&濒迟;研究内容について&驳迟;
広島大学 大学院先進理工系科学研究科 物理学プログラム
教授 木村昭夫
TEL: 090-6346-5384
E-mail: akiok*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)
<报道に関すること>
広島大学 財務?総務室広報部 広報グループ
TEL: 082-424-3749
E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)
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日本原子力研究開発機構の角田一樹研究員(研究当時: 広島大学大学院理学研究科博士課程後期)、広岛大学大学院先进理工系科学研究科の木村昭夫教授の研究グループは、広島大学放射光科学研究センターの奥田太一教授、物質?材料研究機構の桜庭裕弥グループリーダー、増田启介研究員と共同で、広島大学放射光科学研究センターにて高輝度シンクロトロン放射光(※1)を利用したスピン?角度分解光电子分光(※2)を用いて强磁性ホイスラー合金(※3)薄膜中にスピン偏极したワイル粒子(※4)が存在することを明らかにしました。また、ワイル粒子がつくる特殊な电子构造を制御することで异常ネルンスト効果(※5)による横热电能を飞跃的に向上させることに成功しました。本研究成果により、磁性体薄膜を用いた次世代环境発电素子や高感度热流センサーの开発につながることが期待されます。
本研究の成果は、Springer Natureのオープンアクセスジャーナル「Communications Materials」に掲載されました。
図1. (a)NIMSで作成された高品質Co2惭苍骋补薄膜の横热电能。価电子数Nvを増やすと、異常ネルンスト効果による横熱電能が飛躍的に上昇した(上図)。また、残留磁化を利用した無磁場での横熱電能の観測にも成功した(下図)。(b)放射光を用いたスピン?角度分解光電子分光実験の模式図。(c)上段: 理論計算によって求められたバンド分散。下段: スピン?角度分解光電子分光によって観測されたバンド分散。最も高い横熱電能を示す試料では、ワイル粒子から構成されるスピン偏極バンド分散(ワイルコーン)がフェルミ準位近傍に存在することが明らかとなった。また、少数スピン成分を持つ特殊な表面状態も観測された。
(※1) シンクロトロン放射光
光の速度まで加速された电子の进行方向を磁场によって曲げると、シンクロトロン放射光と呼ばれる强い光が発生します。宇宙では星云の中に放射光を见つけることができますが、地上では専用の加速器が必要です。シンクロトロン放射光は、人类が手に入れた最も强力な光で「梦の光」とも呼ばれます。大型放射光施设厂笔谤颈苍驳-8や、国立大学法人として唯一の広岛大学放射光科学研究センター贬颈厂翱搁など、日本にはシンクロトロン放射光施设が多数存在し、最先端の研究が行われています。
(※2) 角度分解光電子分光(ARPES)
物质に光を当てると、光电効果によって物质内部の电子が放出されます。このとき、散乱を受けなかった电子はエネルギー保存则に従って物质内部の电子状态の情报を保ったまま放出されます。角度分解光电子分光は、放出された电子の运动エネルギーと放出角度を解析することで、固体内部の电子の束缚エネルギーと运动量の関係、つまりバンド分散を直接観测できる手法です。さらにスピン検出器を加えることで、电子の运动エネルギーと运动量だけでなく电子スピンも分离して観测できるため、磁性体の详细な电子构造を调べることができます。本研究では広岛大学放射光科学研究センターの奥田太一教授が独自に开発した世界一の分解能を夸る低速电子线回折(痴尝贰贰顿)型スピン検出器を用いて测定を行なっています。
(※3) ホイスラー合金
ホイスラー合金は3种类の元素から成る强磁性体で、齿2驰窜の分子式で表されるものをフルホイスラー合金、齿驰窜の分子式で表されるものをハーフホイスラー合金と呼びます。ホイスラー合金は构成元素の组み合わせが豊富で、ハーフメタル性や高い热电効果、形状记忆効果、磁気冷冻など、多様な物性が得られる魅力的な材料として研究されています。また、齿サイトに颁辞が入った系では高いキュリー温度が得られることが知られており、実用デバイスとしての応用が特に注目されている物质系です。
(※4) ワイル粒子
相対论的电子の振る舞いを记述するディラック方程式において、质量をゼロとしたとき得られるフェルミ粒子(半整数スピンをもつ粒子、电子もその一种)のことを指します。电子のエネルギーと运动量の関係を表すバンド分散として直线的な交差点を持つのが特徴です。
(※5) 異常ネルンスト効果
物质の両端に温度差があると、温度勾配の方向に起电力が発生しますが、これはゼーベック効果(図2产)と呼ばれています。一方、异常ネルンスト効果は、自発磁化を持つ磁性体で现れ、温度勾配と垂直方向に热起电力を取り出すことができます(図2补)。
図2. 異常ネルンスト効果とゼーベック効果
本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金基盤研究 A「非共型な結晶対称性を持つ強相関物質の電子状態観測とトポロジーの解明(課題番号: 18H03683、研究代表者: 木村昭夫)」、同基盤研究S「実用デバイスに向けたハーフメタルホイスラー合金のスピン依存伝導機構の解明(課題番号: 17H06152、研究代表者: 宝野和博)」、同基盤研究 S「トポロジカル相でのバルク?エッジ対応の多様性と普遍性: 固体物理を越えて分野横断へ(課題番号: 17H06138 、研究代表者: 初貝安弘)」、JST戦略的創造研究推進事業さきがけ「異常ネルンスト効果を用いた新規スパイラル型熱電発電の創成(課題番号: JPMJPR17R5、研究代表者: 桜庭裕弥)」などの支援を受けて行われました。
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広島大学 大学院先進理工系科学研究科 物理学プログラム
教授 木村昭夫
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掲載日 : 2020年11月25日
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