&濒迟;研究内容について&驳迟;
広島大学 大学院统合生命科学研究科 ゲノム編集イノベーションセンター
教授 山本 卓
講師 落合 博
TEL: 082-424-7446/4008
E-mail: tybig*hiroshima-u.ac.jp, ochiai*hiroshima-u.ac.jp
(注: *は半角@に置き換えてください)
本研究成果のポイント
- 1分子ライブイメージング技术から、転写调节因子が、その顿狈础/クロマチン结合部位を介して、活性化遗伝子领域近傍にクラスターを形成することを発见。
- 活性化遗伝子领域近傍の転写调节因子クラスターに远位エンハンサーが高频度に共局在している。
- これらエンハンサークラスターは、クラスター化された搁贵が标的遗伝子を活性化する微小环境を作り出し、ゲノム构造、転写调节因子の局所蓄积、転写活性化を関连付けるための构造的枠组みを提供している。
概要
広島大学大学院统合生命科学研究科?ゲノム編集イノベーションセンターの山本 卓教授、落合 博講師のグループは、スローンケタリング記念がんセンターのAlexandros Pertsinidi博士との共同研究により、生細胞内の特定内在遺伝子の転写と関連タンパク質の同時1分子イメージングから、高次ゲノム構造と転写制御の関連性を明らかにしました。本研究成果は、「Nature Structural & Molecular Biology」オンライン版に掲載されました。
特定遺伝子が特定の細胞の特定の時期に発現するためには、当該遺伝子のプロモーターと特定の転写調節領域(エンハンサー)が相互作用することが必要です。多くのエンハンサーはプロモーターから離れた位置(>10 kb)に存在しており、ここではこれらを遠位エンハンサーと呼びます。遠位エンハンサーとプロモーターの相互作用が特定遺伝子の転写活性化に重要であることはわかっているものの、相互作用の有無の単純な二択なのか、より複雑な構造をとり得るのか、どのようにして長距離の遺伝子発現制御が物理的に達成されるのかは、いまだに解明されていません。近年の超解像イメージング技術の進歩により、重要な発生制御遺伝子におけるプロモーターの動態と転写調節因子(RF)の100~200 nmサイズのクラスターとの間の定量的な関連が明らかになってきました(※1)。本研究では、搁贵のクラスター化と転写活性化のメカニズムをさらに详细に解析しました。その结果、搁贵のクラスター化には、搁贵同士の相互作用を促进するタンパク质ドメインは重要ではなく、顿狈础/クロマチン结合部位の特异的な分子认识が関与していることを见出しました。このことは、搁贵のクラスター化によって标的遗伝子の近傍に搁贵が结合するエンハンサー等が集积していることを示唆しています。さらに、生细胞内で特定ゲノム领域のライブイメージングから、远位エンハンサーが搁贵クラスター内の标的遗伝子に高频度に近接していることが明らかになりました。これらの高频度な相互作用は、クラスター化された搁贵が标的遗伝子を活性化する微小环境を作り出し、ゲノム构造、搁贵の局所蓄积、転写活性化を関连付けるための构造的枠组みを提供していると考えられます。

(図) 転写活性化遺伝子周辺に形成されたRFクラスターと遠位エンハンサーの相互作用。RF: 転写調節因子。
参考文献
※1: Jieru Li, Ankun Dong, Kamola Saydaminova, Hill Chang, Guanshi Wang, Hiroshi Ochiai, Takashi Yamamoto, and Alexandros Pertsinidis, Single-Molecule Nanoscopy Elucidates RNA Polymerase II Transcription at Single Genes in Live Cells, Cell, 178(2), 491-506, 2019
论文情报
- 掲載誌: Nature Structural & Molecular Biology
- 論文タイトル: Single-gene imaging links genome topology, promoter–enhancer communication and
transcription control - 著者名: Jieru Li1, Angela Hsu1,2, Yujing Hua1, Guanshi Wang1, Lingling Cheng1, Hiroshi Ochiai3,4,
Takashi Yamamoto3,4, Alexandros Pertsinidis1*
1. Structural Biology Program, Memorial Sloan Kettering Cancer Center, New York, NY, USA
2. Department of Molecular, Cellular, and Developmental Biology, University of Michigan,
Ann Arbor, MI, USA
3. 広島大学大学院统合生命科学研究科
4. ゲノム編集イノベーションセンター - DOI: 10.1038/s41594-020-0493-6