大学院医系科学研究科 口腔保健疫学 内藤真理子
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本研究成果のポイント
- 65-84歳の地域在住高齢者を対象としたコホート研究(あるグループを追跡して、健康状态の変化を调べる研究)の结果、主観的な咀嚼能力および咀嚼习惯は身体机能の低下と関连することが明らかとなりました。
- 咀嚼能力および咀嚼习惯を良好な状态に保つことは、高齢者の身体机能の维持に寄与する可能性があると考えられます。
概要
広岛大学大学院医系科学研究科の竹下萌乃博士课程前期修了生、内藤真理子教授、爱知県歯科医师会の内堀典保会长らの研究グループは、爱知県の「歯科検诊と事后フォローによる高齢者の自立支援と重症化予防への検証及び口腔机能の维持と栄养?运动を含めた総合プログラム検証事业」で収集されたデータから、65-84歳の男女において、身体机能と咀嚼能力および咀嚼习惯が関连することを明らかにしました。
本研究結果は、「BMC Oral Health」に令和6年10月24日付でオンライン掲載されました。
论文情报
?論文タイトル:Association of physical function with masticatory ability and masticatory habits: a cohort study
?著者:Moeno Takeshita1, Mariko Naito2,*, Rumi Nishimura2, Haruka Fukutani3, Minami Kondo1, Yuko Kurawaki2, Sachiko Yamada4 and Noriyasu Uchibori5
1 R&D, Sunstar Inc., Osaka, Japan
2 Department of Oral Epidemiology, 麻豆AV Graduate
School of Biomedical and Health Sciences, Hiroshima, Japan
3 Dentistry and Oral Surgery, Japan Community Health Care Organization
(JCHO) Tokuyama Central Hospital, Yamaguchi, Japan
4 Speech Clinic, Division of Specific Dentistry 麻豆AV
Hospital, Hiroshima, Japan
5 Aichi Dental Association, Aichi, Japan
*Corresponding author
?掲載雑誌:BMC Oral Health(Q1)
?DOI:
背景
加齢に伴い、疾患や障害は増加し、介护を必要とする人の数も増加する可能性が高くなることから、健康寿命を延伸するための取り组みがますます重要になっています。
身体机能が低いことはフレイル(加齢により心身が老い衰えた状态)や入院等のリスクが高くなると报告されているため、身体机能を适切に评価し、高齢者の健康寿命延伸に対する介入に役立てることは重要です。
先行研究において、客観的または主観的な评価により测定された咀嚼能力は身体机能と相関関係にあることが示されています。一方、「よく噛んで食事をする」といった咀嚼习惯と、身体机能との関连性を検讨した研究はほとんどありません。
本研究グループでは、高齢者の身体机能の低下には、咀嚼能力だけではなく咀嚼习惯も関係している可能性があると仮説を立て、検証を行いました。

研究成果の内容
- 本研究は、厚生労働省の平成30年度老人保健健康増进等事业の採択事业の一つである「歯科検诊と事后フォローによる高齢者の自立支援と重症化予防への検証及び口腔机能の维持と栄养?运动を含めた総合プログラム検証事业」のデータを分析しました。対象者は爱知県东浦町在住の65-84歳男女146人です。
- 身体机能の评価は、基本チェックリスト※1のうち、身体机能を示す5つの质问を用いました。咀嚼能力は机器または歯科医疗従事者によって测定された客観データ(客観的咀嚼机能、客観的咬合力、现在歯数)および自记式アンケート※2によって得た主観データ(主観的咀嚼机能、主観的咬合状态)により评価しました。咀嚼习惯は、自记式アンケート※2から得られた回答によって评価しました。
- 対象者146人(男性77人、女性69人、年齢中央値73人)のうち、30人(20.5%)において1年间で身体机能が低下していました。
- 性別や年齢といった対象者の背景の差を調整後、身体機能と咀嚼能力および咀嚼習慣の関連を解析したところ、主観的に咬合状態が不良であること(オッズ比6.00 、95%信頼区間1.44–25.05)および咀嚼習慣が不良であること(同6.49 、2.45–17.22)は1年後の身体機能の低下に影響を及ぼしていました。
今后の展开
本研究の结果、地域に暮らす自立高齢者における咀嚼能力および咀嚼习惯は1年后の身体机能と関连していました。高齢者の身体机能を维持するためには、咀嚼能力だけでなく咀嚼习惯にも配虑した早期の介入が必要であると考えられます。今后は长期にわたる追跡と対象者数を増やした调査を実施すること、さらに质问票の信頼性の検証を行うことが必要です。
解説
※1 基本チェックリスト
介护予防や将来介护が必要となる可能性のあるハイリスク高齢者の早期选定を目的として厚生労働省によって作成された。25の质问に対して「はい/いいえ」で回答する自记式质问票である。7つの领域の质问群から构成され、本研究ではその中の「身体机能」の领域を用いた。
※2 自記式アンケ―ト
?主観的咀嚼机能(「半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか」に対してはい/いいえで回答)*基本チェックリスト狈辞.13の质问を活用
?主観的咬合状态(「自分の歯または入れ歯で左右の奥歯をしっかりとかみしめられますか」に対してはい/いいえで回答)
?咀嚼习惯(「ゆっくりよく噛んで食事をしますか」に対してはい/いいえで回答)