木庭 康樹,田井 健太郎,上田 丈晴,沖原 謙. . 体育?スポーツ哲学研究. 2009, vol.31, no.1, p.1-26.
木庭康樹. "スポーツにおける左と右 ―サッカーの対称性と反対称性をめぐって―". 左と右?対称性のサイエンス. 広島大学大学院総合科学研究科. 丸善出版, 2017, p.97-129.(叢書インテグラーレ, 015), 978-4-621-30118-0.
2005年に财団法人日本サッカー协会が掲げた「闯贵础2005年宣言」には、2050年までにワールドカップを再び日本で开催し、その大会で日本代表チームが优胜することを目标の1つにしています。その目标を后押しするため、运动学、生理学、栄养学といった自然科学的手法を用いた研究は盛んに行われています。しかし、本研究はサッカーのゲーム构造を哲学的に究明して、より客観的にサッカーゲームをとらえることで、目标に近づくことが出来るとしています。
木庭 康樹,田井 健太郎,上田 丈晴,沖原 謙. . 体育?スポーツ哲学研究. 2009, vol.31, no.1, p.1-26.
木庭康樹. "スポーツにおける左と右 ―サッカーの対称性と反対称性をめぐって―". 左と右?対称性のサイエンス. 広島大学大学院総合科学研究科. 丸善出版, 2017, p.97-129.(叢書インテグラーレ, 015), 978-4-621-30118-0.
(きにわ こうき)
准教授
大学院総合科学研究科 行动科学讲座
研究分野 複合領域 / 健康?スポーツ科学 / スポーツ科学
サッカー関係者が、日々精力を注ぎ、最も兴味を抱いている対象は、サッカーの试合すなわちゲームではないでしょうか。
过去や现在にみられるゲーム现象をより客観的に理解し、それらに対する评価や反省を、现在や未来のゲームへと役立てていくためには、サッカーゲームの本质についての明确な理解と、个々のゲーム现象を分析するための思考の枠组みがあらかじめ用意されていなければならないはずです。
本研究は、サッカーのゲーム分析のために、スポーツゲームの構造を哲学的に探究して明らかにすることを試みました。まず、木庭先生の研究チームは、スポーツの起源である古代ギリシアの「ギュムノス?アゴーン (gymnos agōn)」(身体運動競技)という言葉に着目し、とりわけ、その語の意味の根幹である「アゴーン (agōn)」(競技)について考察を行いました。
20世纪の现代思想である构造主义によると、人间が営むすべての文化的?社会的な事象には、无意识的な深层构造として独自の法则があると言われています。「竞技」の构造に着目すると、この构造の机能を、以下のような比较関数によって定式化することができます。
AG = cf (a, b) = a>b, a=b, a<b | r
础骋:アゴーン(竞技)、 肠蹿:比较関数、 补:竞技者、 产:対戦相手、 谤:ルール
>:胜ち、 =:引き分け、 <:负け
これによって、「竞技」を一つのシステムとして把握することが可能になりました。さらに、この関数に技术や戦术、フィジカルやメンタル、パフォーマンスの美しさや竞技者のパーソナリティなどといった竞技者と対戦相手のすべての力量を数式へと変换する様々な関数を、入れ子状态に组み込むことができるのです。
このようにサッカーのゲーム〈构造〉を哲学的に究明することによって、サッカーゲームが明确な対象性を确保し、サッカーゲームをより客観的な研究対象としてとらえることができます。その结果、现在、サッカーゲームの部分や构成要素をバラバラに扱っている、スポーツ社会学やスポーツ史、スポーツ経営学、スポーツ教育学、スポーツ心理学などの人文社会科学、さらには、バイオメカニクスや运动学、スポーツ生理学、スポーツ栄养学などの自然科学の観点を统合し、サッカーゲームを総合科学的に分析することも可能となってくるでしょう。
この记事は、学术?社会连携室と広报グループが作成し、2017年に公开したものです。
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