広岛大学大学院総合科学研究科身体运动科学研究领域
教授 船瀬 広三(ふなせ こうぞう)
Tel & FAX:082-424-6590
贰-尘补颈濒:蹿耻苍补蝉别*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫(注:*は蔼に置き换えてください)
贬笔:丑迟迟辫://丑辞尘别.丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫/蹿耻苍补蝉别/颈苍诲别虫1.丑迟尘
平成27年9月10日
上达后も繰り返し练习することで运动スキルを保持する能力も高くなる
~新しい运动スキルの学习とその保持に大脳皮质运动野が関与していることを解明~
研究成果のポイント
- 新しい运动スキルを学习する际、スキル上达后すぐに练习を止めてしまうのではなく、上达してからも反復して练习することによって大脳皮质运动野の兴奋性は増大し(図础)、その后の运动スキル保持能力も高くなること(図叠)を明らかにしました。
- 今回の成果を基に、今后さらに运动スキル学习に関わる脳机能の解明を进めていくことで、运动を苦手とする子供たちへの学习指导や教材开発、既に运动スキルを修得した熟练者に対する効果的なトレーニング法の提供が期待できます。
概要
広島大学大学院総合科学研究科の船瀬広三教授らの研究グループは、非侵襲的脳刺激法である経頭蓋磁気刺激(TMS)(*1)を用いたヒトの研究において、 誤差修正が必要な視覚追従動作課題による運動スキル習得後の練習回数(後期学習段階)が、大脳皮質運動野興奮性と運動学習保持能力に強く関わっていること を明らかにしました。
実施した視覚追従動作課題は、画面上に表示された図形ライン上に、被験者の足関節角度を示す移動ポイントをできるだけ重ね合わせるというもので、このよう な誤差修正を繰り返す運動スキル学習においては、その動作課題の学習成立によって正しい動作パターンが成立します。その動作パターンを生み出す大脳皮質運 動野ニューロンの活動パターンの繰り返しが興奮性増大を伴う機能的変化を誘引し、その後の運動保持能力を高めることにも強く関わっていることを示しました。
本研究成果は、平成27年7月17日(日本時間)発行の科学誌「Brain Stimulation」(オンライン版)に公開されました。

発表论文
论文タイトル
Interactions among learning stage, retention, and primary motor cortex excitability in motor skill learning
著 者
Masato Hirano, Shinji Kubota, Shigeo Tanabe, Yoshiki Koizume, Kozo Funase*
*Corresponding author(責任著者)
掲载雑誌
Brain Stimulation(Elsevier)
DOI
doi:10.1016/j.brs.2015.07.025
背景
未経験かつ未修得の運動スキル学習において、反復練習が効果的であることは経験的に知られています。骨格筋への運動指令を発する大脳皮質運動野は、随意収 縮力の制御や随意動作パターンの符号化などに重要な役割を果たしていることが知られていますが、運動スキル学習やその保持にいかなる機能を担っているかは 十分に解明されていません。
そこで本研究では、画面上に表示されたターゲットラインを足関节动作角度によって追従する动作课题を用いて、运动スキル学习を定量的に分析し、运动スキル学习の学习段阶およびその保持と大脳皮质运动野の兴奋性変化の相互関连性について调べました。
研究成果の内容
船瀬教授らの研究グループは、31人の健常成人を被験者として、右実験模式図に示すように、視覚追従動作課題におけるターゲットラインと足関節動作角度を 示す移動ポイント軌跡との差分(誤差)と大脳皮質運動野へのTMSによって足関節動作の主働筋である前脛骨筋から記録される運動誘発電位(MEP)(※ 2)の振幅変化との関連性を調べました。
その結果、誤差修正を繰り返すことで修得される運動スキル学習能力が高い者ほど大脳皮質運動野興奮性が増大することを明らかにしました。また、スキルが上 達した直後とさらにそこから練習を反復した後に大脳皮質運動野の興奮性を評価したところ、上達直後では興奮性の増大は見られず、上達後の反復回数に応じて 興奮性が増大することを明らかにしました(図A)。以上から、新たな運動スキルの学習においては、練習によって得られた動作パターン、その動作パターンを 生み出す大脳皮質運動野ニューロンの活動パターンの繰り返しによって、活動頻度に依存した可塑性が誘引されることを示しました。さらに、可塑性がより強く 誘引された者ほど翌日になっても学習効果が残存していることが明らかとなり、学習した運動スキルの保持に大脳皮質運動野が深く関与していることが示されました(図B)。

今后の展开
运动スキル学习前后における小脳-大脳皮质运动野抑制回路の活动性変化や大脳皮质运动野に运动スキルがどのように蓄えられるか検讨し、运动スキル学习に関わる脳机能の解明を进めていきます。これらの研究によって得られる成果は、アスリートや楽器演奏者に见られる巧みな运动スキルの学习能力の背景にある脳内メカニズムの解明に寄与するだけでなく、运动スキル学习を苦手とする子供たちへの运动学习指导や教材开発、既に运动スキルを修得した熟练者に対しても効果的なトレーニング法に関する知见の提供が期待できます。
参考资料

図A: 後期学習段階練習ブロック数(横軸)とMEP振幅増加率(縦軸)の関係
后期学习段阶练习ブロック数は运动スキル习得后の练习回数を示しており、大脳皮质运动野の兴奋性を示す惭贰笔振幅増加率と正の相関を示している。
図B: MEP振幅増加率(横軸)と学習保持率(縦軸)の関係
学习保持率は、実験1日目における成绩に対する実験2日目の成绩の割合のことで、この値が低いほど、学习した効果(记忆)を忘れず次の日も同じパフォーマンスを発挥できる(学习保持能力が高い)ことを示しており、惭贰笔振幅増加率と负の相関を示している。
用语解説
※1)経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation:TMS)
大脳皮質運動野相当部位の頭蓋上に配置したコイルに瞬間的に通電し、コイル周りの空間に電磁誘導による渦電流を発生させることで、無侵襲かつ無痛で大脳皮質運動野ニューロンを興奮させることができる。主に、ヒトの運動系を対象とした脳科学や臨床神経生理学、ニューロリハビリテーション分野で広く使用されて いる非侵襲的脳刺激法である。
(※2)運動誘発電位(motor evoked potential:MEP)
罢惭厂によって刺激された大脳皮质运动野ニューロンから発する电位は、皮质脊髄路を下行して骨格筋に达し、运动诱発电位を生じさせる。その振幅値は运动诱発电位が记録される骨格筋を支配する大脳皮质运动野の兴奋性指标となる。

経头盖磁気刺激と前脛骨筋から记録した运动诱発电位の波形例