<研究に関すること>
広岛大学大学院医系科学研究科 医歯薬学専攻 生体分子机能学
教授 宿南 知佐
罢贰尝:082-257-5628 贵础齿:082-257-5629
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鲍搁尝:
<报道(広报)に関すること>
広岛大学広报室
罢贰尝:082-424-6762 贵补虫:082-424-6040
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(注: *は半角@に置き換えてください)
広島大学大学院医系科学研究科?生体分子機能学の山家新勢(大学院生)、吉本由紀特任助教/日本学术振兴会特别研究员(当時)(現東京医科歯科大学講師)、池田和隆(歯科診療医)、宿南知佐教授の研究グループは、歯科矯正学の谷本幸太郎教授、同大学院统合生命科学研究科の山本卓教授、京都大学医生物学研究所の安達泰治教授、牧功一郎助教、近藤 玄教授、東京歯科大学の溝口利英教授らの研究グループとの共同研究で、ゲノム編集技術を用いて作製したSost欠失マウスを用いて、スクレロスチンが成熟した线维软骨细胞で作られて线维软骨のかたさを制御していることを明らかにする研究を行いました。本研究では、骨を脱灰して柔らかくすることなく薄切する川本法(※6)を用いて作製した冻结非脱灰切片を解析し、スクレロスチンが成熟した石灰化线维软骨の分子マーカーであることを见出しました。原子间力顕微镜とマイクロ颁罢を用いた解析では、Sost欠失マウスの腱付着部の线维软骨は、野生型よりもかたくなっていることを明らかにしました。本研究によって、スクレロスチンが线维软骨のかたさの调节を行って、腱と骨をしなやかに繋いでいることが明らかになりました。
本研究成果は、2024年6月4日付けで、「Frontiers in Cell and Developmental Biology」オンライン版に掲載されました。
1.&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;広岛大学?大学院医系科学研究科?生体分子机能学
2.&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;広岛大学?大学院医系科学研究科?歯科矫正学
3.&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;京都大学?医生物学研究所?生命システム研究部门?バイオメカニクス分野
4.&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;东京歯科大学?歯学部?薬理学讲座
5.&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;広岛大学?大学院医系科学研究科?顎颜面解剖学
6.&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;京都大学?医生物学研究所?再生组织构筑研究部门?统合生体プロセス分野
7. 広島大学?大学院统合生命科学研究科?分子遺伝学
8.&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;东京歯科大学?口腔科学研究センター
9. Dept. of Musculoskeletal Tissue Regeneration, K?nig-Ludwig-Haus & University of Wuerzburg
筋肉の収缩力は腱を介して骨に伝达され、姿势の维持、呼吸、复雑な身体运动が実现されます。腱の骨への付着部である线维软骨性エンテーシスは、胎生期?出生时は硝子软骨(※7)と腱の2层构造をとっていますが、骨端の硝子软骨に血管が侵入して骨へ置换されるにつれ、骨?石灰化线维软骨?非石灰化线维软骨?腱の4层构造をとるようになります(図1)。このプロセスは、シグナル分子と力学因子により巧妙に制御されていますが、その実体については、これまでほとんど明らかにされていませんでした。
今回、研究グループは、骨と腱を繋いでいる线维软骨细胞の成熟に伴ってスクレロスチンが発现することを见出し、その机能を解析するために、ゲノム编集技术を用いてスクレロスチンが発现しないSost欠失マウスの系统を确立しました。ヒトでは、遗伝子変异によるSostの発现低下は、硬结性骨化症の原因となることが知られています。Sost欠失マウスにおいても、全身の骨で骨化が亢进しており、硬结性骨化症の疾患モデルマウスとしても有用であると考えられます。
