1990年、九州大学大学院工学研究科博士课程修了。2007年より现职。専门は船舶工学、航空工学、风车工学。研究の傍ら、学生とともに人力飞行机の设计?製作活动も行い、滋贺県で开催される鸟人间コンテストに参加している。2004年、日本造船学会赏、日本造船工业会赏、日本财団会长赏受赏。
卓越した研究力で、时代を牵引
研究者INTERVIEW 1
船舶と翼の流体力学の観点から海の安全と快适を守る
大学院工学研究院 教授 岩下 英嗣

不安定に揺れる船舶のメカニズムに迫る
地上を走る车や电车に比べ、不安定に揺れてしまう船舶や飞行机。その理由は空気や水といった“流体”の中で动いているからです。私の研究対象は、流体中で物体が受ける力。特に船舶が海上を进む际の运动については、学生时代から研究を続けています。船は周りの空気や水との摩擦力と、海上の波の力、さらに船自身が起こす波の力(造波抵抗)を受けます。この造波抵抗を正确に推定するための理论计算と、模型による大规模な水槽実験を繰り返し実施しています。造波抵抗のメカニズムを探り、揺れの少ない快适な船型の设计に贡献したいと思います。
「工学=ものづくり」という本质のもとに
乗り物への兴味と数学への探究心から、船舶海洋工学の道に进みました。「ものづくりこそ工学の真髄」という思いから、学生とともに人力ボート製作を始めました。それがきっかけとなり、特殊航空机や风力タービン、潮流発电タービンといった翼を持つものの力学研究にも取り组んでいます。现在开発しているのは想定最高时速500办尘の地面効果翼机。水面近くを飞行することで発生する扬力(上向きに働く力)を利用する特殊航空机です。水上での离発着が可能で、飞行场を设ける必要がありません。离岛と都市部间の新たな交通手段になると期待されています。既に基础実験で安定性を确认していますが、実用化には课题も多く、今后さらなる検証を繰り返し、机体形状を工夫したいと考えています。
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个人と集団の幸福を両立するリーダーシップの法则性を追究
大学院総合科学研究科 教授 坂田 桐子

女性リーダーを取り巻く日本の问题に迫る
人が生きるうえで、集団との関わりは不可欠なもの。私は集団力学の视点から、リーダーシップの法则性について研究しています。长年研究しているのはリーダーシップとジェンダーの関係。このテーマは既に世界中で研究され、男女に能力差がないこと、女性リーダーに立ちはだかる障害などが分かっています。しかし、诸外国で女性リーダーが増加する一方、日本では少数のまま。日本だけ女性リーダーを増やせない原因を探るため、管理职の働き方や、女性を育成する手法など、さまざまな観点からアプローチしています。
个人が主体的に活动する集団のあり方とは
集団の目标达成と个人の幸福実现の両立には、良いリーダーが必要です。従来の定义では、管理职などの公式リーダーが一人で集団を指挥するべきとされてきました。しかし现実には、非公式なリーダー(肩书きはないが所属集団に影响力を持つ人)を含む复数のリーダーが存在する集団の方が効率的に机能することが、调査で明らかになりました。非公式リーダーが公式リーダーとは异なる良い机能を発挥していることが原因だと考えられます。私は现在、非公式リーダーが発生する法则性と、集団への影响の解明に取り组んでいます。また、地域団体やボランティア団体、狈笔翱法人など、非営利の集団におけるリーダーシップも追究したいテーマの一つ。この研究には団体の协力が必要です。调査结果を研究だけでなく、协力団体の课题解决にも生かせると嬉しいですね。
1991年、広岛大学大学院生物圏科学研究科博士课程中退。同年より同大学総合科学研究科にて助手、讲师、助教授を経験し、2009年より现职。専门は社会心理学、集団力学。リーダーシップ、ジェンダー研究の第一人者として広岛県男女共同参画审议会の会长を务める。
注目の最先端研究
[化学?物理分野]
日本学術振興会 研究拠点形成事業[先端拠点形成型:2015~2019年度]、科学研究費助成事業[基盤研究(S):2013~2017年度]採択

キラルな物质?现象の统一理解と制御で、未来社会に贡献
左右の手のように、镜像関係にあって重ね合わせることのできない性质はキラリティと呼びます。キラリティを持つ磁性体は、全く新しいメカニズムで动作する低消费电力の次世代コンピュータや高感度センサーの材料として、世界中で注目されています。広岛大学研究拠点の一つ、キラル物性研究拠点は、日本?イギリス?ロシアを中心とした世界6カ国、20机関の149人の研究者らと连携する「スピンキラリティを轴にした先端材料コンソーシアム」の日本侧拠点に採択されました。キラル磁気构造の制御、合成法の确立、応用までの研究を世界的に推进していきます。
大学院理学研究科 教授/キラル物性研究拠点リーダー 井上 克也
[环境分野]
環境省 環境研究総合推進費 閉鎖性海域?瀬戸内海における栄養塩濃度管理法の開発(2014~2018年度)採択

栄养塩浓度を管理し、持続可能な沿岸海域の実现へ
世界で9番目に大きな闭锁性海域である瀬戸内海の栄养塩管理方法の开発に取り组んでいます。陆域から流入する栄养塩(窒素やリン)は、赤潮の発生などを伴う富栄养化を进行させますが、鱼介类を始め海のさまざまな生き物を支える植物プランクトンなどに必须の物质でもあり、栄养塩が多すぎても少なすぎても海の豊かさは失われてしまいます。私たちの研究では、瀬戸内海の生态系构造の特性を理解し、栄养塩を中心とした水质との関连を解明することによって、赤潮などの障害を起こさない健全な物质循环と高い生物生产性を両立させた持続可能な沿岸海域の実现を目指します。
環境安全センター 教授 西嶋 渉