年頭挨拶 (2017.1.4)
あけましておめでとうございます。
平成29年年头に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。今年が皆様に取りまして健やかな年になりますことを祈念いたしております。
さて昨年を振り返ってみますと、世界的なスケールで混迷の度がいっそう深まったと记忆される年であったと思います。
イギリスが、6月に行われた国民投票でまさかの贰鲍离脱を选択しました。大きな衝撃をもたらしたのは、11月のアメリカ大统领选挙です。大方の予想を覆して共和党のトランプ氏が次期大统领に选出されました。そのアメリカと対峙してきたキューバのカストロ前国家评议会议长が死去したのも11月でした。
东アジアでは、中国が海洋进出を着々と进め、北朝鲜は核実験と弾道ミサイル発射を繰り返しました。
国内でも不透明感が広がりつつあるように思います。
环太平洋経済连携协定(罢笔笔)が12月、国会で承认されたものの、トランプ氏の离脱表明により协定の発効自体が危ぶまれている状况です。日本のある优良公司が数千亿という莫大な损失を计上する可能性があるというニュースも流れました。
足元の国立大学を取り巻く状况も一段と厳しさを増してきました。
昨年、人件费の大幅な削减案を提案した有名大学があったことは私たちの记忆に新しいところであります。运営费交付金の减额が続く中、本学としても引き続き、计画的な人件费抑制を行わざるを得ない状况です。
こうした状况を踏まえつつ本学は、昨年4月、全学教员组织として学术院をスタートいたしました。学术院がどのようにすれば最大限のパフォーマンスを発挥できるのか、皆様とともに考えていきたいと思います。
昨年は「広岛大学は世界トップ100に入れるのか」というタイトルの新书を笔贬笔研究所から出版しました。
文部科学省の「研究大学强化促进事业」(リサーチ?ユニバーシティ)22机関と「スーパーグローバル大学创成支援事业」タイプ础(トップ型)13大学の双方に採択された本学にとって、世界100位以内に入ることは、社会と交わした约束であります。
そうした折、イギリスの通信社ロイターが発表した「アジアで最もイノベーティブな大学トップ75」で、本学は26位(国内10位)にランクインしました。
教职员、学生、卒业生がスクラムを组みながら、目标に向かって一歩一歩进んでいきたいと思います。
昨年11月末、文部科学省から第3期中期目标期间における指定国立大学法人の公募が通知されました。
申请要件として示されたのは、「研究力」「社会との连携」「国际协働」の3领域において、それぞれ1つ以上の要件で国内10位以内の国立大学法人であることです。本学は第3期中期目标期间中の申请を目指していましたが、「研究力」の要件をクリアする一方で、「社会との连携」と「国际协働」の各领域については要件を満たしていませんでした。このため、あらためて第4期中期目标期间での指定を目指す方向で検讨しております。
构成员の皆さんの意见も十分お聴きした上で本学の将来ビジョンを策定し、実现に向けての道筋や工程を明确にしてまいります。
さて、7年后に迎える広岛大学开学75周年に向けて、今年から75年史の编纂をはじめとする记念事业に向けた準备が始まります。教职员?学生の皆さんからも、75周年にふさわしいアイデアや提案を期待しております。
春には、広岛市と协议を进めている本部跡地にある旧理学部1号馆の保存活用策について一定の方向性が示される见通しです。开学の地である东千田キャンパスのこれからの姿について県や市と连携しながら広岛大学としても検讨を急ぐ必要があると考えております。
ところで、今年の世界はどのように动くのでしょうか。
昨年末に行われたノーベル赏授赏式におきましてノーベル财団のへルディン教授が开会の挨拶でいみじくも述べたように、テロと戦争が日常化し、世界を席巻するポピュリズムの嵐の中で、科学や知识を否定するような风潮も强まっています。
ともすれば悲観的な见方になりがちですが、私は昨年5月のオバマ大统领による広岛访问と、年末の安倍首相の真珠湾访问に、一条の光を见いだしました。
またドイツの宗教改革者であるマルチン ルターの「たとえ明日世界が滅びることを知ったとしても、今日リンゴの木を植える」の言葉を 私自身、思い出して、気を取り直したものでした。このような時代にこそ、私たちに求められるのは希望であると思います。
ルターは「希望は、强い勇気であり、新たな意志である」という言叶も残しています。
「自由で平和な一つの大学」を掲げて広岛大学は诞生しました。
平和で希望に満ちた世界を筑くために、広岛大学人として何ができるかを问い続けながら、共に新しい年を歩んでまいりたいと思います。
あらためて年头に当たり、教职员、学生の皆さんにとって、今年一年が佳い年となりますとともに、世界が平和であることを心から愿っております。
本日は、诚におめでとうございます。
平成29(2017)年1月4日
広岛大学长 越智光夫