<本件内容の问い合わせ先>
大学院先进理工系科学研究科
教授 薮田 ひかる
メール:丑测补产耻迟补*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
大学院先进理工系科学研究科
准教授 宮原 正明
メール: miyahara*hiroshima-u.ac.jp
<その他>
広島大学 広報室
メール: koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(注: *は半角@に置き換えてください)
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日焼けで隠された水に富む小惑星リュウグウの素颜
A dehydrated space-weathered skin cloaking the hydrated interior of Ryugu
先ほどポイントでも述べたように、太阳系の大気のない天体表面は、マイクロメテオロイド(注1)が秒速10キロメートルを超えるような速度で衝突、太阳からのプラズマ(注2)の流れである太阳风の照射、さらには、太阳及び银河宇宙线(注3)の照射に常に曝されている非常に厳しい环境にあります。これらの影响で、大気(と磁场)のない天体の表面の化学组成、构造、そして、光学的特性が徐々に変わっていることが知られています。この変化を宇宙风化といいます。小惑星リュウグウは、内部太阳系の小天体で最も多い颁型小惑星に属しています。?はやぶさ2?によるリュウグウからのサンプルリターンは、この颁型小惑星の特徴を実験室で研究する初めての机会を与えてくれました。宇宙风化による试料の表面の変化は、今まで地球に持ち帰られた月や厂型小惑星(注4)イトカワの试料で研究されてきました[引用文献:8-14]。これらの试料は、基本的にヒドロキシ基(翱贬)や水分子(贬2翱)を含まない无水鉱物からできています。一方、颁型小惑星であるリュウグウは、そのもととなる天体(注5)ができたときに、鉱物、有机物、氷が集积し、その后、氷が融解して鉱物が水と大规模に反応しました。この天体が、他の天体の衝突で破壊されてできた破片が集まって现在のリュウグウができました[引用文献:5]。このため、リュウグウの物质は、层状珪酸塩鉱物(注6)という粘土鉱物の仲间を大量に含んでいます。宇宙风化が検出できたリュウグウ粒子(本研究では?砂?サイズの试料を分析しているため、サンプルを粒子と表すことにします)には、层状珪酸塩鉱物の结晶构造が壊れてしまっているものと、层状珪酸塩鉱物が部分的に融けているものがありました。どちらの场合でも、层状珪酸塩鉱物に含まれていた3価の鉄イオンが2価に还元されていました。また、层状珪酸塩鉱物に含まれるヒドロキシ基が失われていました。これは、リュウグウ粒子表面から水が取り去られたことを意味します。特に、层状珪酸塩鉱物が部分的に融けた场合、脱水反応は顕着でした。これらの结果は、颁型小惑星における宇宙风化では、小惑星リュウグウの表面に存在している层状珪酸塩鉱物の脱水が大きく寄与していることを示しています。?はやぶさ2?が测定した、2.7ミクロンの波长の光の吸収が弱い小惑星の反射スペクトル(注7)は、ヒドロキシ基が少ないことを示しています。颁型小惑星一般においても、2.7ミクロンの吸収帯が弱い天体は、天体全体で挥発性物质が失われたというよりも、宇宙风化によって引き起こされた脱水の程度を示しているのかも知れません。
? Noguchi et al. (2022)
図1 小惑星リュウグウの宇宙风化组织 点線より右側は太陽風照射による宇宙風化(Smooth layer)を受けた部分、点線より左側は、メテオロイド衝突による宇宙風化(Frothy layer)を受けた部分です。 Frothy layerは表面数ミクロンが融けて泡立っています。Frothy layerには、後に近くから飛来し付着した岩石の溶融物が薄く張り付いています(Melt splash)。このように、リュウグウの複雑な歴史が読み取れます。走査電子顕微鏡で撮影した反射電子像です。
