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第5回 富永 依里子 (大学院先端物質科学研究科 助教)

富永助教と研究室の学生たち

研究室の学生たちと一绪に(前列中央が富永助教)

「ここがええね!広大」は、広岛大学の构成员が、普段感じている広大の良さを语ります。

さまざまな国?地域から多様な人材が集まる

広岛大学の魅力は素晴らしい研究设备と、さらにそれを使いこなす人材の両方を有している点だと思います。広岛大学出身者だけでなく、さまざまな地域や国からさまざまな経験を持った教员が集まって1つの大学を构成しています。研究者として魅力的であるだけでなく、朗らかで人间的な魅力にあふれた先生方が本当に多いと感じます。そして、その各教员の下には、素晴らしい学生たちがいます。研究大学として世界ランキングの顺位や数値を意识し、アピールしていく一方で、そうした数値に直接にじみ出てこない広大の良い部分ももっと多くの方に知っていただけたら嬉しいですね。

広島大学の良さについて語る富永助教

充実した设备と、若手が自由にチャレンジできる研究环境

学生时代から10年以上、新规発光デバイスの开発を目的として半导体结晶をつくることをメインテーマに研究してきました。発光デバイスや电子デバイスなどの半导体デバイスは、スマートフォンやパソコンなど、私たちの身の回りの多くの电子机器に使われています。

広島大学には、「ナノデバイス?バイオ融合科学研究所」「自然科学研究支援開発センター」「放射光科学研究センター」など、半導体のような電子材料の研究には欠かせない設備が揃っています。また、こうした研究施設内の実験装置を維持管理する際には、細かな部品や工作が必要となるのですが、それらを学内で賄うことができる「ものづくりプラザ」という施設もあります。私は広島大学に着任してから、半導体結晶の規則正しい原子の配列を一部崩した「結晶欠陥」を活用した光学デバイスの開発に取り組んできました。従来の慣例を逆手に取った着眼点と新しい材料設計を評価していただき、このたび「文部科学大臣表彰 若手科学者賞(※)」という栄誉ある赏をいただくことになりました。この受赏は、広岛大学の研究所やセンターの存在、そしてそれらを育み、守ってこられたたくさんの先生方や技术职员の方々の存在なしに成し遂げることはできませんでした。

(※) 平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「若手科学者賞」

受赏にあたっての记者会见の様子

受赏にあたっての记者会见の様子

私が他の研究者の方々がスルーしてしまわれそうなテーマに挑戦できたのは、広大の「自由にチャレンジできる」风土のおかげだと思っています。どの世代の先生方も、例え若手であっても一人前の研究者として尊重してくださり、「顽张れ!」と応援してくださいます。若手研究者にオリジナルな研究を生み出す时间とチャンスが与えられ、多くの方に支えていただきながら研究が続けられる本学の环境にとても感谢しています。

人间力あふれる、広大の学生たち

広大の学生は、大学入试の、いわゆる偏差値では测れない、社会に出た后で求められる「人间力」を持っていると感じています。研究室の学生は教员との距离が近く、学生の方から冗谈を言ってきたり、亲睦会の企画も自主的に进めてくれたりします。现代社会はコミュニケーション能力が低い若者が増えていると言われる中で、広大の学生たちは、「古き良き日本」の温かい部分を持っているように思います。日顷のちょっとしたコミュニケーションが研究室の一体感を高め、研究面でも良いディスカッションに繋がっています。

毎年、学部3年生向けの授业でレーザーや光通信の学生実験を行っていますが、学生が「先生、これ面白いですね!」と本当に良い表情をして言ってくれるのが印象的です。研究を続けていくには、こういう「面白い」「これがやりたい」といった心の反応が大事。自ら兴味を持ち、极めてピュアに研究を顽张ろうとしている学生たちと接して、私もいつも良い刺激をもらっています。

光学実験室で半导体からの発光を测定しながら学生とディスカッションする富永助教

光学実験室で半导体からの発光を测定しながら学生とディスカッションする富永助教

略歴

京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程修了。当課程の間、日本学术振兴会特别研究员(DC1)。広島大学大学院先端物質科学研究科研究員を経て、2012年から現職。2018年より学長特任補佐併任。

研究概要

専门は半导体结晶成长。骋补础蝉系半导体混晶の低温での结晶成长に取り组み、不纯物や欠陥をあえて取り込んだ结晶を活用した新规光学?テラヘルツ両デバイスの开発に取り组んでいる。地道な研究の积み重ねを大切に、学理の追求の上に社会で役立つ半导体デバイスが生み出せるよう、日々研究を続けている。

(2018年4月取材)


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