
「ここがええね!広大」は、広岛大学の构成员が、普段感じている広大の良さを语ります。
学生を育て、学生に育てられる大学
私にとって広岛大学は、研究者人生のターニングポイントを迎えた场所ですね。ここは、学生と教员の距离がとても近い大学です。学生との日々の议论を通して勉强になることも多く、私自身が成长する机会に恵まれています。
私は学生时代を他大学で过ごし、民间の公司や研究机関も経験しました。思えば今まで、「研究」をしてきたという自负はある程度ありましたが、いわゆる「勉强」はあまりしてこなかった。それが、広岛大学に来てから、素直でリアクションの良い学生たちに刺激を受け、彼らの疑问や质问にきちんと応えたいという思いから、授业で使う「教科书」を読み込むという「勉强」を大切にするようになりました。

そのことで、私も基本に立ち返り、再び基本を学びます。その积み重ねが、研究のベースをしっかりしたものにし、自身の成果にもつながっていると感じます。研究だけに専念していたら、视野も狭くなりがちだったかもしれません。だから、学生と日々切磋琢磨し、コミュニケーションがとれる今の环境は、私にとって大事なものです。
学内の高い技术力を生かした「ものづくり」
学生だけでなく、教职员からも刺激を受ける毎日です。私は、新しい物质の合成や物质の性质を测定する実験的研究を行っているのですが、测定装置やその部品を学内で製作することも多くあります。広岛大学には「ものづくりプラザ」という共用施设があって、そこで自作もできるし、技术职员に依頼して作ってもらうこともできます。购入すれば高额な物も、学内で製作すれば研究费の节约になりますし、何より高い技术力で、自分の研究に最适な物を作ってもらえる。こんなに有难いことはないですね。

齿线回折用ゴニオメーターの昇降机能付きのベース部分は、ものづくりプラザで依頼製作したもの

既设の実験装置にも、ものづくりプラザで依頼製作した部品が多く搭载されている
主体性とコミュニケーション力を养える环境
広岛大学は、研究者が育つ场だとも思います。就职と研究の狭间で、博士课程后期に进むことを諦めてしまう学生もいます。学生たちに研究者がしてやれることは何か。どんなメッセージを伝えられるか。日々の课题です。
その一助となるかどうかはわかりませんが、私の研究室では数年前から合宿を始めました。大学院入试で忙しくなる前の6~7月顷に、2泊3日で行います。そこでは、学生たちが、自分たちで企画して、研究発表やセミナーを行います。场所决めから発表テーマ决め、発表要旨の册子づくりまで、全て学生たちで行います。発表中は、教员は质问せず、上级生が座长を务め、学生同士がやりとりしながら进めます。ミニ学会のような感じですね。

合宿での研究発表の様子

合宿の缔めは、お揃いのユニフォームでサッカー大会!
この合宿を始めてから、学生同士のコミュニケーションがさらに良くなったと思います。それまでは、学生たちのグループも、なんとなく研究テーマで分かれてしまいがちだったのですが、合宿を経験してから、别の研究テーマの先辈に质问に行くなど、学生たちの意识に违いが见られるようになりました。今后、広岛大学で良いものをたくさん身に付けて、羽ばたいていってほしいですね。そのための环境が、広岛大学には整っていると思います。
略歴
东京理科大学理学部卒业。东北大学大学院理学研究科修士课程修了。京セラ株式会社勤务。东京大学大学院理学系研究科博士后期课程修了。科学技术振兴机构雇用研究员、広岛大学大学院先端物质科学研究科助手、助教、准教授を経て、2018年から现职。
研究概要
専门は物质の磁性や超伝导(电気抵抗がゼロになる状态)などの特徴的な性质を、量子力学?统计力学を使って扱う「物性物理学」。最近、磁性イオンの电子轨道が相転移や超伝导などの多様な现象を引き起こす新たな物质群を见いだし、単结晶合成や极低温での精密物性测定などの実験的研究を行っている。物性物理学の新しい研究対象となるような物质の探索、新机能物质の开発に取り组む。
(2018年3月取材)
※4月1日付けで教授に昇任