大気のない天体における宇宙风化の2大要因は、太阳风照射とマイクロメテオロイドの高速衝突です。しかし、これら2つの要因がそれぞれ、どの程度影响を及ぼすか、どのような効果を生じるかは、天体を构成する物质によって大きく违います。太阳风照射によって、珪酸塩鉱物の部分的?完全な非晶质化(注8)とナノメートルサイズの金属鉄の形成がおきます[引用文献:8-15]。これらのことは、月と厂型小惑星イトカワの研究によって明らかになりました。また、ナノメートルサイズの金属鉄はマイクロメテオロイドの衝突によって蒸発した物质が他の鉱物の表面に付着し、その中に形成されます[引用文献:8]。
一方、层状珪酸塩鉱物に富むとされる颁型小惑星や构成物质が未解明の顿型小惑星のような暗い小惑星において、宇宙风化でナノメートルサイズの金属鉄ができるか分かっていませんし、それが反射スペクトルに影响するかも不明です。颁型小惑星からもたらされたと考えられているミゲイ型炭素质コンドライト(颁惭コンドライト)については、太阳风を模拟したイオン照射実験やマイクロメテオロイド衝突を模拟したレーザ照射実験が近年いくつか行われていますが、颁型小惑星の宇宙风化で何が起きるか予想されているとは言えませんでした[引用文献:16-21]。私たち砂の物质分析チームによる小惑星リュウグウ试料の宇宙风化の研究は、颁型小惑星の宇宙风化による反射スペクトル変化を検讨するための初めての机会を与えることになります。
まず、私たちは、?はやぶさ2?が地球に持ち帰った近地球小惑星リュウグウの試料の表層が変化しているものを探すことから始めました。他の論文[引用文献:5]で述べられているとおり、小惑星リュウグウを作っている物質は非常にもろいです。このため、100 Kをこえる昼と夜の温度差[引用文献:22]、サンプル採集時の衝撃、地球帰還時の衝撃といった原因で容易に割れてしまっていて、小惑星上で宇宙空間に曝されていた面を保持している試料を探し出すのにはかなりの困難を伴いました。私たちに配分された試料の総重量は0.7ミリグラムという微量でしたが、配布されたのは?砂?のような微粒子であるため、多数観察することで量の少なさをカバーしました。第1回タッチダウン回収試料から平均径70ミクロンの粒子を500粒以上、第2回タッチダウン回収試料から平均径50ミクロンの粒子を300粒以上観察し、検出できる程度に変化している表面を持つ粒子は約6%でした。大部分はより大きな石が砕けた破片ということです。また、これら砂サイズ試料と、化学班や石の物質分析班が扱っている石サイズの試料の宇宙風化を比較するため、数個の宇宙風化している石サイズの試料を融通していただきました。宇宙風化を受けていないものも分析し、他班と同様に岩石鉱物学的にイブナ型炭素質隕石(CIコンドライト)に非常によく似ていました。砂と石で違いはありませんでした。層状珪酸塩鉱物に富むリュウグウ粒子の表面の顕著な表面の宇宙風化組織として、先に概要で述べたSmooth layerとFrothy layerが見出されました。
(1)リュウグウ粒子に見られた宇宙風化層(その1):Smooth layer 滑らかな層
Smooth layerは文字通り滑らかな層ということです。図2に示したようなぬめっとした角の取れたような面に、1ミクロンよりもかなり小さな穴(黒く見えている)がポツポツと開いているのが典型的組織です。第1回タッチダウン回収粒子の約5%、第2回タッチダウン回収粒子の約1%に見られました。
? Noguchi et al. (2022)
図2 太陽風照射による宇宙風化組織(Smooth layer) ぬめっとした平滑な面に1ミクロンよりもかなり小さな穴(黒く见えている)がポツポツと开いているという典型的な组织です。 走査电子顕微镜で撮影した反射电子像。
この組織のできかたを検討するために、JAXAの施設で、宇宙風化していないリュウグウの砂粒にヘリウムイオンを照射しました(図3)。太陽風に含まれる陽イオンは、水素イオン(陽子)が約95%、ヘリウムイオンが約5%、それ以外の元素のイオンはごくわずかという比率になっていますが、今回は、ヘリウムイオンの照射で太陽風の照射を模擬しました(照射実験では一般的なやりかたです)。この画像を見ると、Smooth layerとよく似た組織を持つものが形成されていることが分かります。
? Noguchi et al. (2022)
図3 Smooth layerの組織再現実験 (左)ヘリウムイオン照射実験前のリュウグウ粒子表面。(右)照射后のリュウグウ粒子表面。ぬめっとした角の取れた面にポツポツと穴の开いている组织が再现できています。走査电子顕微镜で撮影した反射电子像。
