助教 宮森 大輔
Tel:082-257-5461 FAX:082-257-5461
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本研究成果のポイント
- 2020~2021年の新型コロナウイルス感染症の流行期间中に诊断された肺がん患者の死亡率は2018~2019年に诊断された患者に比して1.19倍有意な影响を与えていることが、多重媒介分析※1により明らかにされた。
- 死亡リスクの増加の约50%は、诊断时の年齢の上昇、治疗の差し控えの増加、がん検诊による诊断数の低下が寄与していたと考えられた。
- 本研究成果は、新型コロナウイルスの流行中における肺がん患者の适切な治疗と管理の重要性を示唆している。
概要
広岛大学病院 宫森大辅诊疗讲师、吉田秀平诊疗讲师、菊地由花助教、重信友宇也特定助教、池田晃太朗医师、伊藤公训教授および京都大学病院 纸谷司特定讲师、山本洋平教授による研究グループは、広岛県における院内がん登録データを用いた多施设研究により、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行期间中に诊断された肺がん患者において、诊断后の死亡リスクが増加していること、その要因として治疗の差し控えやがん検诊による诊断数の低下が寄与していることが明らかになりました。
この研究成果が2024年5月24日に、米国学術誌「International Journal of Cancer」に掲載(オンライン)されました。本研究により肺がんの死亡ハザード比の増加における治療の差し控えやがん検診を通した診断数の低下の影響が明らかになりました。
背景
新型コロナウイルス感染症の流行は、医疗システムに大きな负担をかけ、がん患者の治疗に影响を与えています。肺がん患者は、新型コロナウイルス感染症に感染すると重症化しやすいことが知られており、また、新型コロナウイルス感染症の流行により、诊断时の重症度の変化や、がん検诊受诊率の低下、治疗の差し控えなどのリスクあ指摘されています。
研究成果の内容
本研究では、広島県において2020年および2021年に診断された肺がん患者を2018年および2019年に診断された肺がん患者と比較し(約 6000人)、診断から1年以内の死亡率のハザード比およびそれに寄与する因子を検討しました。新型コロナウイルス感染症流行期間中に診断された肺がん患者は、流行前に診断された患者と比較して1.19倍の死亡ハザード比の上昇を認めました(図1参照)。どのような因子が死亡ハザード比の上昇につながったかを検討するために多重媒介分析を用いたところ、死亡リスクの増加の半分は、高齢化、治療を受けなかった患者の増加、そしてがん検診によって診断された患者の減少によってもたらされており、その割合は、それぞれ17.5%、13.9%、12.4%でした。(図2参照)
今后の展开
本研究成果は、肺がん患者の适切な治疗と管理の重要性を示唆しています。肺がん患者は、感染症の流行下において、呼吸器症状に対する行动抑制などの影响から、医疗者とのコミュニケーションの减少、受诊率の低下、治疗の优先顺位の低下などを来す可能性が指摘されており、パンデミックにおける医疗弱者となりえます。
新型コロナウイルス感染症の流行とその病态への理解が十分ではないことに対して不安を抱く患者には、継続的な治疗计画の変更や选択肢の提供に関する透明性を担保し、质の高い治疗を受けられるような病院内外でのポリシーの策定が必要と考えられます。
论文情报
- 掲載誌:International Journal of Cancer
- 著者名:Daisuke Miyamori1*?, Tsukasa Kamitani2, Shuhei Yoshida1, Yuka Kikuchi1, Yuya Shigenobu1, Kotaro Ikeda1, Yosuke Yamamoto3, Masanori Ito1
*筆頭著者, ?責任著者
&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;1.広岛大学病院 総合内科?総合诊疗科
&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;2.京都大学病院 临床研究教育?研修部
&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;3.京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医疗疫学 - 論文タイトル:Effects of the Coronavirus disease 2019 pandemic on mortality in patients with lung cancer: A multiple mediation analysis in Japan
- 顿翱滨:
参考情报
図1 诊断后1年以内の累积死亡率
1年间の累积死亡率において、流行前(2018-2019)と比较して流行期间中(2020-2021)に诊断された肺がん患者は粗死亡ハザード比※2が有意に高く、1.19倍であった。

図2 多重媒介分析による各因子の死亡ハザード比増加に対する相対的な寄与率
図1における死亡ハザード比の増加に寄与した因子について媒介分析を用いて解析をしたところ、诊断时の年齢の上昇による影响、肿疡に対する治疗(手术?化学放射线疗法等)の差し控え、がん検诊による诊断数の低下が有意に関连しており、それぞれ17.5%、13.9%、12.4%であった。一方で、肺がんの病期(ステージ)、病理学的诊断の有无、性别は死亡ハザード比の増加に寄与していませんでした。

用语説明
※1 多重媒介分析
媒介因子分析はある原因変数(暴露変数)が、他の変数(媒介変数)を介して结果変数に与える影响を分析する统计手法です。これまでの媒介因子分析では1因子についてのみ検讨が可能でしたが、本研究において用いた手法では、复数の因子に対して検讨が可能となりました。本研究では、结果変数(肺がんの死亡)に対して、暴露変数(颁翱痴滨顿-19の流行)が与えた影响を、媒介変数(年齢、性别、がん検诊受诊の有无、がんの病期、病理学的评価の有无)を介した影响を同时に検讨を行いました。これにより、各因子が颁翱痴滨顿-19流行期间中の死亡ハザード比の増加に与えた影响の割合を検讨しました。
※2 粗死亡ハザード比
死亡ハザード比は、ある集団において、特定の期间内に死亡するリスクがどれだけ高いかを表す统计指标です。これは、暴露変数(例:喫烟、肥満、病気など)と结果変数(死亡)の関係を分析するために用いられます。粗死亡ハザードは、1つの変数のみが死亡に与えた影响であり、年齢や、性别、その他影响しうる変数の影响を考虑せずに算出します。本结果では、颁翱痴滨顿-19の流行期间の有无のみによる影响を検讨するのにこの指标を用いました。
広岛大学大学院医系科学研究科?広岛大学病院総合诊疗科