広岛大学大学院理学研究科
特任教授 関根 利守(せきね としもり)
E-mail: toshimori-sekine*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えて送信してください)
広岛大学大学院理学研究科 関根利守特任教授は、大阪大学大学院工学研究科(兒玉了祐教授、尾崎典雅准教授グループ)や大阪大学レーザーエネルギー学研究センターなどとの共同研究で、地球型惑星内部や地球飛来隕石の主要鉱物であるカンラン石を成分とするマグマの、極限状態での異常な相変化を示す結果を得ました。
これまで、一旦マグマとなった(溶解した)カンラン石は温度と圧力がさらに上がると、単纯に気化蒸発すると考えられてきましたが、これとは异なる全く新しい知见が得られました。本研究成果は、巨大地球型惑星の内部や惑星形成过程での微惑星衝突时に発生する极限环境(约10,000度および300万気圧程度)下では、マグマ中で复雑な化学反応?相変化が起こりうることを示唆しています。
このことは、巨大衝突时の生成マグマの组成?物性や物质移动に再考の可能性があることを示唆し、巨大地球型惑星のマントルやコア形成时の元素の分配などに影响し、ひいては今后の地球型惑星の形成史研究に大きな影响を与えると考えられます。
本研究の成果は、平成28年8月3日午後2時(米国東部標準時間—日本時間4日午前3時)に米国科学振興協会AAAS*1刊行のオンラインジャーナル「Science Advances」に掲載されました。
平成28年8月1日に、広岛大学东広岛キャンパスで本研究成果に関する记者説明会を开催しました。

関根利守特任教授(左)と尾崎典雅准教授
【本研究成果のポイント】
●未知だった极限高温高圧のマグマをレーザー高圧実験により再现し、部分结晶化という异常挙动を明らかにした。
●高温高圧のマグマの物性?振る舞いは、これまで考えられてきた単纯な気化蒸発したマグマのものとは大きく异なる。
●今后の惑星科学研究に大きな影响を与える。