Smooth layerと実験でできたSmooth layer類似組織は内部構造も似ていました(図4)。電子線回折パターン1(注9)は、表面にある0.1ミクロン程度の厚さの層では、層状珪酸塩鉱物が非晶質になっていることを示しています。Smooth layer下にある層状珪酸塩鉱物の結晶構造は壊れていないことを電子線回折パターン2と3は示しています。これら表面と内部組織の類似性から、私たちはSmooth layerは太陽風照射によって層状珪酸塩鉱物が変化して形成された宇宙風化組織と判断しました。
? Noguchi et al. (2022)
図4 Smooth layerとヘリウム照射実験でできたSmooth layer類似物の内部構造の比較 左側がSmooth layerで、右側がヘリウム照射実験でできたSmooth layer類似組織。どちらも白い点線より上側が結晶構造が壊れている層で、表面から見てぬめっとしていた部分に対応します。左右の図のどちらにも右側に3つの模様が映っていますが、これは電子線回折パターンと言います。どちらにおいても、1は非晶質であることを示していますが、2と3は点がいくつか写っており、層状珪酸塩鉱物の結晶構造が保たれていることを示しています。透過電子顕微鏡による観察。
(2)リュウグウ粒子に見られた宇宙風化層(その2):Frothy layer 泡立っている層
Frothy layerはリュウグウを作っている物質が融けて泡立っている層です(図5左)。第1回タッチダウン回収粒子の約1%、第2回タッチダウン回収粒子の約2%にこの組織が見られました。図5右は、ミゲイ型炭素質コンドライトに属するマーチソン隕石に高出力のレーザーをパルス的に照射したものです。炭素質コンドライトの種類はリュウグウに近いイブナ型ではありませんが、リュウグウの表面と同様に泡立ち融けていることが分かります。Frothy layerとこの実験的に作られたものは、表面も内部構造もよく似ています(図6)。リュウグウもマーチソン隕石も層状珪酸塩鉱物に富んでいます。それらが瞬間的に加熱されると層状珪酸塩鉱物が融解する際に水蒸気が放出されて泡立ちます(注10)。Frothy layerはマイクロメテオロイドの衝突によって加熱されてリュウグウ試料の表面が瞬間的に加熱されて溶融されて形成された宇宙風化層であることを示しています。
? Noguchi et al. (2022)
図5 Frothy layerとレーザー照射実験でできたFrothy layer類似物の表面組織の比較 全体的に泡立ったようになっていて、破裂した泡が多数见られます。泡はどちらの画像でも黒い丸のように见えます。走査电子顕微镜で撮影。左は二次电子像、右は反射电子像。
? Noguchi et al. (2022)
図6 Frothy layerとレーザー照射実験でできたFrothy layer類似物の断面組織の比較 全体的に泡立っていて、ガスが抜けて穴ができた泡(どちらの画像でも黒い丸のように见えているもの)が多数见られます。透过电子顕微镜で撮影。左は贬础础顿贵-厂罢贰惭像、右は叠贵-厂罢贰惭像。
(3)宇宙风化层における鉄イオンの还元
リュウグウを作っている物質にたくさん含まれている層状珪酸塩鉱物には鉄イオンが入っています。鉄イオンには、3価と2価のものがあることはご存じかと思います。宇宙風化を受けていない層状珪酸塩鉱物と比べてSmooth layerとFrothy layerに含まれる鉄イオンの多くが2価となっていました(注11)。このことは、宇宙風化によって鉄イオンの還元が起きたということを意味します。しかし、月やイトカワでよく見られるような金属鉄[引用文献:8-15]はほとんど見られませんでした。
(4)宇宙风化による脱水
?はやぶさ2?によるその場での反射スペクトル測定結果の解釈と、持ち帰られた試料の分析結果の矛盾を解消し得るのが宇宙風化による脱水です。(2)のFrothy layerの組織の説明において、マイクロメテオロイドの衝突加熱によって層状珪酸塩鉱物が溶融する際に揮発性成分が抜けていることを説明しました。Frothy layerは無水の珪酸塩ガラスと鉄ニッケル硫化物の混合物からなる化学組成を持ちます。溶融した層の下の少なくとも1~2ミクロンもかなり脱水しています。また、太陽風照射による宇宙風化でも不完全ながら脱水が起きていました。
