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【開催報告】【2021.07.25】第84回定例オンラインセミナー「教科教育学?心理学?日本语教育学の視点からインクルーシブな学びを考える(2)算数?数学に学びにくさのある子どもへの支援と配慮」を開催しました

は,2021年7月25日(日)に,第84回定例オンラインセミナー「教科教育学?心理学?日本语教育学の視点からインクルーシブな学びを考える(2)算数?数学に学びにくさのある子どもへの支援と配慮」を開催しました。大学院生や学校教員を中心に80名の皆様にご参加いただきました。

「教科教育学?心理学?日本语教育学の視点からインクルーシブな学びを考える」シリーズは,学びにくさを持つ子どもに既成の教科カリキュラムをいかに教えるかとともに,インクルーシブな社会の実現に向けて教育には何ができるかを考えます。

シリーズ第2回となる本セミナーは,算数?数学科に注目しました。この教科の学びにくさはしばしば「つまずき」と呼ばれ,それを解消するための手立てが提案されてきました。学びの意味を,知识や技能の习得だけでは无く,教科に特徴的な问い方や话し方を身に付けることにまで拡げてインクルーシブな学びを考えようとすると,教师?子ども?教科の関係も大切になってきます。そこでセミナーでは,①个人と数学,②个人と社会の2つの侧面から,算数?数学科の学びにくさに対する支援と配虑に関して报告が行われました。

はじめに,司会の(広岛大学)より,本セミナーの趣旨が説明されました。シリーズ全体として,基本的に中等教育を対象とするが,対処疗法的な対応にとどまらないために,算数?数学科をひとまとまりとして扱うことが,セミナーの参加者全体で确认されました。引き続いて,学びにくさの复雑性を,①个人(个々人の身体レベルの特性や思考の倾向),②社会(テクノロジーや日常との违い),③数学科の信念(记号主义や抽象性),これら相互の重なりで捉えることが提案されました。また,<支援>とは个々人の认知状态と数学的概念を基础づける见方を関わらせること,<配虑>とは他者を通した自己认识と集団?共同の个々人への期待,それぞれに注目する取り组みであることが示されました。

以上の设定を受けて,松岛充氏(香川大学)より,算数科に関わる<支援>について発表が行われました。着书「算数授业インクルーシブデザイン」を概説しながら,教科教育と特别支援の共同はすでに始まっているが,まだ个々の実践にとどまっていることが指摘されました。未だ研究として知见を整理する段阶ではないことは国际的な动向でもあり,それ故に,背景とする理论をもつことの大切さが强调されました。たとえば,「身体化(别尘产辞诲颈尘别苍迟)」は汎用的な理论?思想であり,これにしたがえば一贯的で体系的な<支援>が可能になることが指摘されました。また,公式の数学を支えている见方や考え方を分析するだけではなく,个々人の认知状态も検讨されるべきことが言及されました。

続いて,西宗一郎氏(広岛大学附属叁原中学校)より,数学科に関わる<配虑>について発表が行われました。学校?教室での学びの特徴として,教师と复数の生徒が存在することがあげられます。そういう场だからこそ,话し合ったり学び合ったりといった活动が可能になりますが,翻って正误がはっきりし过ぎると,数学科の特性が,集団内での个々人の立场を决めてしまう不安が伴います。これが,个人と社会とによる学びにくさの一端です。この课题を乗り越えるために,「スパイダー讨论」を援用し,生徒同士の関わり合いの机会を设けることが报告されました。この方法は,ルーブリックに基づいて生徒自身が振り返り,话し合いの様子を评価する点に特徴があります。数学科の特性からみても,活动の分量や均等さよりも,质が大切であることが示唆されました。

松岛氏(香川大学)

西氏(広岛大学附属叁原中学校)

ウェビナーの蚕&补尘辫;础机能を活用して行われた质疑応答では,「グループ活动に対する不安への配虑は,算数?数学科の学びにくさに配虑したことになるのか」,「间违えることに対する不安や耻ずかしさに対して,どのような配虑をしたか」といった质问や,「ジェスチャーの大切さはわかるが,この非公式の表现と公式の数学との関係をどう考えたらよいか」という意见が出されました。特に教えずとも,対応の考えを活かして物を分配したり,変数の考えを活かして人を名前で呼び分けたりする子どもに対して,数学への“引き上げ”の键として,曖昧さを排した言叶での表现が提案されました。

算数?数学科の学びにくさの要因をどこに置くかによってもアプローチは変わります。そもそも一律な算数?数学科を设定すること自体の见直しも,すなわち,个々の状态とニーズに応じた算数?数学を认めることも,今后は考えられてよいでしょう。インクルーシブな学びとは,「すべての人のための数学」をどのように考えるかと同义であり,まさに多角的で学际的な取り组みを进めなくてはならないことが改めて了解されました。

今后も贰痴搁滨では,引き続き,学校教育のリデザインを通して,教育そのもののあり方を検讨してまいります。

当日の様子はをご覧ください。

イベント一覧についてはをご覧ください。

【问い合わせ先】

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室

E-Mail:evri-info(AT)hiroshima-u.ac.jp

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