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【開催報告】【2024.12.02】定例オンラインセミナーNo.171「Racial diversity in the teaching profession in England: What makes minority ethnic teachers stay in teaching, or leave? なぜ、マイノリティ教師は教師を続けるのか?やめるのか?:イングランドにおける教師の人種的多様性」を開催しました

は、2024年12月2日(月)に、定例セミナー講演会No.171「Racial diversity in the teaching profession in England: What makes minority ethnic teachers stay in teaching, or leave? なぜ、マイノリティ教師は教師を続けるのか?やめるのか?:イングランドにおける教師の人種的多様性」を開催しました。大学院生や研究者を中心に65名の皆様にご参加いただきました。

はじめに、准教授(広岛大学)と菊地かおり氏(筑波大学)は、セミナーの趣旨として以下の3点をあげました。

?イングランドにおけるエスニックマイノリティの教师や教育実习生が経験する人种差别と教职キャリアへの影响を検讨すること。
?教育実习生が直面する人种的マイクロアグレッション(可视化されにくい差别)の事例を分析すること。
?包摂的な学校环境を筑くための具体的な戦略を提案すること。

イングランドでは、生徒の多様性に比べ教师の多様性が低いという现状があります。2018年にイングランド教育省が発表した「教育职における多様性に関する声明」では、教师の多様性が教育の质や生徒の成长に与える重要性が示されました。しかし、エスニックマイノリティの教师は依然として离职率が高く、特に昇进の面で构造的な障壁に直面しています。この现状は、生徒と教师の人种构成の不均衡をさらに助长し、教育现场における公平性の実现を阻む要因となっています。

セミナーの趣旨を説明する川口准教授

セミナーの趣旨を共有する菊地氏

次に、登壇者であるAntonina Tereschenco氏(Brunel University)は、イングランドにおけるエスニックマイノリティの教師が経験する差別や無意識の偏見について報告しました。具体例として以下のような事例が挙げられました。

昇进の制约:アフリカ系教师が「副校长までは昇进できても、それ以上のポストには进めない」と述べるように、管理职への道が闭ざされているという构造的な问题。
文化的背景の強調:ブルガリア出身の教師が「Miss Bulgaria」と繰り返し呼ばれ、自身のアイデンティティが過剰に意識されることで不快感を抱いた事例。

これらの事例から、意図的な差别だけでなく、日常的な无意识の偏见が教职者の疎外感やキャリア停滞の要因となるということが説明されました。报告においては、こうした问题を解决するためにも、学校全体で多様性や公平性について积极的に议论し、无意识の偏见を认识する文化を育てることが重要であることが提案されました。また、教师の昇进や配置において透明性を高め、エスニックマイノリティの教师がリーダーシップを発挥できるように支援することが重要であること。さらに、职场内での孤立感を减らすための包括的な环境作りや、マイクロアグレッションに対応する研修の导入も効果的であることが挙げられていました。これらの取り组みを通じて、エスニックマイノリティの教师が安心して働ける职场环境を整备し、教育の质を向上させることが重要であると结论づけられていました。

报告を行う罢别谤别蝉肠丑别苍肠辞氏

次に、北山夕华氏(大阪大学)から、罢别谤别蝉肠丑别苍肠辞氏のプレゼンテーションを受けて、日本の文脉や状况を共有した上での日本への示唆は何かという点について提案がなされました。1991年に公务员採用における国籍要件は撤廃されましたが、多くの自治体では、外国人教师が昇进のない职位に限定されて採用されています。2012年には公立学校で257名の外国籍の教师が常勤として働いていたとのデータがありますが、この制限のために限定的な働きしかできない可能性が考えられます。さらに、公立学校の教员は「日本人」であるという暗黙の前提が、外国人教师やエスニックマイノリティの教师を「例外的な特别な存在」または「异质な存在」としてラベリングする要因となりうることなどが指摘されています。そのため、今回の発表を受けて、日本においても「ロールモデルとしての教师」の重要性や学校现场や教员养成の意识改革、支援の充実と共に、学校文化に内在する知识の植民地主义からの脱却などの必要性が论じられました。

提案を行う北山氏

蚕&补尘辫;础セッションでは、イングランドでの支援政策や日本との比较に関する质问が飞び交いました。「日本でもマイノリティ教师へのマイクロアグレッションの调査が必要」といった意见や、アジア系であることが差别や偏见にどのように影响するかについての日英比较など、具体的かつ実践的な议论が展开されました。

最后に、川口准教授と菊地氏は、日本においても教师の多様性について本格的に议论を进める必要性を强调しました。教师の多様性を促进する政策や実践は、多様化する教室の中で、生徒一人ひとりの成长を支えるための重要な基盘となる可能性があると结论づけられました。

当日の様子はをご覧ください。
イベント一覧についてはをご覧ください。

【问い合わせ先】

広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室

E-Mail:evri-info(AT)hiroshima-u.ac.jp
?※(础罢)は蔼に置き换えてください


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