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平成30年度 原爆死没者追悼式

広島大学原爆死没者追悼式 追悼の辞 (2018.8.6)

 73回目の「原爆の日」が巡ってまいりました。
 広岛の街を焦土へと変えた一発の原子爆弾によって、広岛大学の前身诸学校も壊灭的な被害を受け、多くの学生?生徒や教职员、留学生の方々が犠牲になりました。ご遗族、同窓会代表をはじめとする関係者、教职员并びに在学生代表の皆様のご临席の下、「広岛大学原爆死没者追悼式」を挙行するにあたり、犠牲となられた方々の御霊に、谨んで哀悼の诚をささげます。

 1カ月前の7月6日から7日にかけて、広岛県など西日本各地を记録的な豪雨が袭いました。土砂灾害や河川の氾滥によって亡くなられた几多の方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお避难生活を余仪なくされている方々に、心よりお见舞いを申し上げます。

 いま思い起こしますのは、原爆投下から约1カ月后の昭和20年9月17日から18日に日本列岛を袭った枕崎台风の大灾害であります。広岛、呉市を中心に広岛県内では死者?行方不明者2,000人を超える甚大な被害が出ました。原爆と台风という二重の灾害を受けた人々の苦难は、笔舌に尽くしがたいものであったに违いありません。

 あの日から73年を経た今年、史上初の米朝首脳会谈がシンガポールで行われました。「完全な非核化に向けて努力する」という文言が共同声明に盛り込まれました。もとより予断を许さない状况ですが、午后の讲演会にお越しいただく、国际狈骋翱、滨颁础狈(核兵器廃絶国际キャンペーン)のノーベル平和赏受赏も追い风となり、「核なき世界」を求める国际世论が大いに高まってほしいと、心より愿っております。

 昭和24年に开学した広岛大学は、文部大臣を経て初代学长に就任した森戸辰男先生が掲げた「自由で平和な一つの大学」を建学の精神とし、平成7年に定められた「理念5原则」の最初に「平和を希求する精神」を挙げています。私も学长就任以来、「平和を希求し、チャレンジする国际的教养人」の育成を唱えてまいりました。新しい平和科学の理念=「持続可能な発展を导く科学」を确立し、多様性をはぐくむ自由で平和な国际社会の実现を目指してまいる所存です。

 本日は追悼式に引き続きまして、被爆者の方々、本学学生、留学生の皆さんにお願いして書いていただいた手紙や絵をタイムカプセルに収めて埋めるほか、学生の意見交換会、午後からはICAN国際運営委員の川崎哲(かわさき?あきら)氏による講演会を行います。 お時間が許せば、ぜひともご参加いただければ幸いです。

 今年、新たに29柱の方々をこの慰霊碑にお祀りすることとなりました。昨年までの方々と合わせて、1,981柱の御霊の安らかならんことを愿い、また、ご遗族の皆様のご健胜を心よりお祈りいたします。

 広岛大学は、教育研究および社会贡献活动を通じて平和な人类社会を筑くために、教职员および学生一同、一层努力してまいることを改めてお誓い申し上げ、追悼の辞といたします。

平成30(2018)年8月6日
広岛大学长 越智光夫
 


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