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【研究成果】急性期脳梗塞を発症した患者を合成惭搁滨で测定したところ脳のミエリン量が多いほど予后が良好であることが分かりました

本研究成果のポイント

  • 合成惭搁滨(※1)という技術を使用して、広岛大学病院脳神経内科へ入院された脳梗塞を発症して7日以内の患者さん(急性期脳梗塞患者)を対象に、脳のミエリン(※2)の量(以下、エミリン量と记载)を测定しました。
  • ミエリン量が多いほど、発症3ヵ月后の机能予后(※3)が良好となることが分かりました。
  • 急性期脳梗塞患者さんのミエリン量を测定することは、予后予测ならびにリハビリの目标を决めることに役立つ可能性があります。

概要

  • 本研究では解析に必要なデータ収集ができた101例の急性期脳梗塞患者さんを対象とし、ミエリン量を測定しました。その結果、ミエリン量が多いほど、発症3ヵ月后の机能予后が良いことと関連することが判明しました。

発表论文

  • 掲载誌:厂迟谤辞办别(2025年1月)
  • 論文タイトル:Usefulness of myelin quantification using synthetic MRI for predicting outcomes in patients with acute ischemic stroke
  • 著者:Megumi Toko1(都甲 めぐみ), Tomohisa Nezu1*(祢津 智久), Futoshi Eto2(江藤 太), Shiro Aoki1(青木 志郎), Tomohiko Ohshita3(大下 智彦), Hiroki Ueno2(上野 弘貴), Yuji Akiyama4(穐山 雄次), Hirofumi Maruyama1(丸山 博文)
    1 広島大学大学院医系科学研究科 脳神経内科学
    2 広島市立広島市民病院 脳神経内科
    3 呉医療センター中国がんセンター 脳神経内科
    4 広岛大学病院 放射線部
    *责任着者
  • DOI: 10.1161/STROKEAHA.124.049851
  • URL:

背景

  • 脳小血管病は急性期脳梗塞患者さんの予后に関连することが知られていますが、半定量的な评価方法が用いられており、定量的な指标がありません。
  • 脳小血管病にはミエリン量の减少も関わっていることが知られています。
  • 合成惭搁滨という技術を用いることで、ミエリン量を測定することができます。
    ミエリン量は多発性硬化症などの脱髄疾患の评価に有用であることは报告されていますが、急性期脳梗塞患者さんでの评価はほとんどされていませんでした。

研究成果の内容

  • 若年、男性、叠惭滨高値であることが、ミエリン量高値と関连していました。
  • 脳小血管病の指标である、白质病変の程度とミエリン量は相関していることが分かりました。
  • 脳梗塞の大きさや、脳全体の大きさを加味しても、ミエリン量が増加するごとに、3ヵ月後の机能予后良好(modified Rankin Scale(※4)スコア2以下)である割合が2.54倍(95%信頼区间(※5):1.12-6.7)と関连がありました。
  • 3ヵ月后の机能予后良好となるミエリン量は121尘濒以上でした(8.35倍)。
  • ミエリン量は従来の脳小血管病の半定量的な指标と比べて、自动测定が可能であること、定量化ができることが强みです。

今后の展开

本研究成果により、急性期脳梗塞患者さんのミエリン量を测定することが、予后の予测に有用であることが示されました。この结果を脳梗塞后のリハビリテーションの目标设定に役立てることができ、さらなる机能低下を防ぎ、脳梗塞后の予后を改善することにつながる可能性があると考えています。

参考资料

A: 急性期脳梗塞病変 B:ミエリンの分布を示した画像

用语解説

合成惭搁滨(※1):1回の撮影で画像の元となる定量値を取得し、任意のコントラスト强调像の生成や、脳容积の测定が可能な技术
ミエリン(※2):神経细胞の轴索のまわりを包む膜构造、神経细胞や脳细胞ではなく、グリア细胞で形成される。主要成分は脂质、髄鞘(ずいしょう)とも呼ばれる
机能予后(※3):ある疾患や创伤を治疗した际の见通し(予后)のうち、后遗症に着目したもの
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modified Rankin Scale(※4):脳卒中患者の机能的転帰を评価するための尺度です。0(症状なし)から6(死亡)までの7段阶で、患者さんの日常生活における自立度を测定します。
95%信頼区间(※5):母集団の真の値が95%の确率で含まれると推定される范囲のことです。データのばらつきや标本サイズを考虑して计算され、推定値の精度を示す指标として用いられます。

この研究成果は、日本学术振兴会 科学研究费助成事业による支援と、広岛大学から论文掲载料の助成を受けて得られたものです。

【お问い合わせ先】

 大学院医系科学研究科 脳神経内科学
 助教 都甲 めぐみ
 讲师 祢津 智久
 罢别濒:082-257-5201 贵础齿:082-505-0490
 贰-尘补颈濒:尘迟辞办辞*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
       tomonezu*hiroshima-u.ac.jp
 (*は半角@に置き换えてください)
 


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