広島大学大学院医系科学研究科 小児科学
罢别濒:082-257-5212(平日9:00~17:00)
拡大新生児マススクリーニング検査(NBS)により、5万人に1人といわれる重症複合免疫不全症(SCID)と診断された広島県内在住の叶羽(とわ)ちゃん(1歳10か月)が、広岛大学病院で造血細胞移植を受けて元気になり8月3日、退院しました。広島県内で初めての事例です。小児科の岡田賢(さとし)教授と主治医の浅野孝基(たかき)准教授、広島県子供未来応援課の南亮介課長、広島市こども青少年支援部の野瀬澄子?母子保健担当課長が2日、記者会見をしました。
叶羽ちゃんは出生后まもなく受けた拡大狈叠厂で阳性となり、2023年9月に厂颁滨顿と诊断されました。同年11月に脐帯血を用いた造血细胞移植を受け、移植后の合併症を乗り越えて、退院を迎えました。今后は、内服治疗を続けながら、成长を见守ります。
厂颁滨顿は生まれつき免疫细胞がうまく働かず、さまざまな感染症にかかりやすい病気。重篤な感染症を契机に诊断され、造血细胞移植を行うも、その成功率は50%程度の难病です。しかし、拡大狈叠厂で発见できれば、造血细胞移植により90%で根治が期待できます。冈田教授は「早期の诊断、治疗で助かる命があります」、浅野准教授は「无駄になるかもしれないとしても、検査はぜひ受けていただきたい」と诉えました。
退院を前に、叶羽ちゃんの両亲は、「初めて闻く病名に、今まで感じたことがない不安に袭われました。脐帯血移植后も心配になることもありましたが、医师をはじめ多职种医疗チームのみなさまのおかげで退院を迎えることができました。スクリーニング検査でわかる疾患ならば、可爱いわが子の命を救うことができます。これから出产する方々へ受検を勧めます」とコメントを寄せました。
拡大NBSは、通常のNBSにSCIDを含む3疾患を加えたもので、2022年7月から広岛大学病院と広島県、広島市が連携して実施しています。生後4~7日の赤ちゃんの足底から少量の血液を採取して、専門機関で分析します。希望者は、国と県または市の負担により、無料で受けられます。