(5)リュウグウ粒子はイトカワ粒子よりも表面が融けているものが多い
リュウグウではFrothy layerというマイクロメテオロイドの衝突で表面が融けた宇宙風化層が1-2%の粒子で見られました。他方、イトカワでは同様の融けた表面を持つ粒子は0.3%しかありませんでした。約3割もミクロなすき間を持つリュウグウの物質のようなものが瞬間的な加熱を受けると、ミクロなすき間を持たないイトカワの物質のようなものよりも、より高い温度になることが知られています。ミクロなすき間の多いた粒子がゆるく集まっているところにマイクロメテオロイドが高速で衝突し、粒子が互いにこすれあって生じた摩擦熱によってリュウグウの粒子表面が融けたと私たちは考えています。
(6)小惑星リュウグウの宇宙风化はどのように蓄积されるか
太陽風照射による宇宙風化層は太陽風に曝されている限り継続的に形成され、衝突現象による溶融で形成される宇宙風化層は衝突が起きた一瞬で作られます。マイクロメテオロイドの衝突は、ランダムな時間間隔で、時折起きる現象と考えられます。これらを考慮して、小惑星リュウグウ上に存在する石や砂に多量に含まれる層状珪酸塩鉱物に2種類の宇宙風化が蓄積される様子を示した模式図が図7です。図7では、始めに層状珪酸塩鉱物に太陽風粒子(プラズマを作っているプラスイオンと電子)が表面から0.1ミクロン程度の深さに蓄積し、層状珪酸塩鉱物の構造を破壊し、部分的に脱水を起こします。これが太陽風による宇宙風化であり、Smooth layerを形成します。時折起きるマイクロメテオロイドの衝突によって、太陽風照射の影響を受けていたリュウグウの石や砂の表面は、溶融層(Frothy layer)によって部分的或いは全体的に覆われます。これがマイクロメテオロイド衝突加熱による宇宙風化です。Frothy layerは脱水しており、その下の数ミクロンの層状珪酸塩も脱水します。
宇宙風化を起こす2大要因である太陽風照射とマイクロメテオロイドの衝突加熱は大気のない天体全てで共通ですが、天体を構成している物質、太陽からの距離、天体のサイズによって、皆それぞれ個性的な宇宙風化を起こすということが分かりました。太陽風照射損傷でできた宇宙風化層であるSmooth layerの場合、その厚さは0.1ミクロン程度であるため、反射スペクトルへの影響は少ないと思われます。しかし、マイクロメテオロイドの衝突加熱による脱水溶融層は2から3ミクロンは厚さがあり、その下の層状珪酸塩も脱水していることから、小惑星リュウグウの表面にこうした衝突による加熱溶融層が広範に存在していれば、見かけ上天体全体が強い加熱を受けたようなスペクトルが得られるのではないかと考えています。
? Noguchi et al. (2022)
図7 小惑星リュウグウ上に存在する石や砂に宇宙风化の影响が蓄积されていく様子を示す模式図。
(7)この研究の颁型小惑星の宇宙风化に対する意义
小惑星が最も多く集まっている、火星と木星の间のメインベルトでは、颁型小惑星が最も多いことが知られています。そして、颁型小惑星の40%は、反射スペクトルにヒドロキシ基翱贬の存在を示す吸収帯を持たないことが知られています。その原因としては、これらは天体全体が强い加热を受けたとか、そもそも私たちが陨石としては手にしたことのない物质でできているとかいった説明が行われてきました[引用文献:24、25]。私たちは、今回の研究结果を踏まえて、颁滨コンドライトに似た物质でできている颁型小惑星の场合は、宇宙风化の影响(特に衝突加热の影响)も考虑に入れるべきではないかと考えています。
雑誌名: Nature Astronomy
論文タイトル: A dehydrated space-weathered skin cloaking the hydrated interior of Ryugu