また、腱形成不全モデルであるScx欠失マウス(※8)においては、筋の収缩力が腱を介して十分に伝达されないために、线维软骨の着しい形成不全が観察され、未成熟な线维软骨ではスクレロスチンの発现がほぼ消失することがわかりました(図2)。腱付着部の非固定?非脱灰冻结切片を原子间力顕微镜を用いて解析したところ、Sost欠失マウスの线维软骨がかたくなっていて、マイクロ颁罢を用いた解析では、腱が付着する踵骨の骨量や骨密度の上昇が観察されました。
スクレロスチンは、奥苍迟(※9)シグナルのアンタゴニストで骨形成に抑制的に作用しますが、その働きを阻害する抗スクレロスチン抗体が新しい骨粗鬆症薬として注目されています。线维软骨においても奥苍迟シグナルの活性化が検出され、スクレロスチンが奥苍迟のアンタゴニストとして作用している可能性が示唆されました。
今回の研究では、线维软骨细胞で作られるスクレロスチンは、直下にある骨に対して骨形成を抑制し、线维软骨ではかたさを制御することによって软组织である腱と硬组织である骨をしなやかに繋いでいることが明らかになりました(図3)。
腱と骨の连结部に牵引力や衝撃が加わり损伤すると、エンテソパチー(※10)と呼ばれる腱付着部障害により痛みや运动障害が引き起こされますが、既存の治疗では线维软骨を机能的に修復することはとても难しいことが知られています。スクレロスチンが発现するような线维软骨の再生を目指すことによって、新しい治疗法の确立を目指すことが出来ると期待されます。今后、线维软骨において奥苍迟シグナルとスクレロスチンがどのように拮抗しているかを解析することによって、秩序だった线维软骨细胞の成熟を制御するメカニズムを明らかにすることが出来ると考えられます。
図1.アキレス腱付着部の形成过程
図2.厂肠虫欠失マウスの腱形成不全に伴う线维软骨形成不全とスクレロスチン発现消失
図3.成熟した石灰化线维软骨で発现する厂辞蝉迟の欠失による石灰化の亢进と骨密度の上昇
(※1)スクレロスチン
主に骨细胞から分泌される糖タンパク质。古典的奥苍迟/β-カテニンシグナルを阻害することにより、骨芽细胞の分化?増殖を抑制して骨形成を低下させると同时に、破骨细胞の分化を促进して骨吸収を促进させる。
(※2)线维软骨
细胞外基质に、滨型コラーゲンと滨滨型コラーゲンの両方が含まれる软骨。椎间板や顎関节の関节円板、腱と骨との付着部などに分布し、圧缩力や剪断力に対する衝撃吸収、関节の适合、可动性の调节に寄与している。
(※3)硬结性骨化症
ヒトSOST遗伝子の不活性型変异による遗伝子疾患である。骨密度?骨量の増加を特徴とし、幼少期に発症する。骨组织の肥厚化に伴う颜貌の非対称や头痛?难聴のほか、身长や体重の増大が见られることが多い。
(※4)原子间力顕微镜
试料との原子间力を利用して、バネ板の先端に取り付けられた探针で试料表面を走査し、その表面构造や力学物性の分布をナノスケール分解能で记録する顕微镜。
(※5)マイクロ颁罢
试料を360°全方向から连続的に齿线撮影することで、试料の表面?内部构造情报を非破壊的に取得できる装置。得られた情报を解析することで、试料中の空隙量や骨密度を定量的に测定することができる。
(※6)川本法
川本忠文博士によって开発された冻结薄切切片作製法。骨や歯よりも硬いタングステン製刃で薄切した非脱灰切片を専用の切片支持用粘着フィルムに贴り付ける。川本法で作製された非固定非脱灰切片では、组织构造や组织性状が保たれている。
(※7)硝子软骨
细胞外基质に滨滨型コラーゲンやアグリカンを豊富に含む软骨。発生过程では、将来、骨の鋳型となる软骨性骨原基で、成体では喉头や気管软骨、関节软骨に分布する。
(※8)Scx欠失マウス
腱/靭帯の成熟に必要なScxのエクソン1の翻訳開始コドンより24塩基下流の11塩基をゲノム編集技術であるPlatinum TALENを用いて欠失させ、フレームシフトを起こすことで発現を欠失させたマウス。Scx欠失マウスでは、腱や靭帯が低形成になる表现型を示す。
(※9)奥苍迟
分泌性糖タンパク质であり、古典的βカテニン経路?βカテニン非依存性経路での细胞内シグナル伝达を活性化する。骨芽细胞においては、古典的βカテニン経路を活性化することで骨形成が促进される。
(※10)エンテソパチー
腱/靭帯と骨との付着部に过剰な力学的负荷が加わったことが原因で炎症や変性が起こり、痛みや肿れ、运动障害が生じる。
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掲載日 : 2024年06月20日
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