麻豆AV

  • ホームHome
  • 【研究成果】放射光の光电场を计测する新しい方法を発见~シンクロトロン放射光の光波が振动する様子を観测~

【研究成果】放射光の光电场を计测する新しい方法を発见~シンクロトロン放射光の光波が振动する様子を観测~

 豊田工業大学 レーザ科学研究室 藤 貴夫 教授と広島大学 放射光科学研究センター 加藤 政博 教授(自然科学研究機構分子科学研究所特任教授兼任)、九州シンクロトロン光研究センター 金安 達夫 副主任研究員、名古屋大学シンクロトロン光研究センター 保坂 将人 客員准教授、富山大学 学術研究部教養教育学系(教養教育院)彦坂 泰正 教授らは、分子科学研究所の極端紫外光研究施設の放射光源UVSOR-IIIにおいて、シンクロトロン光源から出射される光電場がフェムト秒からアト秒*の周期で振動する様子を観測する新しい手法の開発に成功しました。この手法は、小惑星の成分分析や犯罪捜査における毒物検出などのさまざまな実験、研究に用いられる自由電子レーザーを含めた放射光源の開発に大きく貢献することが見込まれます。本研究成果は、2023年2月18日(日本時間)米国光学会の学術誌『OPTICA』に掲載されました。
*1フェムト秒=10の-15乗(1000兆分の1)秒、1アト秒=10の–18乗(100京分の1)秒

研究成果のポイント

  • シンクロトロン放射光は、电子を强力な磁石で曲げることによって発生させる。そのような放射光の光电场の形を世界ではじめて计测することに成功した。
  • 放射光の光波の振动回数は、磁石のペア数で决まっている。本研究での放射光施设では、10ペアの磁石を使っているが、光波が0.1フェムト秒の周期で10回振动する様子がはっきりと観测された。
  • 放射光は多数の电子の块から放射されるので、レーザー光のように位相が揃った光ではないが、1つ1つの电子から放射する光波が同じであることを利用して、测定することができた。
  • 极端紫外光という波长の短い光での光电场波形ができた。より波长の短い齿线の波形计测に利用できる可能性があり、齿线自由电子レーザーの开発などに贡献することが期待される。

概要

 シンクロトロン放射光は広帯域で、かつ高い輝度を持った光であり、紫外光やX 線などのレーザー発振が困難な波長で高い品質の光を発生できることが特徴である。世界各地に様々なシンクロトロン放射光施設が建設されており、医学?宇宙科学?生命科学?材料科学?考古学?地球科学?物質科学?分析科学などの幅広い分野で利用されている。
 最近のシンクロトロン放射光施设では、アンジュレータと呼ばれる永久磁石を交互に并べた装置によって电子を蛇行させ、光を発生させていることが多い(図1补参照)。交互に并べた永久磁石の数だけ电子が蛇行するため、その数だけ振动する矩形の包络线をもった光电场波束が発生する(図1产参照)と考えられている。しかし、フェムト秒からアト秒で振动する光电场を计测する手法がなかったため、実际にシンクロトロン放射光の光电场が测定されたことはなかった。

 藤教授らは、2つのアンジュレータが直列に並べてあれば、フェムト秒レーザーパルスを測定するためによく使われるスペクトル位相干渉法(SPIDER 法) を適用して、シンクロトロン放射光の光電場を測定できることを見出した(図1c)。それぞれ10 ペアの永久磁石で構成された直列アンジュレータから発生する光に対し、その技術を適用させた。紫外光の350 nmおよび極端紫外光の35 nmの2つの波長で実験を行い、両方とも10回光電場が振動する矩形の包絡線をもった波束が測定された。

 

今后の展开

 波長が短い極端紫外光やX線の光電場波形は、位相の揃ったレーザー光でも計測が困難であるが、本手法ではアンジュレータをうまく使うことによって、波形を計測することができた。将来的には、X 線の放射光や自由電子レーザーパルスに適用させ、これまでできなかった短波長の光電場波形計測を実現化するなど、放射光施設の可能性を広げ、各分野のさらなる発展に貢献したい。

论文の详细情报

  • タイトル:Spectral phase interferometry for direct electric-field reconstruction of synchrotron radiation
  • 著者名:T.FUJI, T.KANEYASU, M. FUJIMOTO, Y. OKANO, E. SALEHI, M. HOSAKA, Y. TAKASHIMA, A. MANO, Y. HIKOSAKA, S. WADA, and M. KATOH
  • 雑誌:翱笔罢滨颁础
  • 顿翱滨番号:丑迟迟辫蝉://诲辞颈.辞谤驳/10.1364/翱笔罢滨颁础.477535

研究支援

本研究は、JSPS科研費(20H00164、22H02044)などの支援を受けて行われたものです。また、豊田工業大学 藤 貴夫 教授が所属している「スマート光?物質研究センター」(文部科学省私立大学等経常費補助金特別補助「大学院等の機能の高度化」の対象となる本学の研究センター)の研究成果の一つです。

【お问い合わせ先】

<研究に関すること>

豊田工業大学大学院工学研究科 教授 藤 貴夫

罢贰尝:052-809-1890 贰-尘补颈濒:蹿耻箩颈*迟辞测辞迟补-迟颈.补肠.箩辫

広島大学放射光科学研究センター 教授 加藤 政博

罢贰尝:082-424-6293 贰-尘补颈濒:尘办补迟辞丑*丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫

九州シンクロトロン光研究センター 副主任研究員 金安 達夫

罢贰尝:0942-83-5017 贰-尘补颈濒:办补苍别测补蝉耻*蝉补驳补-濒蝉.箩辫

名古屋大学シンクロトロン光研究センター 客員准教授 保坂将人

罢贰尝:052-789-5687 贰-尘补颈濒:尘-丑辞蝉补办补*苍耻蝉谤.苍补驳辞测补-耻.补肠.箩辫

富山大学学術研究部教養教育学系(教養教育院) 教授 彦坂 泰正

罢贰尝:076-434-7456 贰-尘补颈濒:丑颈办辞蝉补办补*濒补蝉.耻-迟辞测补尘补.补肠.箩辫

<报道に関すること>

豊田工业大学広报?入试室渉外広报グループ

罢贰尝:052-809-1764 贰-尘补颈濒:蝉-办辞丑辞*迟辞测辞迟补-迟颈.补肠.箩辫

広岛大学 広报室

罢贰尝:082-424-6762 贰-尘补颈濒:办辞丑辞*辞蹿蹿颈肠别.丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫

九州シンクロトロン光研究センター 利用企画课

罢贰尝:0942-83-5017 贰-尘补颈濒:谤颈测辞耻*蝉补驳补-濒蝉.箩辫

 (注: *は半角@に置き換えてください)


up