著者: T. Noguchi1, T. Matsumoto2,1, A. Miyake1, Y. Igami1, M. Haruta3, H. Saito4,5, S. Hata6,7, Y. Seto8, M. Miyahara9, N. Tomioka10, H. A. Ishii11, J. P. Bradley11, K. K. Ohtaki11, E. Dobric?11, H. Leroux12, C. Le Guillou12, D. Jacob12, F. de la Pe?a12, S. Laforet12, M. Marinova13, F. Langenhorst14, D. Harries15, P. Beck16, T. H. V. Phan16, R. Rebois16, N. M. Abreu17, J. Gray18, T. Zega19, P-M. Zanetta19, M. S. Thompson20, R. Stroud21, K. Burgess22, B. A. Cymes23, J. C. Bridges24, L. Hicks24,25, M. R. Lee26, L. Daly26,27,28, P. A. Bland29, M. E. Zolensky30, D. R. Frank11, J. Martinez31, A. Tsuchiyama32,33,34, M. Yasutake35, J. Matsuno32, S. Okumura1, I. Mitsukawa1, K. Uesugi35, M. Uesugi35 A. Takeuchi35, M. Sun33,34,36, S. Enju37, A. Takigawa38, T. Michikami39, T. Nakamura40, M. Matsumoto40, Y. Nakauchi41, M. Abe41,42, M. Arakawa43, A. Fujii41, M. Hayakawa41, N. Hirata44, N. Hirata43, R. Honda45, C. Honda44, S. Hosoda40, Y. Iijima41*, H. Ikeda41, M. Ishiguro46, Y. Ishihara41, T. Iwata41,42, K. Kawahara41, S. Kikuchi47, K. Kitazato44, K. Matsumoto48,42, M. Matsuoka41, Y. Mimasu41, A. Miura41, T. Morota38, S. Nakazawa41, N. Namiki48,42, H. Noda48,42, R. Noguchi49, N. Ogawa41, K. Ogawa41, T. Okada41,42, C. Okamoto43*, G. Ono41, M. Ozaki41,42, T. Saiki41, N. Sakatani50, H. Sawada41, H. Senshu47, Y. Shimaki41, K. Shirai43, S. Sugita38,47, Y. Takei41, H. Takeuchi41,42, S. Tanaka41,42, E. Tatsumi51,38, F. Terui52, R. Tsukizaki41, K. Wada47, M. Yamada47, T. Yamada41, Y. Yamamoto41, H. Yano41,42, Y. Yokota41, K. Yoshihara41, M. Yoshikawa41,42, K. Yoshikawa41, R. Fukai41, S. Furuya41, K. Hatakeda53, T. Hayashi41, Y. Hitomi53, K. Kumagai53, A. Miyazaki41, A. Nakato41, M. Nishimura41, H. Soejima53, A. I. Suzuki53, T. Usui41, T. Yada41, D. Yamamoto41, K. Yogata41, M. Yoshitake41, H. C. Connolly, Jr.19,54, D. S. Lauretta19, H. Yurimoto55, K. Nagashima11, N. Kawasaki55, N. Sakamoto56, R. Okazaki57, H. Yabuta9, H. Naraoka57, K. Sakamoto41, S. Tachibana58, S. Watanabe59, Y. Tsuda41
1Division of Earth and Planetary Sciences, Kyoto University, Kitashirakawaoiwake-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606-8502, Japan.
