TEL: 082-424-6573
FAX: 082-424-0759
E-mail: ysugiura*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)
本研究成果のポイント
- 一般に収入の高い人の方が、幸福感が高い倾向にあります。しかし「マインドフルネス」という心理的な倾向の高い人は、収入の多い少ないに関わらず、高い幸福感を感じていることを大规模な调査によって解明しました。
- 「マインドフルネス」倾向はトレーニングで向上させることもできます。今回の结果は幸福にいたる多様な道筋があることを示唆しており、ワークライフバランスや过労の问题など、働く人の多くが直面する问题へのよりよい解决の糸口につながることが期待されます。
概要
広岛大学大学院総合科学研究科の杉浦义典准教授と杉浦知子特别研究员との研究グループは、「マインドフルネス」倾向と呼ばれる、自分の経験を言叶にあらわすのが得意であったり、自分の経験に批判的にならないような人は、年収の多い少ないに関わらず幸福感が高いことを明らかにしました。
収入が多い人の方が、幸福感が高い倾向があることは、すでに多くの大规模な研究データで示されています。本研究では、収入が幸福感に影响する人と影响しない人がいるのではないか、さらにその违いは、マインドフルネスと呼ばれる心理的な倾向の违いによるのではないかと考えました。
20歳から60歳までの、社会人734名のデータから、マインドフルネスの倾向の高い人は収入の多少に関係なく常に幸福感が高く、低い人では収入が多い人の方が幸福感が高いという结果が得られました。本研究ではじめて解明されたことは、収入に関係なく高い幸福感をえられる人がいて、その人たちはマインドフルネスの倾向が高いということです。
今回の研究では、マインドフルネスの高い人と低い人を比べています。しかし、マインドフルネスは自分の呼吸にゆっくりと注意を向ける、といったトレーニングによって高めることも可能です。働き过ぎや経済格差が问题となっている现代社会で、幸福になるための新しい道筋が示唆されたといえます。
本研究成果は、スイス科学誌「Frontiers in Psychology」のオンライン版に掲載されました。

図 自分の体験を批判的に见ない人は収入と関係なく幸福感が高い(赤い点线)。横轴が年収、縦轴が幸福感です。年収は右にいくほど多いことを示しています(対数変换しているので横轴の数字は金额そのものではありません)。縦轴は上にいくほど幸福感が高いことを示しています。
论文情报
- 掲載誌: Frontiers in Psychology
- 論文タイトル: Mindfulness as a Moderator in The Relation Between Income and Psychological Well-Being
- 著者: 杉浦義典1、杉浦知子1, 2
1. 広岛大学大学院総合科学研究科
2. 日本学術振興会 - 顿翱滨番号:&苍产蝉辫;10.3389/蹿辫蝉测驳.2018.01477
広岛大学大学院総合科学研究科
?准教授 杉浦 義典