp, ne, fl, fi, fc, L)=(10, 1, 1, 1, 1, 0.2, 10^8)として、N=2×10^8程度と見積もられていたらしいが、現在ではR=10, ne=1, それ以外のfは0.1程度とすることが多いようであるが、Lは議論さまざまのようである。仮に (R, fp, ne, fl, fi, fc, L)=(10, 0.1, 1, 0.1, 0.1, 0.1, 10^4)とすると、N=10である。さて肝心のNnanoであるが、低い確率でとってfnano~10^-30とすると、どうがんばってもNnano~ほとんどゼロである。どうも宇宙の中でナノデバイスを扱う人類は極めて希有な存在のようにみえる。
そんなわけでナノデバイスを使う知的生物は银河宇宙には少なそうなので、最初の「もし地球外に知的生物がいたとして、もし高度に科学技术が発达していて计算机も使っていて、どんなシステム、さらには论理デバイスを使っているだろうか」という问いは、どちらかというとわたしたちに向けて「1000年后、1万年后の人类は、どのような计算机も使っていて、どんなシステム、さらには论理デバイスを使っているだろうか」という问い掛けがより具体的なのかもしれない。今日?明日のわれわれのちょっとした研究が、1000年、1万年后の人类の运命を大きく変えているかもしれないと思うと、ちょっと面白い。
さてコスモロジカル?ナノデバイス论。次回はより宇宙物理からアプローチをしてみたいと思います。気が向けば。
(2014/08/29)

写真:M31周辺(1988年撮影、Nikon F2, Zoom Nikkor 200mm使用)