2The Hakubi Center for Advanced Research, Kyoto University, Kitashirakawaoiwake-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606-8502, Japan
3Institute for Chemical Research, Kyoto University, Gokasho, Uji, Kyoto 611-0011, Japan.
4Institute for Materials Chemistry and Engineering, Kyushu University, Fukuoka 816-8580, Japan.
5Pan-Omics Data-Driven Research Innovation Center, Kyushu University, Fukuoka 816-8580, Japan.
6Interdisciplinary Graduate School of Engineering Sciences, Kyushu University, Fukuoka 816-8580, Japan.
7The Ultramicroscopy Research Center, Kyushu University, Fukuoka 819-0395, Japan.
8Department of Geosciences, Osaka Metropolitan University, Sugimoto 3-3-138, Sumiyoshi-ku, Osaka 558-8585, Japan.
9Department of Earth and Planetary Systems Science, 麻豆AV, 1-3-1 Kagamiyama, Higashi-Hiroshima City, Hiroshima, 739-8526, Japan.
10Kochi Institute for Core Sample Research, X-Star, JAMSTEC, 200 Monobe Otsu, Nankoku, Kochi 783-8502, Japan.
11Hawai‘i Institute of Geophysics and Planetology, The University of Hawai‘i at Mānoa, 1680 East-West Road, POST Building, Room 602, Honolulu, HI 96822, USA.
12Université de Lille, CNRS, INRAE, Centrale Lille, UMR 8207-UMET-Unité Matériaux et Transformations, F-59000 Lille, France.
13Université de Lille, CNRS, INRAE, Centrale Lille, Université Artois, FR 2638-IMEC-Institut Michel-Eugène Chevreul, F-59000 Lille, France.
14Institut für Geowissenschaften, Friedrich-Schiller-Universit?t Jena, Carl-Zeiss-Promenade 10, 07745 Jena, Germany.
15European Space Resources Innovation Centre, Luxembourg Institute of Science and Technology, 41 rue du Brill, 4422 Belvaux, Luxembourg.
16Institut de Planétologie et d'Astrophysique de Grenoble (IPAG), CNRS, Université Grenoble Alpes, 38000 Grenoble, France.
17NASA Langley Research Center, Hampton, VA 23681-2199, USA.
18Materials Characterization Lab, The Pennsylvania State University Materials Research Institute, Millennium Science Complex, Pollock Road, University Park, PA16802, USA.
19Lunar and Planetary Laboratory, Department of Planetary Sciences, The University of Arizona, 1629 E. University Blvd., Tucson AZ 85721-0092, USA.
20Department of Earth, Atmospheric and Planetary Sciences, Purdue University, 550 Stadium Mall Drive, West Lafayette, IN 47907-2051, USA.
21Buseck Center for Meteorite Studies, Arizona State University, 781 E Terrace Road, Tempe, AZ 85281, USA.
22Materials Science and Technology Division, U.S. Naval Research Laboratory, Washington, DC 20375, USA.
23NRC Postdoctoral Research Associate, U.S. Naval Research Laboratory, Washington, DC 20375, USA.
24Space Park Leichester, The University of Leicester, 92 Corporation Road, Leicester, LE4 5SP, UK.
25School of Geology, Geography and the Environment, The University of Leicester, University Road, Leicester, LE1 7RH, UK.
