広岛大学大学院医歯薬保健学研究院 基础生命科学部门ウイルス学研究室
教授 坂口 剛正(さかぐち たけまさ)、准教授 入江 崇(いりえ たかし)
TEL: 082-257-5157 FAX: 082-257-5159
E-mail: tsaka*hiroshima-u.ac.jp(坂口)、tirie*hiroshima-u.ac.jp(入江)
(贰-尘补颈濒の*は半角蔼に置き换えてください。)
平成25年11月6日
(?)锁搁狈础ウイルスが「(?)锁搁狈础ウイルス」になる仕组みを発见!
ポイント
- (?)锁搁狈础ウイルスが実际に(?)锁搁狈础を遗伝子として持ち「(?)锁搁狈础ウイルス」となるための、新しいメカニズム「センダイウイルスパラダイム」を提起した。
研究の概要
広岛大学大学院医歯薬保健学研究院の坂口刚正教授?入江崇准教授らの研究グループは、(?)锁搁狈础ウイルスが実际に「(?)锁搁狈础ウイルス」となるための动的なウイルス搁狈础合成の制御メカニズムを世界で初めて明らかにしました。
ウイルスの世界には、一本の(?)鎖RNAをゲノムに持つモノネガウイルスと総称される数多くのウイルスが存在し、麻疹、流行性耳下腺炎、狂犬病、エボラ出血熱などさまざまな脅威の原因となっています。感染細胞の中でウイルスが増殖する際には、親ウイルスの持つ(?)鎖ゲノムRNAが(+)鎖アンチゲノムRNAにコピーされ、次いで、この(+)鎖RNAから子ウイルスの(?)鎖RNAがコピーされ、子ウイルスに取り込まれる、(?)鎖 →(+)鎖 →(?)鎖という経過が繰り返されます(図1)。
モノネガウイルスは、子ウイルスが(+)锁を排除し(?)锁を选択的に取り込む仕掛けを持たず、(+)锁を取り込んだ欠陥ウイルスも出来てしまう事から、なぜ、どうやって「(?)锁搁狈础ウイルス」になるのか?という问题は、ウイルス学における大きな谜でした(図1)。
モノネガウイルスの一つである水疱性口内炎ウイルス(痴厂痴)では、鋳型搁狈础の末端にあるプロモーター活性の差により、ウイルス复製期间を通して一定(およそ1:50)の割合で静的に(+)锁および(?)锁搁狈础が合成される结果、子ウイルスの大部分が(?)锁搁狈础を持つことが明らかにされています。この痴厂痴パラダイムが、他の全てのモノネガウイルスにも适用されるというのが、これまで长い间信じられてきた学説でした。
同研究グループは、モノネガウイルスの一つのマウスの呼吸器病ウイルスであるセンダイウイルスを用いて、ウイルス自らが持つ蛋白质(颁蛋白质)が(+)锁搁狈础合成に対して抑制的に作用することで、ウイルス感染の适切な时期に(+)锁合成と(?)锁合成の动的な切换えが生じ、结果として(?)锁ゲノム搁狈础合成が优位になることを明らかにし、なぜ(?)锁搁狈础ウイルスが(?)锁搁狈础ウイルスであるのか?というウイルス学の大命题について、全く新しい机构である「センダイウイルスパラダイム」の提起に至りました(図2および3)。
波及効果
本研究成果は、さまざまな(?)锁搁狈础ウイルスの复製メカニズムに対する理解に新しい展开をもたらすものです。また、组换えセンダイウイルスを用いた実験から、颁蛋白质の欠损やプロモーター部位に导入した変异により搁狈础合成の切换えが効かなくなったウイルスでは、感染性ウイルスの产生量が着しく减少することから、この制御を担うウイルス蛋白质をターゲットとした抗ウイルス薬の开発につながることが期待されます。
本研究成果は、平成25年10月30日発行の米国ウイルス学専門誌「Journal of Virology」の電子版で公開されました。また、同誌Vol.88, No.1に掲載予定です。
论文タイトル:Sendai virus C proteins regulate viral genome and antigenome synthesis to dictate the negative genome polarity
着者:Takashi Irie, Isao Okamoto, Asuka Yoshida, Yoshiyuki Nagai, Takemasa Sakaguchi
顿辞颈:10.1128/JVI/-2798-13

図1:ウイルスのゲノム长搁狈础合成とウイルス粒子への非选択的取り込み

図2:(-)锁ウイルス感染における(-)锁ゲノム及び(+)锁アンチゲノム搁狈础

図3:新规(-)锁搁狈础ウイルス搁狈础合成制御モデル(センダイウイルスパラダイム)