TEL: 082-424-6565
E-mail: ariga*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)
本研究成果のポイント
- 欧米で行われたこれまでの研究では、ショッピングモールなどの売り场において垂直よりも水平方向に陈列された商品は、消费者の购买を促进することが一贯して报告されてきました。
- しかし本研究は、この水平陈列の优位性は普遍的な现象ではなく、欧米人の文字の文化(横书き?横読みの习惯)に依存している可能性を示しました。
- さらに、縦読みと横読みの両方の习惯を持つ日本人では、垂直?水平陈列の优位性はどちらも存在し、それらは外的に操作可能であることを新たに発见しました。
概要
広岛大学大学院総合科学研究科の有贺敦纪准教授は、日本人消费者の商品选択を促进する陈列方向を文化の视点から明らかにしました。
これまで欧米で行われた研究では、垂直方向よりも水平方向に陈列された商品の方が消费者の购买を促进すること(水平陈列の优位性)が一贯して报告されてきました。しかし、有贺准教授は(1)この水平陈列の优位性が日本人では常に生じるわけではないこと、(2)読みの文化が効果的な商品の陈列方向に影响を与えること、を世界で初めて明らかにしました。
有贺准教授は、10种类のアイスクリームを垂直あるいは水平方向に配置した画像を日本人実験参加者に提示して、购买场面を想定した商品选択を行わせました。その结果、垂直陈列と水平陈列で商品选択に违いがないことがわかり、日本人では水平陈列の优位性は存在しないことが明らかにされました。さらに、アイスクリームの画像を提示する直前に、実験参加者に縦书きあるいは横书きで印刷された文章を黙読させたところ、黙読の方向と一致した陈列(縦読みでは垂直陈列、横読みでは水平陈列)において、商品选択が促进されることがわかりました。この结果は、日本人にとって効果的な商品の陈列方向は、直前の読みの経験によって外的に操作可能であることを示しています。つまり、欧米人は横読みの文化を持つため、水平陈列の优位性が常に存在するが、横読みのみならず縦読みの文化も持つ日本人では垂直?水平陈列の优位性が状况に応じてどちらも存在し得ることになります。
これらの新しい知见は、マーケティング実务において応用可能です。具体的には、消费者の読みの文化を考虑した商品陈列が実际の売り场では重要になってきます。さらに、商品のパッケージやラベル、広告メッセージの记载方向と商品の陈列方向を揃えることで、消费者の购买は促进される可能性があります。
以上の成果をまとめた論文は、米国のオンライン科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。

本研究で用いた(补)水平陈列と(产)垂直陈列の例
実际にはカラーで提示されました。
论文情报
- 掲載雑誌: PLOS ONE
- 論文題目: Reading habits contribute to the effects of display direction on product choice
- 著者: Atsunori Ariga
広岛大学大学院総合科学研究科
准教授 有贺 敦纪