26School of Geographical and Earth Sciences, The University of Glasgow, Molema Building, Lilybank Gardens, Glasgow G12 8QQ, UK.
27Australian Centre for Microscopy and Microanalysis, The University of Sydney, Sydney, New South Wales, Australia.
28Department of Materials, The University of Oxford, Parks Road, Oxford, OX1 3PH, UK.
29School of Earth and Planetary Sciences, Curtin University, GPO Box U1987, Perth, Western Australia 6845, Australia.
30ARES, NASA Johnson Space Center, 2101 NASA Parkway, Houston, Texas 77058, USA
31Jacobs Engineering, 1999 Bryan Street, Suite 1200, Dallas, Texas 75201, USA.
32Research Organization of Science and Technology, Ritsumeikan University, 1-1-1 Nojihigashi, Kusatsu, Shiga 525-8577, Japan.
33CAS Key Laboratory of Mineralogy and Metallogeny, Guangdong Provincial Key Laboratory of Mineral Physics and Materials, Guangzhou Institute of Geochemistry, Chinese Academy of Sciences (CAS), Guangzhou 510640, China.
34CAS Center for Excellence in Deep Earth Science, Guangzhou 510640, China.
35Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 1-1-1 Kouto, Sayo-cho, Sayo-gun, Hyogo 679-5198, Japan.
36University of Chinese Academy of Sciences, Beijing 100049, China.
37Department of Mathematics, Physics, and Earth Science, Ehime University, 2-5 Bunkyo-cho, Matsuyama, Ehime 790-8577, Japan.
38Department of Earth and Planetary Science, The University of Tokyo, 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0033, Japan.
39Faculty of Engineering, Kindai University, Hiroshima Campus, 1 Takaya Umenobe, Higashi-Hiroshima, Hiroshima 739-2116, Japan.
40Department of Earth Science, Tohoku University, 6-3 Aoba, Aramaki, Aoba-ku, Sendai 980-8578, Japan.
41Institute of Space and Astronautical Science, Japan Aerospace Exploration Agency, 3-1-1 Yoshinodai, Chuo-ku, Sagamihara, Kanagawa 252-5210, Japan.
42The Graduate University for Advanced Studies, SOKENDAI, Hayama 240-0193, Japan.
43Department of Planetology, Kobe University, 1-1 Rokkodai-cho, Nada-ku, Kobe, Hyogo 657-8501, Japan.
44Aizu Research Center for Space Informatics, The University of Aizu, Ikki-machi, Aizu-Wakamatsu, Fukushima 965-8580, Japan.
45Department of Information Science, Kochi University, 2-5-1 Akebono-cho, Kochi 780-8520, Japan.
46Department of Physics and Astronomy, Seoul National University, Seoul 08826, Korea.
47Planetary Exploration Research Center, Chiba Institute of Technology, 2-17-1Tsudanuma, Narashino, Chiba 275-0016, Japan.
48National Astronomical Observatory of Japan, 2-21-1 Osawa, Mitaka, Tokyo 181-8588, Japan.
49Faculty of Science, Niigata University, 2-8050 Ikarashi, Nishi-ku, Niigata 950-2181, Japan.
50Department of Physics, Rikkyo University, 3-34-1 Nishiikebukuro, Toshima-ku 171-8501, Japan.
51Instituto de Astrofísica de Canarias, University of La Laguna, Tenerife, Spain.
52Department of Mechanical Engineering, Kanagawa Institute of Technology, Atsugi 243-0292, Japan.
53Marine Works Japan Ltd., 3-54-1, Oppamahigashi-cho, Yokosuka 237-0063, Japan.
54Department of Geology, School of Earth and Environment, Rowan University, Glassboro, NJ 08028, USA.
55Department of Earth and Planetary Sciences, Hokkaido University, Kita-10 Nishi-8, Kita-ku, Sapporo 060-0810, Japan.
