
「ここがええね!広大」は、広岛大学の构成员が、普段感じている広大の良さを语ります。
「物性物理学」は広岛大学の强み
大阪大学でスタートした「物理学」の研究人生。东京大学を経て、1999年広岛大学に着任。かれこれ20年近く広岛大学で研究を続けてきた今、改めて、物理学は広岛大学の看板となる分野だと感じています。
具体的な统计データを绍介しましょう。文部科学省が発行した「物理学分野における日本の大学の质と量の状况(2009-13)」によると、「论文数の世界シェア率」が高く、国内では8位。特に、高性能な材料の性质を探る「物性物理学」の分野で高い评価を得ました。同时に、研究の质を示す「罢辞辫10%论文数の世界シェア率」もトップクラスに位置しています。
理学研究科、先端物质科学研究科、総合科学研究科など、学内に物理学界の第一线で活跃する研究者は数多くいましたが、彼らを束ねる组织は存在しませんでした。幸いにも、広岛大学は2013年に文部科学省「研究大学强化促进事业」に採択。学内に世界的な研究拠点を创出していく机运が高まる中、2017年、私が拠点长を务める「创発的物性物理研究拠点」の活动がスタートし、学内の连携体制が整いました。

世界オンリーワンの装置で成果が次々と
私たちの研究を支えているのが、放射光科学研究センター。国立大学唯一の放射光実験施设です。世界でオンリーワンの専用加速器を使うと、主に紫外线や比较的波长の长い齿线が発生。物质内の电子の运动などを捉えることができ、物质の性质を解き明かす手がかりとなるのです。最近は利用者の约3割が海外の研究者で、若手研究者や学生は国际交流を通じて大きな刺激を得ています。
物性物理学の世界では、「质量ゼロの电子」の研究がトレンドです。通常、电子には质量があり、固体の内部を比较的自由に动き回っています。固体内部の电子の动きが速くなるほど、演算速度が速い笔颁などを开発することが可能です。私の研究グループも、放射光科学研究センターで行った実験で、质量ゼロの新しい电子を発见するなど成果を挙げています。


素直で伸びる学生を何十人も见てきた
広大のええね!は教员や研究施设だけではありません。私は学生の「素直さ」「伸び代」も素晴らしいと思います。言われたことに対して、损得を考えずにすぐに手を动かす。いわゆる行动派の学生が非常に多いです。最初は荒削りでも、指导とコミュニケーションを繰り返すうちに、成长していくのが目に见えてわかります。「物理は好き。でも英语は苦手」な学生も、1年生の短期留学「厂罢础搁罢プログラム」や放射光科学研究センターでの外国人研究者との触れ合い、さらには国际学会を経験することで、どんどん论文の英语がさまになっていきます。
実际、世界に先駆けて理想的なトポロジカル絶縁体(※)を発见するなど、学生が一流の研究者に引けを取らない成果をいくつも生み出しています。研究者として他大学や研究机関に就职したり、新闻记者となり科学分野の记事を执笔したり、と多くの卒业生が活跃している姿も頼もしいです。
(※)「絶縁体」でありながら、表面は金属と同じように电気を流す性质を持つ特殊な物质

世界に先駆けて理想的なトポロジカル絶縁体を発見した指導学生?黒田健太さん(現?東京大学 助教)との思い出の一枚。概念を説明するためのモデル図は、キャンパス最寄りの西条ICの写真を活用した
略歴
1995年大阪大学大学院基础工学研究科博士课程后期修了。东京大学大学院理学研究科助手、本学理学部助教授などを経て、2015年から现职。
研究概要
専門は物性物理学。近年は放射光を用いた物質中のスピン電子状態を研究。2010年以降いくつかの新しいトポロジカル絶縁体を発見。2015年にトポロジカル絶縁体が磁石の性質をもつメカニズムを解明し、論文が英国科学誌「Nature Communications」(オンライン版)に掲載された。
(2018年2月取材)