ザインエレクトロニクス、NICT、広島大学は共同で、総務省研究開発プロジェクトの一環で、世界初のミックスドシグナル広帯域ベースバンド回路による毎秒20ギガビットの超高速情報伝送を実現しました。ザインエレクトロニクスは設計?測定全般を、広島大学大学院先进理工系科学研究科の藤島実教授らは設計?測定についての議論を、NICTは測定についての議論や測定補助をそれぞれ担当しました。
この半导体回路は、キャリア(注7)周波数をシンボル(注8)?キャリア周波数の整数倍にすることで回路を简素化することができます。キャリア、タイミング(注9)とデータ復元機能を統合する独自の回路構成 (ミックスドシグナルコスタス?ループ) を用いることで超高速情報伝送を実現しました。高速?低解像度ADCは8相タイムインターリーブ(回路全体で出力を8倍速化)毎秒40ギガサンプルの3bit ADCを実装し、これにFPGAを用いてデータを復元することで実現しました。
本研究成果は、2024 IEEE Custom Integrated Circuits Conference (CICC、2024年4月21日~4月24日、米国コロラド州デンバー)で発表を行いました[1]。
新开発した世界初のミックスドシグナルベースバンド復调回路を搭载した受信用半导体
今回の研究成果により、ミックスドシグナル型アーキテクチャを通じて、より高性能でありながらも、エネルギー効率にも优れた回路実装への道を拓くものとなりました。
(注1)ベースバンド復調回路: 変調されて無線送信されたベースバンド信号(デジタル信号)を、受信機側で元のベースバンド信号に復調する回路
(注2)ADC: アナログ?デジタル変換回路
(注3)DSP: デジタルシグナルプロセッサ
(注4)ミックスドシグナル: アナログ信号とデジタル信号の両方を取り扱う回路
(注5)FPGA: Field Programmable Gate Array
(注6)QPSK: Quaternary Phase Shift Keying (四位相偏移変調) であり、一度の変調で4値 (2ビット)を表現できる変調方式。
(注7)キャリア: 信号を送受信するために使用される電波
(注8)シンボル:情报を电波に载せる时の変调信号の単位
(注9)タイミング: データ生成に必要な時間情報のこと
総务省では、新たな电波利用ニーズの拡大に対応するため、周波数のひっ迫状况を缓和し、电波の有効利用を目的とした电波资源拡大のための研究开発を行い、超大容量无线通信を実现可能とし、新たな周波数帯の利用を促进することにより电波资源の拡大に资することを目标としております。
本成果の一部は総务省电波资源拡大のための研究开発(闯笔闯000254)によるものです。
课题名:テラヘルツ波による超大容量无线尝础狈伝送技术の研究开発
课题イ トランシーバ技术の研究开発
参考文献
[1] Shunichi Kubo1, Yuji Gendai1, Satoshi Miura1, Shinsuke Hara2,3, Satoru Tanoi2, Akifumi Kasamatsu2, Takeshi Yoshida3, Satoshi Tanaka3, Shuhei Amakawa3, Minoru Fujishima3, “A 20Gb/s QPSK Receiver with Mixed-Signal Carrier, Timing, and Data Recovery Using 3-bit ADCs ,” 2024 IEEE Custom Integrated Circuits Conference.
1THine Electronics, Inc., 2National Institute of Information and Communications Technology, 3麻豆AV