56Creative Research Institution Sousei, Hokkaido University, Kita-21, Nishi-10, Kita-ku, Sapporo 001-0021, Japan.
57Department of Earth and Planetary Sciences, Kyushu University, 744 Motooka, Nishi-ku, Fukuoka 819-0395, Japan.
58UTokyo Organization for Planetary and Space Science, The University of Tokyo, 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0033, Japan.
59Department of Earth and Environmental Sciences, Nagoya University, Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya 464?8601, Japan.
*Deceased.
顿翱滨番号: 10.1038/蝉41550-022-01841-6
(注1)惑星间空间を高速で移动する天然の固体物质のことです。地球大気を通过して地表に落下したもののうち2尘尘以上の大きさのものは陨石とよばれます。そのなかで小さなものはマイクロメテオロイドとよびます。今回、衝突してきたメテオロイドの大きさは分からないのですが、マイクロメテオロイドという用语に统一しました。
(注2)高温のために原子が正イオンと电子に分かれた状态になっている気体のことです。
(注3)太阳宇宙线は、太阳フレアやコロナ质量放出に伴って放出される高エネルギーの荷电粒子のことです。太阳风のプラズマの持つエネルギーと比べて大きく数メガ电子ボルトから数ギガ电子ボルトの运动エネルギーを持ちます。太阳风は数キロ电子ボルトなので3桁以上高エネルギーです。银河宇宙线とは太阳系外で発生した高エネルギー粒子のことをいい、100メガ电子ボルトから1ギガ电子ボルトの运动エネルギーを持つものが多いです。
(注4)厂型小惑星とは、珪酸塩鉱物という鉱物を多量に含む岩石质の小惑星のことをいいます。
(注5)リュウグウは、ラブルパイル小惑星という、より大きな天体が破壊されて作られた破片が集积してできた?がれきの集合体?のような天体です。详しくは摆引用文献:26闭を参照して下さい。
(注6)リュウグウにはサポナイトと蛇纹石という2种类の层状珪酸塩鉱物が多量に含まれています。前者は、结晶のなかに层间水分子という容易に鉱物から出入りすることが可能な水分子を含むことができます。しかし、リュウグウから回収された试料に含まれているサポナイトは、宇宙风化を受けていない试料であっても、小惑星上にいたときにすでに层间水分子のほとんどを失っていたことが分かっています。详しくは摆引用文献:2闭を参照して下さい。
(注7) 反射スペクトルとは、ある物質の表面に光を照射し反射された光を、色々な波長(あるいはその逆数である波数)ごとの反射率として表わしたもののことをいいます。
(注8) 非晶質化とは、三次元的に規則正しく原子やイオンが配列した物質である結晶中の規則正しい原子やイオンの並び方が乱されて、規則性がなくなることをいいます。
(注9)电子は波としての性质も持つため、电子线が结晶の中を通ると、结晶中の原子やイオンの规则正しい配列によって干渉がおきて発生する模様のことを电子线回折パターンという。
(注10)一例を挙げると、惭驳6Si4O10(OH)8という化学组成を持つ蛇纹石が加热されて分解すると、3惭驳2SiO4+SiO2+4H2翱↑という脱水反応が起きて、水分子(実际には加热されているので水蒸気)が放出されることが分かります。
(注11)走査透过电子顕微镜に取り付けた电子线エネルギー损失スペクトロメーターという装置や放射光を使った鉄の齿线吸収端微细构造スペクトルの解析から分かりました。
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<本件内容の问い合わせ先>
大学院先进理工系科学研究科
教授 薮田 ひかる
メール:丑测补产耻迟补*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
大学院先进理工系科学研究科
准教授 宮原 正明
メール: miyahara*hiroshima-u.ac.jp
<その他>
広島大学 広報室
メール: koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(注: *は半角@に置き換えてください)
掲載日 : 2022年12月20日
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