大学院统合生命科学研究科
特任教授 坊農 秀雅
罢别濒:082-424-4013
E-mail:bonohu*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)
本研究成果のポイント
- 低酸素刺激によって発现変动する遗伝子は低酸素诱导因子に代表される低酸素応答システムの発见に伴いよく研究されていますが、有名な遗伝子の影に隠れて、まだ明らかになっていない低酸素応答性遗伝子があるのではないかと考えました。
- そこで本研究では、公共データベース(公共顿叠)に蓄积したデータを自らの研究に利用するバイオデジタルトランスフォーメーション(バイオ顿齿)を活用して、新规の低酸素応答性遗伝子探索をデータ駆动的に试みました。
- 公共顿叠から収集した低酸素刺激前后のすべての遗伝子の発现量の変化を评価するメタ解析手法を构筑し、论文データベースにあるすべての遗伝子の情报を统合するマルチオミックス解析によって、新规の低酸素応答性遗伝子を复数発见しました。
概要
広島大学大学院统合生命科学研究科の小野擁子大学院生と坊農秀雅特任教授は、複数の公共データベース(公共DB)を統合するマルチオミックス解析によって新規の低酸素応答性遺伝子を発見しました。
低酸素刺激によって発现変动する遗伝子は、低酸素诱导因子1(贬滨贵-1)に代表される低酸素応答システムの発见など、活発に研究されています。よく研究されている分野は出版バイアスの影响をより强く受けてしまうため、例えば血管内皮増殖因子础などの古くから知られている遗伝子であるほど研究対象になります。そのため私たちは、この出版バイアスの影に隠れている未知の低酸素応答性遗伝子があるのではないかと考えました。
现在、公共顿叠に蓄积したデータを自らの研究に利用するバイオデジタルトランスフォーメーション(バイオ顿齿)が注目されています。この公共顿叠を活用することで、データ駆动的に新规の低酸素応答性遗伝子の探索を试みました。
公共顿叠から収集した低酸素刺激有无のすべての遗伝子の発现情报(トランスクリプトーム)の変化を评価する、データ駆动型のメタ解析手法を构筑しました。収集したトランスクリプトーム情报と、公共顿叠にあるすべての论文(ビブリオーム)に掲载された遗伝子の情报を统合するマルチオミックス解析によって、新规の低酸素応答性遗伝子を复数発见しました。
今回の研究成果を元に有用物质生产生物のゲノム编集に向けて、开発したマルチオミックス解析手法を応用していくことが期待されます。また、解析の结果発见した、低酸素刺激によって発现が低下する遗伝子群と非コード搁狈础の代谢のかかわりを今后検讨していく予定です。
本研究成果は、スイスの出版社Multidisciplinary Digital Publishing Institute(MDPI)のBiomedicines誌に掲載されました。

図1 マルチオミックス低酸素トランスクリプトームメタ解析
ステップ1.低酸素応答性遗伝子の公共顿叠からの抽出。ステップ2.既知の低酸素刺激関连遗伝子を用いたデータセットの评価。ステップ3.低酸素刺激応答に関连する新规遗伝子の発见。
论文情报
- 掲載誌: Biomedicines
- 論文タイトル: Multi-omic meta-analysis of transcriptomes and the bibliome uncovers novel hypoxia-inducible genes
- 著者名: Yoko Ono, Hidemasa Bono* *Corresponding author(責任著者)
- DOI: https://doi.org/10.3390/biomedicines9050582